「萬安港旧灯台」と五色姫浜の夏の夕日

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愛媛県中部から南部にかけての海岸線はほぼ西向き。そのため、県内には夕日が美しいスポットがたくさんある。その中でも地形的に瀬戸内海を奥まで見渡せる伊予市の夕日は秀逸。瀬戸内海に浮かぶ小さな島々を従えて海に沈む夕陽は感動的な風景だ。
そんな夕日のスポットのひとつで、伊予市内でも愛媛の中心・松山市に程近い場所にあるのが「五色姫浜」だ。

美しい夕日と明治時代のレトロな灯台

五色姫海浜公園の夕日

五色姫浜に到着した時、夕日は分厚い夏雲からこぼれ、海に落ちようとしていた。ちょうど日没に間に合った。先ほどまで激しい夕立が降ったせいで、夏なのにとてもクリアな風景だ。これから夏の海で、一番美しい時間が始まる。

萬安港旧灯台

五色姫浜にほ明治2年に造られた「萬安港旧灯台」がある。石造りの灯台で、かつては菜種油の灯火が灯されていた。時代の流れとともに、石油、電気と明かりの元はかわり、昭和の時代にはついにその灯火自体が消えてしまった。
それでもこの場所に灯台は今も残り、歴史をつないでくれている。今は大光量の灯台が、はるか遠くの船まで光を届けていたが、かつてはこんな小さな光だけが航海の頼りだった。

夕立の後の夏の夕日は感動的な美しさ

夕方の五色姫海浜公園

昼間の激しい夕立でできた水たまり。そこにも夕日の茜と空の濃紺が映り込み、とても美しい風景を織りなしていた。夕日が沈む海には、はるか山口県の島々までが見える。こんなに海がクリアに夏に見えるのはめったに無い。まさに雨に洗われた美しい風景だ。

夕方の五色姫海浜公園

「きれい~」と3歳の娘もこの風景の美しさに気付いたみたいだ。が、水たまりを前にして、娘の興味は水たまり自体に移る。「入ったらあかんよ~」と言われても、入りたくて仕方ない。
空を映した水たまりはまるで別世界の入口のよう。その美しさはカメラをする人間なら写真を撮らざるを得ないくらいに魅力的だ。その魅力にとらわれ、シャッターをカシャカシャ切る間にパシャバシャという音。気付けば、娘が虚構の青空に、激しい波紋を広げていた。
あ~あ、入っちゃった・・・(笑)

五色姫浜の夕日

ついに夕日は水平線へと落ちていく。渚に打ち寄せるさざなみの音。どこからともなく虫の音。海を渡る風は涼しい。少しずつ秋の気配が漂ってきている。

五色姫海浜公園

夕日に照らされた空は茜色に染まっていく。赤い灯台が灯火を輝かせ始める。美しい夕景は留まることなく、刻々と色を変え、時の流れを知らせてくれる。

五色姫海浜公園の夕日

ひときわ夕日が眩しく輝き、はるかかなたまで続く光のかけ橋を海に渡した。そして、ゆっくりと溶けるように海に消えていった。
太陽が消えた後、美しい残照が付近を照らした。五色姫浜には海水浴場があり、1日の名残を惜しんで泳ぎ続けていた若者もついにはビーチに上がった。
そういえば、まだ娘が生まれて間もないころ、ここでとても美しい夕日を見た。ベビーカーをぎこちなく押しながらここを歩いたころが懐かしい。今は娘は自らの足で、自ら歩きたい道を歩いている。
何度も何度もここで夕日を見送れば、季節は変わり、娘も大きくなっていく。少しずつ移ろい始めた季節を感じながら、家族で太陽を見送った。

夕日の後は松山・道後温泉に泊まりたい

日本最古の温泉とされる道後温泉には、数多くの宿があります。どの宿にも趣向をこらした温泉を楽しめ、さらには湯篭をもって浴衣姿で道後温泉本館や椿の湯といった外湯巡りも楽しめます。道後温泉から伊予鉄道の駅に続く商店街「道後ハイカラ通り」にはたくさんの店が並んでおり、各ホテルの軒先には無料の足湯があり、道後温泉は散策するにはもってこい。海にも近く美味しい魚を食べられる店も多数。道の駅ふたみから1時間もあれば道後温泉に到着するので、遅めの夕食を食べられる宿、夕食なしのプランの宿ならもってこい。また松山市内にも温泉つきのシティホテルがいくつかあるのでそちらに宿泊するのも気持ちが良いです。

【道後温泉の宿一覧】

五色姫海浜公園

住所: 愛媛県伊予市尾崎
電話: 089-982-1111
期間: 6月下旬~8月末
営業時間: 9:00~18:00 
交通: JR予讃線伊予市駅・伊予鉄道郡中港駅から徒歩15分
    松山自動車道伊予ICから車で約5分
駐車場: 約150台(無料)

【投稿時最終訪問 2013年7月】

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