菅沼合掌造り集落【世界遺産新緑と田植えの風景】

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世界遺産に登録されている、白川郷・五箇山の合掌造り集落。最も有名な風景は白川郷の萩町合掌造り集落ですが、五箇山の相倉、菅沼の合掌造りも世界遺産に登録されています。その中でも最も規模が小さく、訪れる観光客も比較的すくないのんびりとした風景を楽しめるのが「菅沼合掌造り集落」です。

菅沼合掌造り集落を見下ろす展望駐車場

菅沼展望広場駐車場

合掌集落の中にも駐車場がありますが、住民専用のようです。国道156号線沿いにある菅沼展望広場駐車場を利用します。その名の通り駐車場から菅沼合掌集落を一望することが出来ます。散策前にぜひその美しい世界遺産の村の風景を見下ろしておきましょう。

菅沼合掌造り集落

駐車場から一望する菅沼集落。深い山々を縫うように流れる庄川のほとりにある小さな合掌造り集落です。村内には江戸時代末期から大正時代に建てられた9戸の合掌造り家屋が残っています。田んぼが広がる農村の中に合掌造りが点在しており、ほかの合掌造りの村と比べると日本の農村原風景の色合いがとても濃い長閑な風景です。朝の早い時間なら、まだ観光客も少なく素敵な写真も撮ることができます。

菅沼合掌造り集落

エレベーターで集落に下りることが出来ますが、できれば歩いて遊歩道を下りましょう。

おとぎ話のような合掌造りの集落を見下ろしながら、物語の世界に少しずつ近づいていくのはとても楽しいものがあります。

田植え前の菅沼合掌造り集落

豊かな自然と里山ともいえる古の日本の農村風景が時を越えて残る菅沼集落。四季折々の自然を楽しめますが、特にゴールデンウィークには田植え直前で、新緑と水の張られた水田がとても美しい風景を織りなします。日本人のDNAに刻み込まれた躍動を始める春の風景がここにあります。

塩硝の館

水田の中に建ち並ぶ合掌造りはとても絵になります。手前の合掌造りが「塩硝の館」という見学施設。養蚕に並ぶ菅沼の産業だった塩硝作りを紹介する資料館で、後程訪れることにします。

菅沼合掌造り集落

よく見ると、合掌造りで営まれているお店があります。菅沼では飲食店3軒と、土産店、飲食店兼土産店が1軒ずつあります。

写真の「おみやげかっぱ」では、五箇山ならでは工芸品や地域の美味しい食品かが販売されています。

合掌造りの村

合掌造りの家屋が重なるように建ち並ぶ山あいの山村は、日本の原風景を思わせる世界遺産にふさわしい景色です。

新緑の菅沼合掌造り集落

春には合掌造りと新緑の山々のコラボとても美しい菅沼集落。合掌造りには物干し竿や自転車などが置かれており、世界遺産の中で今も人々の暮らしが普通にあるのです。

春の訪れに美しく萌える合掌造りの村

土産・お休み処あらい

水田の脇に建つ美しい合掌造りは「土産・お休み処あらい」

美しい日本の原風景の中の茅葺き屋根のお店では、民芸品や和の趣をいっぱいに感じる品々があります。美しい日本の美を切り取って売られているかのようで、おみやげを求めるにも良い場所です。また、併設されているお食事処では特製くるみ味噌の五平餅、ぼべらコロッケなどが人気です。

新緑の菅沼合掌造り集落

田植え前の水田に鏡像を落とす合掌造り。背後の新緑と相まってとても美しい一瞬があります。

春の合掌造り

合掌造りは茅葺の屋根を手を合わせたかのような急勾配でもつ日本家屋。豪雪地帯に多く造られ、雪が屋根に積もっても滑り落ちるようになっており、雪かきの頻度を落としても、雪の重さで家が倒壊しないようになっています。その構造上、2階、3階に屋根裏部屋が設けられており、ここが蚕の養蚕にとても適した場所になっているのです。また、合掌造りの家屋はほとんどが同じ向きを向いて建てられています。屋根がそれぞれ東と西を向くようになっており、太陽の光が1日中屋根に受けられるようにして、屋根に積もる雪を溶かす工夫です。自然の恵みを余すことなく使う工夫ですが、結果として合掌造り集落ではきれいに建物が建ち並ぶ美しい景観を作り出しています。

春の合掌造り

水田の脇にある畑では、チューリップが美しく咲き、春の合掌造り集落の景色に鮮やかな彩りを添えてくれています。

春の菅沼合掌造り集落

この季節にはまだ 山々の頂には白い雪が残っており、水田と森の新緑、そして茅葺きの合掌造りと合わさって信州や北陸の美しい農村風景を楽しませてくれます。

水田と合掌造り

五箇山民族館の横の田には水が田植えのために水が張られています。田に注がれたばかりの水はとても美しく、萌える新緑と茅葺き屋根と合わさって、とても美しい日本の春を見せてくれます。1年の中でもほんの一瞬だけしか見られない奇跡のような光景です。

菅沼神明社

菅沼集落の氏神である神明社の参道が五箇山民族間の横から続いています。古き良き日本を思わせる長閑な風景です。田植え前の菅沼集落には春祭りがあり、大きくて真っ白な神明社の幟がいくつも、春の風にたなびいていました。

春の合掌造り

まるで中から昔ばなしのおじいさんやおやばあさんが出てきそうな茅葺き屋根の合掌造りの家。令和の今も、人の暮らしが営まれている美しい日本の家屋です。

春の菅沼合掌造り集落

芽吹いたばかりの新緑と色鮮やかな花に彩られた合掌造りの村。四季折々の美しさの中でも最も美しい風景のひとつです。

貴重な合掌造りの中を見学できる資料館

五箇山民族館

菅沼合掌造り集落には「五箇山民族館」と「塩硝の館」という、合掌造りの家を利用した2つの資料館があります。貴重な内部の見学もできるので是非立ち寄りましょう。

「五箇山民俗館」は築200年という、菅沼合掌造り集落で一番古い合掌造りです。五箇山の暮らしに使われてきた昔の生活用具が数多く展示されています。写真右上のかごは「つぶら」といい、農作業の時に赤ちゃんを入れていたそうで、昔話に時々見られるアイテムです。資料館となっても囲炉裏には火が入れられています。合掌造りの囲炉裏は暖房としてはもちろん、湯沸かしや調理にも使われてきました。そして何より茅葺きの屋根を燻すことで、虫がつくことを防ぐ大きな役目があります。

五箇山民族館

 合掌造りの2階、3階は屋根裏部屋となっており、かつてはここで養蚕が行われていました。五箇山民俗館では展示室として使われています。合掌造りの藁葺きの内側がどうなっているのか、その仕組みを間近で見ることができます。

塩硝の館

「塩硝の館」では、菅沼で作られていた火薬の原料のひとつである塩硝についての資料館です。このような山奥で火薬の原料が作られていたのには理由があり、塩硝を作るのに必要だった蚕の糞が主要産業の養蚕で得られたこと、この地を治めていた加賀藩が鉄砲に転用できる塩硝を生産を命じたためです。

合掌造りの家屋の床下で蚕の糞を発酵させて作られていた塩硝の製造過程が詳しく展示されており、火縄銃のレプリカを持って撮影できるコーナーなどもあります。

ゴールデンウィークの田植え前の水田が美しい

春の田んぼ

集落の中には美しい水が流れています。雪解けや湧水のようで、とても透明で美しい流れです。田んぼの中ではたくさんのおたまじゃくしが泳いでいます。季節が進み夏になれば、蛙となってその鳴き声を合掌造りの村に響き渡らせるのでしょう。

菅沼合掌造り集落の水田

 集落のはずれにある水田は、田植え前のゴールデンウィークの時期は桁外れの美しさ。水が張られて新緑に包まれた田の中を一直線に貫く道の散策は日本の春を色濃く感じさせてくれます。

菅沼合掌造り集落の水田

水田に鏡像として映る世界遺産の新緑。その美しさは幻想的で、合掌造りの風景とはまた違った日本の原風景です。ぜひこの時期は散策を忘れたくないエリアです。

菅沼合掌造り集落地下道

展望駐車場への戻りはエレベータを利用しましょう。集落の外れに場違いな地下道があります。この奥にエレベーターがあり、車を置いた駐車場まで運んでくれます。

菅沼合掌造り集落

住所: 富山県南砺市菅沼578
電話: 0763-67-3008 (菅沼世界遺産保存組合)
時間: 4月~11月 … 8:00~17:00
    12月~3月 … 9:00~16:00
定休日:なし
駐車場: 約30台(1回500円)
アクセス: 東海北陸自動車道・五箇山ICより1分

【投稿時最終訪問 2019年5月】

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