伊勢神宮内宮【早朝の神秘的な参拝】

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三重県伊勢市にある、誰もが知る神社が「伊勢神宮」。古くからお伊勢参りで多くの参拝者が訪れる神社で、すべての神社の上に立つ神社です。名実ともに日本を代表する神社であり、日本国民の総氏神とされています。
伊勢神宮には内宮と外宮の2つの正宮があります。「伊勢神宮内宮」の正宮に祭られている、皇室の氏神である天照大御神を主神としており、外宮を参拝したのち、内宮を参拝するのが正式な伊勢神宮の参拝の手順となっています。
駅から近い外宮を早朝に参拝すれば、内宮も午前中の早い時間に訪れることが出来ます。朝早くの参拝ならば、日本を代表する神社とはいえ、まだ人も少なく静かな参拝ができます。神々しい雰囲気で人のいない境内では、神々に出会えそうなほど幻想的な日本の原風景がそこに広がります。

俗世から神域へ渡る厳かな宇治橋

伊勢神宮内宮宇治橋

伊勢神宮の入口に架かる橋で、伊勢神宮の代表的な風景の一つである「宇治橋」。橋には大きな鳥居があり、聖俗界を分ける境界といわれています。木製の大きな橋を渡ると心も穏やかになります。

伊勢神宮宇治橋

宇治橋は、全長101.8m、巾8.4mのも木造の橋で、純和風の趣。日本を代表する神社へと渡るのにふさわしい風格を備えています。伊勢神宮の遷宮と同じく20年に1度架け替えられており、橋の入口に建つ鳥居は遷宮で使われなくなった社殿の柱が使われているそうです。歴史ある橋ではありませんが、新しくも神が宿った立派な橋といえます。

五十鈴川

宇治橋と並ぶように、五十鈴川には橋脚だけが建っています。20年に一度の宇治橋の架け替え中にはここに仮の小さな橋がかかるそうです。

伊勢神宮内宮五十鈴川

宇治橋から眺める五十鈴川の下流。周りには何も人工物がなく、森に囲まれた日本一の神社といえる美しくも神秘的な風景です。しかし川がカーブしている向こう側には門前町のおはらい通りの建物が建ち並んでいます。神域と参拝者の集う俗世がうまく分けられてた見事な風景で、まさに神の存在を感じます。また、おはらい通りから五十鈴川沿いに出ると、その水の美しさに驚きます。青く透明な水が海の近くの街中を流れていることに、神々の存在を感じざるを得ません。

清らかな五十鈴川で身を清める参拝

伊勢神宮内宮参道

伊勢神宮内宮の境内内の参道。とても広々としていて開放感があり、さらには付近には人工物が見当たらず一面の自然が広がっています。まさに人が留まることが許されない神域のごとく。長大で荘厳な伊勢神宮の歴史が広大な神域を守り続けてきたのだと感じます。

伊勢神宮内宮五十鈴川

先ほど渡った五十鈴川のほとりに出ます。空の青さと山の緑を映した透明な川の水は神秘的なくらいに美しく感じます。

五十鈴川御手洗場

五⼗鈴川の川岸には御⼿洗場があります。神社にある手水と同じく、この五十鈴川の美しい流れでお清めができます。伊勢神宮の代表的な風景のひとつです。

伊勢神宮内宮参道

五十鈴川で心と身を清めたら、神々しい原始の森に囲まれた広い参道を進みます。朝早くなら参拝者もまだ少なく、思わず神々と出くわしてしまうような神秘的な雰囲気があります。

神々しく美しい伊勢神宮正宮

伊勢神宮内宮参道

瑞々しい朝の空気に包まれた神々しい参道を進むと、境内の一番奥にたどり着きます。この奥に、日本の神社の中の神社である正宮が鎮座しています。

伊勢神宮内宮

「正宮皇大神宮」
皇室のご祖神で、国民の総氏神とされる天照大神をまつった正宮皇大神宮。創建は垂仁天皇の時代とされており、西暦200年後半から300年前半と考えられています。まさに2000年近い歴史を持つ神社で、日本の神社の本宗ともいえます。
その建物も、よくある神社と違い古風で威厳のあるもの。しかし神社の歴史はありながら、正宮の建物は築20年以内です。伊勢神宮の社殿はその隣に必ず古殿地という同じ広さの敷地が用意されています。20年に一度、隣接する神域に新たな社殿を築き、神々には新しい社殿に鎮座し続けていただくようになっています。また頻繁に社殿を建築することで、伊勢神宮の宮大工の伝統技術を永久に伝え続けていくという目的もあります。悠久の時代を超えた神々の息遣いが聞こえる、壮大なスケールを感じることが出来ます。

伊勢神宮内宮

正宮をお参りしたら、別のルートで参道に戻ってきます。そのルートも美しく格式があり、とても絵になります。

天照大神の別神格を祀る荒祭宮

伊勢神宮内宮御稲御倉

内宮には「荒祭宮」・「風日祈宮」の2所の別宮が鎮座しています。正宮に次ぐお宮であり、正宮の参拝後に続いて荒祭宮参拝するのが正式な順路です。
正宮の横から山の手に登る参道となります。荒祭宮へ向かう途中、高床式の「御稲御倉」(みしねのみくら)があります。神宮神田で収穫し、三節祭でお供えされる御稲が奉納されます。まるで神棚に飾られているような、日本の古風な神社の様式を見ることが出来ます。

伊勢神宮内宮外幣殿

さらには「外幣殿」(げへいでん)が続きます。古神宝を納める神明造の高床式の建物です。日本の神社の原風景ともいえる神秘的な参道を進むのは、それだけで心が洗われそうです。

伊勢神宮内宮荒祭宮

「荒祭宮」
御祭神は天照大御神荒御魂。「荒御魂」(あらみたま)とは、天照大御神の持つ荒々しい魂のこと。同じ神とは思えないほどに強い力で、物事を強力に成就させることから別神格として扱われています。強力な力ですが、それゆえに災いも引き起こしてしまうという諸刃の剣の荒ぶる力。マンガ的にいうと、失礼ながらリミッターが外れたスーパー神さまといったところでしょうか。荒々しくも神々しさと厳格さを感じる御魂として、正宮に次ぐ格式で祀られています。

神風を起こして日本を護った風日折宮

風日折宮橋

荒祭宮を参拝したのち、再び参道まで下って宇治橋方面へと戻ります。途中、その途中、島路川を渡る風日折宮橋を渡り、風日折宮への参拝へ向かいます。この風日折宮橋もとても神々しい風景で、向こうに神の使いが現れても不思議ではありません。

島路川

伊勢神宮の境内を流れ、五十鈴川と合流する島路川。森の中を流れる透明で澄んだ川で、神の川にふさわしい神々しい雰囲気があります。橋の上からの眺める森は四季折々の美しさを感じられる、伊勢神宮内でも有数の美しい長めです。この川を渡り、別宮第二席の風日折宮の神域へと入ります。

風日折宮

風日祈宮
御祭神は「級長津彦命」(しなつひこのみこと)と「級長戸辺命」(しなとべのみこと)の二柱です。風を司る神で、古来より豊作や豊漁を祈願して大切にされてきました。元寇の際に朝廷の祈願に応じて神風を起こして日本を救ったとされており、その功績で末社から別宮へ昇格されました。以降、災厄・災害から日本を護る神ともされています。

伊勢神宮内宮

風日祈宮神域内、島路川のほとりは原始の森がそのまま残る美しい空間。水の香りや緑が薫る朝の凛とした空気には神の気配が感じられるようです。伊勢神宮の参拝の中でも最も自然が感じられる場所です。ここから再び風日祈宮橋を渡って参道に戻ります。

立派な神事や参拝を支える施設

伊勢神宮内宮御厩

御厩(みうまや)
皇室から献上された神馬の厩舎です。神馬は、毎月1日、11日、21日の8時頃に正宮にお参りします。早朝散策をすればその神事を見るチャンスもあります。神事がなくても常に神馬がここにいるわけではないので、その姿を見られると御利益があるのかもしれません。

伊勢神宮内宮饗膳所

饗膳所(きょうぜんしょ)
一般的な施設ではありませんが、神事の後に神々にささげた神饌と御神酒を頂く会も開かれているそうです。この建物の前には小さな池があり、大きなコイがたくさん泳いでいます。池のすぐそばまで寄れるので、参拝者がついつい足を止めてしまう場所です。

伊勢神宮内宮参集殿

参拝者が利用できる無料の休憩所の「参集殿」。参拝者向けの無料休憩所です。ベンチの前、壁一面の窓の向こうの中庭には奉納舞台があり、能や狂言などが神事として行われます。中には無料のお茶などのサービスがあるので、広大な境内を参拝して疲れた時にはここに座ってひと休憩できるありがたい場所です。

伊勢神宮内宮

内宮に参拝に訪れたのは休日の朝9時。午前中の早くに参拝すれば、休日でもまだ人は少なく、内宮に近い駐車場に車を停めることができます。混雑すると、離れた場所にしか車が停められず、参拝も順番待ちになります。

■早朝に歩いて伊勢神宮内宮に参拝できるホテル

伊勢神宮内宮

場所: 三重県伊勢市宇治館町1
電話: 0596-24-1111
営業時間: 1~4月 5:00~18:00
     5~8月 5:00~19:00
     9月  5:00~18:00
     10~12月 5:00~17:00
休業日: 無休
料金: 参拝無料
交通: 近鉄宇治山田駅・近鉄・JR伊勢市駅からバス約20分「内宮前」下車
   伊勢自動車道・伊勢西ICより自動車で約7分
駐車場: 合計約1600台 (有料)

【投稿時最終訪問 2017年9月】

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