堺町通り商店街と三本木急坂【小樽レトロ散策】
北海道を代表する観光都市、小樽。最も有名な観光スポットは小樽運河ですが、かつての北海道開拓の拠点だった小樽には歴史的建造物が数多く残り、散策するだけでもノスタルジックな雰囲気を楽しめます。小樽運河と一緒に是非訪れたいスポットが、小樽運河すぐそばから始まる「堺町通り商店街」。小樽の歴史的な建造物で営業するお店がずらりと並んでおり、素敵なお土産や北海道の美味しいものがぎゅっと集約された見所いっぱいの場所です。
堺町通り散策はレトロと異国風情のショッピング
境町通り商店街は洒落たカフェから海鮮丼などの北海道の美味しいもの、洒落た雑貨から高価なガラス製品まで、様々なお店が並ぶ、小樽のショッピングストリート。そして何よりもの魅力は、それらのお店の建物。石造りの倉庫や古い洋館など、レトロな建物をモダンに改装しており、まるでタイムスリップしたように思える街並み散策を楽しめます。
大正硝子館本店
堺町通り商店街に入ってすぐに目につくレトロな建物が明治36年築の旧名取高三郎商店。現在は「大正硝子館本店」として営業しており、小樽で作られた手作りガラスが展示販売されています。手作り体験のメニューも多彩。本格的な吹き硝子体験も楽しめます。
小樽浪漫館
旧百十三銀行小樽支店の建物は「小樽浪漫館」というお店になっています。天然石やガラスのアクセサリーなどを販売するお店で、アンティーク家具が配された店内はレトロとロマンが感じられ、立ち寄れば散策の気分が盛り上がります
堺町通り商店街を横切り、小樽運河に流れ込む於古発川(おこばち川)。運河に続くその流れ沿いにも歴史ある重厚な建物と魅力あるお店が軒を連ねています。
おたる瑠璃工房 運河店
明治20年に建てられた木骨石造2階建ての旧金子元三郎商店は「おたる瑠璃工房 運河店」というステンドグラスや手作りアクセサリーをメインとした雑貨店となっています。袖壁と漆喰塗りの開き窓が特徴的で、レトロな建物が建ち並ぶ堺町通りでも目を引くデザインです。
オルゴール堂海鳴楼
旧百十三国立銀行小樽支店は「オルゴール堂海鳴楼」というお店となっています。小樽を散策しているとオルゴールを取り扱うお店が多いですが、海鳴楼は小樽のオルゴールの草分け的な存在だそうです。歴史ある店内には様々なオルゴールが並んでいます。
小樽彩や
明治40年に建造された築100年を超える旧北海雑穀の建物。分厚い壁の重厚な造りのレトロな建物の内部は「小樽彩や」になっています。小樽で人気のとんぼ玉制作体験ができるお店で、アクセサリーや雑貨をはじめとした様々なガラス製品も人気です。
見晴らし坂
小樽は坂の街。堺町通りから続く最大斜度20%の見晴らし坂を登った東雲町には小樽の海を見渡せる高級なマンションがいくつかあり、レトロな町並みからは異世界のように見えます。
北の漁場小樽運河店
堺町通りで海鮮や北海道名物の美味しいものを気軽に食べられるお店が「北の漁場」。
出来立ての美味しいものをすぐ食べれるフードコートもあり、総席数は360席。メニューも豊富なので、食べ歩き感覚で立ち寄れるお店です。
北一ヴェネツィア美術館
イタリアの水の都ヴェネツィアの中世の宮殿を再現した美術館。沢山の伝統的なのヴェネツィアガラスの作品や当時の貴族の生活の様子が展示されています。豪華なドレスを試着して記念撮影できるコーナーや、最上階にあるカフェも人気です。
北一硝子 三号館
明治時代の木造石張倉庫を再利用した「北一硝子三号館」。北一硝子は小樽の老舗ガラス製造メーカーで、たくさんの素敵なガラス製品が販売されています。北一硝子は小樽市内に数店舗ありますが、ここは一際見ごたえがあります。かつてこの石蔵倉庫ではニシンをはじめとした魚の加工品などが納められていたそうで、当時の名残りが今も感じられます。店内はいくつかのフロアに分かれていますが、特に見所なのが「北一ホール」です。店内の照明はすべて石油ランプのみとなっており、重厚な建物の雰囲気と相まってとても幻想的な空間。そんな場所でスイーツやコーヒーをいただくことができます。また、朝8時45分には開店と同時に行われる167個のランプの手作業による点灯作業を見ることができ、それはとても神聖な儀式のように感じられます。
北一硝子のお店はいくつかあり、隣接してイタリアワイン専門店「ヴィノテカ」があります。北一硝子がイタリアから厳選直輸入したワインがずらり。レトロで時代を感じる店で購入した本番イタリアのワインは良い旅の思い出となるでしょう。
北菓楼 小樽本館
立派な石造りの蔵には、北海道の人気スイーツメーカー「北菓楼 小樽本館」が入居しています。重厚な建物の中からは甘い香りが漂い、多くの観光客でにぎわっています。
歴史的建造物が建ち並ぶメルヘン交差点
ルタオ本店
小樽を代表する全国区のスイーツ「ルタオ」の本店も、この堺町通りにあります。北海道の食材をたっぷり使った口どけの良いケーキやチョコレートなど、北海道土産の定番でもあり、1階のショップでは数多くの商品を選ぶことができます。
2階にあるカフェではノスタルジックな店内からメルヘン交差点を見下ろせる最高のロケーション。こだわりのスイーツや紅茶はもちろん、代表的なスイーツである生ドゥーブルフロマージュをつくりたてを頂けることもあり、観光客に大人気です。
小樽オルゴール堂本館
堺町通り商店街の突き当たりは、歴史的建造物が建ち並び、異国情緒を醸し出している「メルヘン交差点」。その一角に建つ明治45年建造の洋館は、北海道では有数の米穀商であった共成株式会社の元本社。今は「小樽オルゴール堂本館」となっいます。ノスタルジックな雰囲気が漂う広い店内には貴重な年代物のオルゴールが多数展示されており、オルゴールの購入はもちろん、オルゴールの制作体験などをすることができます。
三本木急坂を登れば美しい小樽の風景
旧魁陽亭
三本木急坂の途中にある「旧魁陽亭」は明治初期に開業した料亭。明治39年11月、日露戦役による樺太国境画定会議後の大宴会が開かれるなど日本史の舞台にも登場し、政財界の多くの著名人がここを訪れています。
建物は大半が大正期の増築ですが、歴史的建造物の多い小樽市の中でも、小樽市指定の歴史的建造物第二号に登録されています。
名前を魁陽亭から開陽亭、海陽亭と変えながら営業していた北海道随一の老舗料亭でしたが、訪問した時は廃業し廃屋の様相。現在は2022年にリニューアルオープンを目指し改装中です。
赤坂
三本木急坂を登りきると、地元では「なんたる」と呼ばれる南小樽駅に着きます。
南小樽駅へ向かう道とは逆方向、三本木急坂を登り切ったところから小樽の海を見下ろす「赤坂」があります。海を見下ろす小樽の美しい風景です。
赤坂は小樽の海のベストビューポイント。ここからは石狩湾の向こうに雪を頂いた山々が見えます。
魅力的な雪国の坂道へ思わず突撃してしまいます。
足元に気をつけながら下り、途中で振り返る赤坂。一直線に海に向かって下る細い雪道はまるでボブスレーのコースのようです。
レトロな風景、数々の素敵な品物、美味しい北海道の幸。足を止めずにいられない誘惑がいっぱいの堺町通り商店街。時間をたっぷりととって散策したい場所です。