小港海岸【小笠原・父島】

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小笠原・父島の南側には人は住んでいない。車が入れる道は島の南端まではつくられておらず、手つかずの自然が残る。
ここ、「小港海岸」は、車で訪れることのできる父島最南端のビーチ。父島で最も水量の多いと思われる「八瀬川」が流れ込むこのビーチは島の南部探検のペースでもある。
この八ツ瀬川で練習をした後、シーカヤックは小笠原の青い海に乗り出す。そして、この海岸からは父島で最も美しい「ジョンビーチ」、「ジニービーチ」へ向かうトレッキングルートの出発点でもある。

青い海が広がる手付かずの大自然ビーチ

小港海岸

僕たちはシーカヤックツアーに参加している。午前中は八ツ瀬川でカヤックの練習をしながら、荒れている海の回復を待っていた。
が、残念ながら天気はとても良くなったが海の機嫌はまだ直らない。どうやら今回は、この青い海にこぎ出すのは不可能なようだ。
とても残念だが、これが自然。しかしこの雄大な美しい海を見ていると、そんな残念な気持ちもどこかに飛んでいく。荒々しくも美しい南国の海。その青さが心の中に染み入ってくる。

父島小港海岸

ビーチの後方には深い緑の森が広がる。うっそうとしたジャングルを思わせる森の入口から望む青い海はまた格別。
ビーチはごみ一つ落ちていない美しい白砂。きめが細かくてやわらかく、素足で歩くととても気持ちいい。海にはフロートが2つ浮いていて、海が穏やかで温かい時は絶好の海水浴が楽しめそう。

小港海岸

陽射しは南国そのもの。正月とはいえ、とても温かい。
青い海と白い砂の美しいコントラストは美しく、北風と荒波の音すら気持ちよく感じる。白い砂に打ち寄せる青い波はいろいろな物を陸地に運んできた。
とても長い間漂流していたと思われるヤシの実。貝がぎっしりとついたブイ。寿命を終えたミノカサゴも砂の上でどこか物哀しいオブジェになっていた。

小笠原小港海岸

このエメラルドグリーンの海に今日はこぎ出すことはできないが、遊ぶことはできる。ウエットスーツをレンタルしていたカヤックツアー参加者は、待ってましたとばかりに次々に海に入り出した。
不思議に海の水はとても温かく、足をつけても気持ちよいくらい。でも、快適に遊ぼうと思うと、どうしてもウェットスーツは欲しい。
ラッシュガードは着ていたが、午後のカヤックのことを考えると、さすがに海で泳ごうとは思わず水遊び程度で済ます。
そんな海に入らない僕たちを見ていた、カヤックツアー主催の「ブルースカイビックホース」のジロウさん。青い海の上の緑の丘を指さした。
絶好の展望台があり、ちょっとしたトレッキングルートがあるから行ってきたらどうですかと言ってくれる。さすがにツアーから外れ、単独で遠くまで行くのは迷惑がかかると遠慮するが、待っているから大丈夫と勧めてくれる。お言葉に甘えて、向かうことにする。
今考えれば、もうカヤックで海に出ることができないので、ここで思い思いの時間を楽しませてくれたのだろうと思う。海で泳ぐ装備をあまりしていなかった僕たちは、山に向かうことにした。向かうのは中山峠展望台。ジニービーチ、ジョンビーチへ向かう山道の途中にある。

美しい小湊海岸で過ごす至極のひととき

八瀬川

小港海岸に注ぐ八瀬川。海の水は暖かいのに、川の水はとても冷たい。河口付近はとても浅くなっていて、歩いて川を渡ることができる。
川の左岸の海岸には巨大な枕状溶岩の絶壁がそびえている。(写真右側)
これは地質学研究では、とても貴重な地形らしい。この父島が海底火山の噴火でできた絶海の孤島であることを生々しく物語っている。
この八瀬川はカヤックの絶好の練習場所。原始の姿を色濃く残す川のリバーツーリングもなかなかのものだ。遠くに見える橋が、中山峠に向かうトレッキングルートの起点。また、その橋のたもとが、シーカヤックツアーの出発場所にもなっている。

小港海岸でサーフィン

こんなに美しい青い海を目の前にして、その海を楽しむのをおあずけにされる。ちょっと残念な気分だ。青い海をいっぱいに楽しむサーファーがうらやましく思えた。

小港海岸でお弁当

青い海を見ながらのお弁当は最高だった。「ブルースカイビックホース」のシーカヤックツアーで用意してもらったお弁当。
扇浦のお店で用意してもらっていたのだが、車に積み込んだ瞬間からその香ばしいにんにくの香りで気になっていた。天ぷらににんにくの風味が効いていて絶品。おにぎりも中身は具がぎっしり詰まっている。体力勝負のシーカヤックツアーにはもってこいの美味しいお弁当だった。
さあ、お弁当を食べて力が漲ったら、海にこぎ出せないパワーでこの身を山の上に押し上げよう。貴重品をドライバックひとつに詰め、カメラを持ったら中山峠へのプチ・トレッキングへと向かう。まだこのときは、この先に美しい絶景が待っているとは思いもよらなかった。

小笠原・父島の宿泊情報

■ 父島の街の中心で便利なリゾートステイ

■ 小笠原を代表するリゾートホテル

小港海岸

場所: 東京都小笠原村父島小港
交通: 二見港から車で約15分
駐車場: なし(バスロータリー手前の路肩に駐車可能)
付帯施設: トイレ、東屋

【投稿時最終訪問 2008年1月】

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