孫文記念館【移情閣】

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神戸市と淡路島を結ぶ明石海峡大橋。淡路島だけでなく、鳴門海峡を渡り四国へと向かう起点で、全長3911mの世界最長の吊橋です。その吊り橋の神戸側の起点となる橋の下には舞子公園が広がります。白砂青松が美しい浜辺は多くの旅人が休んだ場所で、明治天皇が足繁く訪れた別荘も多く建っていたリゾート地です。現在は巨大な明石海峡橋と海と芝生が兵庫県初の県立公園として整備されていますが、その中でひときわ目を引く美しい洋館があります。かつての中国人実業家の別荘「移情閣」で、現在は中国の革命家、孫文を顕彰する日本で唯一の施設「孫文記念館」として公開されています。

移情閣と明石海峡大橋が織り成す美しい風景

孫文記念館

舞子公園は海と芝生と明石海峡大橋のコラボが美しい公園。その風景にさらに見事なアクセントを加えてくれるノスタルジックな洋館が「孫文記念館」です。

孫文記念館と明石海峡大橋

青い3階建ての八角形の「移情閣」は、大正4年に神戸で活躍した中国貿易商・呉錦堂によって建てた別荘です。昭和59年より孫文記念館として一般公開されています。とても大きな洋館ですが、その背後にそびえる明石海峡大橋も大きすぎて、そのスケールは見た目以上に小さく見えてしまいます。

国内最古のコンクリートブロック建造物

孫文記念館

八角形の中国式楼閣「移情閣」は1915年(大正4年)築という、100年以上前の建物。日本国内に現存する最古のコンクリートブロック造建造物で、国の重要文化財に指定されています。

移情閣

「移情閣」という楼閣の名は、窓から六甲山地や瀬戸内海、淡路島など「移り変わる風情」を楽しめることから名づけられたそうです。

松海別荘

右側の建物が華僑の貿易商人であったの呉錦堂の別荘「松海別荘」。そして左側の青い八角形の楼閣が1915年築の「移情閣」です。当初は舞子海岸に建てられていましたが、ここ 舞子公園内に2000年に移築されました。

コロニアル風のレトロな館内

孫文記念館エントランス

旧別荘の正面玄関が孫文記念館の入口となっています。建物の中に入ると、濃厚なレトロな雰囲気が漂います。落ち着いた重厚な佇まいの建物内部は歴史を感じられてとても見応えがあります。

孫文記念館展示

館内では孫文の活動の足跡が展示されています。孫文は、清王朝を倒し中華民国を建国する辛亥革命を起こした人物。日本にも亡命で長期間滞在していました。

孫文記念館からの明石海峡大橋

孫文記念館の窓からは、淡路島にかかる巨大な明石海峡大橋を望むことが出来ます。建設当時の移情閣にはなかった平成時代に加わった新しい風景です。

孫文記念館ベランダ

廊下は壁一面の窓から海が眺めらる明るい空間。コロニアル建築のレトロリゾートな建物と青い海と緑の島が織りなす風景は、その場にいるだけで心を楽しくしてくれます。

神戸と孫文

神戸と孫文の関りの展示室。孫文は日本に亡命している際、神戸にも産業界の重鎮を頼って滞在しており、かつて中国人実業家の別荘であったこの移情閣で彼の歓迎の昼食会が開かれています。

孫文記念館階段

順路に従い2階へ向かいます。レトロな階段の踊り場には、窓から光が降り注ぎとても幻想的に思えます。

孫文記念館展示室

孫文の揮毫した書や孫文記念館のむ別荘の所有者であった呉錦堂を紹介する展示室です。孫文の著作や遺品などの貴重な資料が展示されており、孫文が揮毫した「天下為公」という書も残っています。

孫文記念館からの明石海峡大橋

2階にも1階と同じく、一面の廊下の窓から明石海峡を眺めることが出来ます。2階からの眺めはさらに明石海峡大橋に近づき、また違ったダイナミックな風景や橋を走る車を眺めることが出来ます。

豪華な装飾が美しい移情閣内部

移情閣

2階から隣接する移情閣の2階へと入る事が出来ます。
先ほどのコロニアル風の元別荘の建物とは違い、移情閣はアジアンテイストが残る豪華な装飾が目を引きます。壁面は手製の高級壁紙である「金唐革紙」で装飾された雅さや品格があふれる設えで贅を尽くした空間です。当時の華僑がどれだけの財を成していたか感じられます。

移情閣階段

2階から大正ロマンあふれる移情閣の階段を下ります。途中で何度か緩やかに角度を変えながら階下に向かう階段は独特な空間で、贅沢な造りです。登りで使った本館の階段とはまた違った雰囲気で、贅沢で迷路のような不思議な感じもします。

移情閣

移情閣1階には2階と同じように、八角形の形をした豪華な装飾がされた大きな部屋があります。ここには大きなタッチパネルが設置されており、舞子公園、移情閣、孫文などの紹介映像を見ることが出来ます。

移情閣の天井と書

天井を見上げると、立派な木材が使われており、龍の彫刻を施が施されるなど豪華絢爛。立派な書もいくつも飾られており、高級感あふれるレトロな空間を楽しむこともできる場所です。

移情閣模型

移情閣の精密な模型も展示されています。どのように建物が隣接していて、どのような構造になっているのか。内部を散策しながら見比べてみるのも楽しみの一つです。

■舞子公園のリゾートホテル

孫文記念館(移情閣)

住所: 兵庫県神戸市垂水区東舞子町2051
電話: 078-783-7172
営業時間: 10:00~17:00 (入館16:30まで)
休業日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
料金: 300円(高校生以下無料)
交通: JR・山陽電鉄舞子駅から徒歩5分

駐車場: 200台(1時間200円、上限1000円)

【投稿時最終訪問 2016年10月】

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