足摺海底館【竜串海中公園の海中展望塔】

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四国最南端に位置する土佐清水市で、水族館やキャンプ場、海水浴場があり、多くのサンゴや熱帯魚が泳ぐ青い海が楽しめる竜串海中公園。2020年にオープンした最新の水族館やビジターセンター、スノーピークのキャンプ場など令和らしい施設が続々と誕生するなか、昭和時代から続くレトロな施設で、海の中を窓から観察できると人気なのが「足摺海底館」です。

足摺海底館までは美しい海辺の散歩道

足摺海底館

竜串海中公園は、日本ではじめて指定された海中公園で、その目玉施設として1972年にオープンしたのが「足摺海底館」です。中四国唯一の海中展望塔で、黒潮が目の前を流れる足摺宇和海国立公園の美しい海に突き出した場所に浮かぶように立っています。昭和なデザインが際立っていますが、中に入ると海の底に下りることができ、そこから自然のままのサンゴや熱帯魚たちを眺めることができます。

竜串グラスボートのネコ

竜串グラスボートの乗り場の先に足摺海底館への遊歩道があります。乗船券売場にはネコが番をしています。猫の手も借りたいほど忙しくはなさそうなのですが・・・

とはいえ、すぐ後ろにはきちんと係のおばちゃんがいてくれます。おばちゃんのいたずら心溢れるホスピタリティが、とても温かく感じられ、猫の可愛さと相まってほんわかとした雰囲気を楽しめました。

スノーピーク土佐清水キャンプフィールド住箱

途中、スノーピーク土佐清水キャンプフィールドの横を通ります。テントはもちろん、広々とした芝生の中には「住箱」と名付けられた宿泊棟があり、気持ちよい滞在が楽しめます。目の前の海でシュノーケリングをしたり、併設されているスノーピークストアでショッピングしたり、カツオのタタキを藁焼き作ったりと、夏のアウトドアを満喫できる大人気のキャンプ場です。

足摺海底館への遊歩道

足摺海洋館SATOUMIを中心に広がる観光エリアの駐車場から足摺海底館までは徒歩10分ほどかかります。普通の施設としてはありえないほどのアクセスの悪さですが、陸地から離れて岬から突き出した海の中に建つ海中展望塔としては致し方がないところがあります。しかし天気の良い日は海沿いの散策があまりにも気持ちよすぎて、あっという間に着いてしまいます。海上や海中の展望が悪くなる悪天候時はあまりお勧めできませんが、天気の良い日はぜひ立ち寄りたいスポットです。

足摺海底館近くの奇岩

対岸は竜串海岸で付近には奇岩が多くあります。特に竜串海岸のさらにその奥の見残し海岸は、海沿いの岩全てに大小無数の穴が空いている異世界のような風景。四国で修行中だった弘法大師が見残してしまった名所です。時間があれば是非見残さずに観光したいスポットです。

海底館までの海辺にも、見残しを思わせる控え目な奇岩がたくさんあります。美しい波打ち際を見ながら歩いていると、時間はあっという間に過ぎてしまいます。

足摺海底館夫婦岩

遊歩道には名前がつけられた奇岩が幾つかあります。かつては海の底で形成された砂岩が隆起してできた竜串の地形。非常に柔らかい岩は雨や風、波で削られて複雑かつ奇妙な形になっています。

足摺海底館千のこしかけ

「千のこしかけ」は確かに岩にいくつもの小さな腰掛が作られて並んでいるかのように見えます。不気味なオブジェのように見える無数の穴が空いた岩肌は竜串海岸や見残し海岸の代表的な風景で、この海底館への遊歩道でも一部見ることができます。

足摺海底館クジラのひるね

「クジラのひるね」という、波打ち際にクジラが乗り上げて寝転んでいるかのような岩。波がきれいに曲線を削り出した岩肌は自然の織り成すアートです。

海底7mの海の中へ潜れる海中展望塔

足摺海底館

奇岩を楽しみ、波打ち際の生き物を探しながら歩いていると、ようやく足摺海底館が見えてきました。楽しい海沿いの散歩は思った以上に寄り道をして、時間を使ってしまいました。

足摺海底館

足摺海底館は昭和47年にオープンした日本で4番目にできた海中展望で、中四国では唯一のものです。半世紀以上経過した、いかにも昭和なデザインの展望塔ですが、内部には150人収容でき、風速84.5mまで耐える丈夫な施設です。

足摺海底館への橋

足摺海底館には陸橋のような橋を渡って入場します。途中、橋の上からは青い海を見下ろすことができます。今見下ろしている海をこれからその中のを覗くこの事ができると思うと、ワクワクします。

足摺海底館の階段

海底館の入口でチケットを購入したら、階段で下へと降りていきます。残念ながらエレベーターは無く、バリアフリーではありません。

足摺海底館階段

ぐるぐると螺旋状の階段を降りていくと、「ここから海中」という標識があります。それより下に、海の色をしたまるで海中そのもののような展望室が見えてきました。もうここから海の中なのです。

足摺海底館内部

海底の展望室には幾つもの海の中を覗く丸い窓が空いています。窓からは海の色をした青い光が揺らめきながら中に射し込み、海と同化したかのような空間が広がっています。

サンゴや熱帯魚が泳ぐ南国の海の中

足摺海底館展望室

階段を下りきると、水深7mの深さにある展望室。直径10m、70平米の広さがあります。ゆっくりと海の底に広がる景色を色々な窓から楽しむことが出来ます。

足摺海底館の海底窓

360度全方向に直径60cmの窓が16個設置されています。色々な方向を見て魚を探したり、海の中の地形を楽しめます。

窓の蓋はお魚図鑑になっており、よく遊びに来る魚が解説されています。窓は子供でも見られるように低い位置にも交互に設置されており、高い窓も子供こ見られるように木のイスも置かれています。

足摺海底館

水族館のようですが、その向こうはどこまでも果てしなく広がる青い海。やってくる魚も決まっておらず、どんな魚がいるかワクワクしながら海の中を楽しめます。

基本、自然のままの海の姿ですが、魚を寄せるため毎日エサを撒いているそうで、海底館は付近の海よりも一層魚影が濃くなっています。もしかしたらエサを求めて凄いレアな魚がやってくるかも?

レア中のレアとして、ウミガメを見ることもあるそうです。

足摺海底館の魚

窓にも赤い色のコーラルサンゴが揺らめき、大きな魚も窓枠の隙間で身を休めています。窓の直径は60cmなので、それにあわせて魚のだいたいの大きさがわかります。目の前の魚はおおよそ2~30cm。メジナかな?

足摺海底館からの魚

ヒブダイが窓枠についた苔や海藻を食べています。口を開けて苔を食む様子が間近で見られ、その音も窓越しに聞こえてきます。常にきれいにされている水族館の水槽では見ることのできない、自然のままのワイルドな魚たちの姿です。

足摺海底館の窓

この日は台風通過直後のため、透明度は6mしかありません。それでもエメラルドグリーンの海の中はとてもキレイ。 視界が良い時は、透明度は20mになることもあるそうで、その時は海の中に珊瑚が広がる海底の様子を見ることができます。

足摺海底館の眺め

コーラルサンゴが揺らめく窓の外に、チョウチョウウオがゆっくりと泳いでいます。そこはもう、南国の海の中です。

足摺海底館の熱帯魚

陸地方向の窓の間際には巨大な岩があり、その隙間にはたくさんの魚が居着いています。先ほども窓枠の苔を食んでいたヒブダイもここにはたくさんいます。

スズキの群れ

水深の比較的浅い場所で見られる大きな魚であるスズキ。見た目は地味ですが、数匹単位で目の前を横切ると迫力があります。

足摺海底館で見るチョウチョウウオ

ニサダイと一緒に泳ぐチョウチョウウオ。いくつもの種類の魚が何度も何度も通り過ぎていく様は、いつまで見ていても飽きないほどです。

足摺海底館からの海の中

海底には自然のままの地形が広がっています。この日は遠くまでは見えませんが、それでも所々にサンゴを見ることができる南国の海底を服を着たまま楽しめます。

足摺海底館の海中展望

とても細長い体をした魚はヘラヤガラ。シュノーケリングやダイビングをしていると時々見かけますが、独特の形の魚なので、見られるとラッキーに感じます。

地上の展望室からも美しい風景

足摺海底館海上展望室

海の中を楽しんだ後は、海上にある展望室から竜串の海を楽しみましょう。海上の赤色の突き出した部分は展望室になっており付近の青い海や海岸美を堪能する事ができます。

足摺海底館展望室

昭和を感じるデザインですが、とてもいい雰囲気を醸し出しています。魚の餌やりは、展望室の窓を開け、エサを詰めたゲージを海に下ろして行っていました。

足摺海底館からの竜串海岸

展望室からは、入江の対岸となっている竜串海岸を望むことができます。青い海の向こう遠くにですが、深い緑を纏った荒々しい海岸美が広がっています。ここからはわかりませんが、まるで竜の背骨のような岩が海に向かっていくつも突き出し、穴が開いた岩肌の下には青く透明な海に泳ぐ魚の姿を水面の上からも見ることが出来ます。

竜串海中公園

今まで見えなかった西側の風景も展望室からは望めます。青い海の上に浮かぶのは弁天島。展望塔の下にある岩場には白波が立ち、美しい海の色のコントラストを描き出しています。

竜串エリアの楽しみ方

足摺海洋館SATOUMI
2020年にオープン、プロジェクションマッピングなども導入した令和の最新水族館。

竜串ビジターセンターうみのわ

竜串海中公園や付近の自然を楽しく展示したビジターセンター。

竜串見残し海岸
サンゴと熱帯魚をグラスボートで眺め、奇岩が作り出した映画のような異世界に上陸。

柏島
竜串から車で40分。船が空に浮かぶような海は四国随一の美しさの人気のスポット。

足摺海底館

住所: 高知県土佐清水市三崎4032
電話: 0880-85-0201
営業時間: 9:00~17:00(入館16:30まで)
休業日: なし(荒天時は閉館)
交通: 高知自動車道・四万十中央ICより約100分  
    中村宿毛道路・宿毛和田ICより約50分
料金: 大人900円、高校生以下450円、未就学児無料
駐車場: 150台(無料)

【投稿時最終訪問 2020年7月】

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