三里沈下橋 【四万十川】

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四万十川の河口がある中村から四万十川沿いに川をさかのぼるのは県道340号線。この四万十川を見下ろす少し細い道には、国道441号線と合流するまでに2本の沈下橋がある。
中村からの沈下橋観光では最も有名なものは「佐田沈下橋」ではあるが、その上流の沈下橋、それが「三里沈下橋」だ。観光地と化している「佐田沈下橋」とは違い、この三里沈下橋はガイドブックにも載らないことが多い場所。佐田沈下橋の連休の雑踏に嫌気がさしたなら、こちらの沈下橋にも足を延ばせば、静かな風景を楽しめる。
県道を走っていると、大きな生コン工場に出くわす。そのすぐ近くに三里沈下橋に降りる道がある。看板も出ているので、注意して走っていれば見落とすことはないだろう。細い道を下るとすぐ、その風景は待っていた。

山間の風景に溶け込む美しく静かな三里沈下橋

三里沈下橋

三里沈下橋は昭和38年完成の全長約150mの沈下橋。幅員は3.3mしかないそうなので、もちろん車の離合は不可能。この沈下橋の手前に3台ほどの駐車スペースがある。
この駐車スペースに車を入れられないと、Uターンが軽自動車以外はで難しいようだ。車が多い時は、この沈下橋を渡ってUターンしてくるか、道を下らずに県道の路肩に車を停めるようにしたい。

四万十川下流

さて、早速沈下橋を渡る。とにかくこの沈下橋から見れる風景は素晴らしい。河口から20kmも離れていない大河の下流域にも関わらず、この原始的な風景。一帯には民家などの建物がほとんど見えない。なんとも穏やかで、昔から変わらない美しい風景た。
こういう風景を見ていると、この四万十川が「最後の清流」と呼ばれている理由がうなづける。また、何本も沈下橋を見てきたが、この三里沈下橋が一番訪れる人が少ないようだ。連休中にも関わらず、人の少ないことがまた、この場所の静寂さを増している。

行き交う屋形船が風情を感じさせる三里沈下橋

四万十川の屋形船

この辺りの四万十川の水深は深そうだ。それゆえに、付近には「屋形船」の発着所がいくつかある。船に乗って料理を食べながら、四万十川の風景を楽しむ贅沢。一度は味わってみたいものだ。
下流にあるもう一つの沈下橋である「佐田沈下橋」付近は水深が浅く屋形船は近づけないようなので、この沈下橋が屋形船から見る沈下橋の1つになる。沈下橋の上にいると、屋形船が何隻か通り過ぎて行った。

四万十川と屋形船

通り過ぎて行く屋形船。新緑が川面に映り込み、それは翡翠色の宝石のように輝く。

三里沈下橋

橋を渡り終わったところから、県道側を振り返る。深い山に囲まれ、穏やかな流れがその間を縫う。訪れる人も比較的少なく、ゆっくりと屋形船がこの流れを楽しむ。いかにも四万十川らしい風景が静かに楽しめる、沈下橋だと感じた。

増水時は水の中に沈んで身を守る沈下橋

三里沈下橋と屋形船

沈下橋には欄干がない。増水時には橋は水没するこの橋。欄干を設けないために流木などが引っ掛からず、水の抵抗も軽減させ、流失を防ぐという。

大雨の三里沈下橋

実は6年前にこの沈下橋を訪れた時は大雨のあと。橋上すぐ真下まで迫り、轟々と流れる濁流と化した四万十。その流れの上のこの橋を渡るのは、結構恐怖だった。

しかし流れが穏やかな日は、橋の端に腰掛け、足を放り出し、四万十川の風景と、川をいきかう屋形船を眺められる。こんなくつろき方ができるのは、四万十川ならではで、ある意味それも贅沢だ。

四万十川河口・中村のホテル

三里沈下橋

場所: 高知県四万十市三里
交通: 土佐くろしお鉄道中村駅から車で約20分(県道340号線)
駐車場: なし(路肩に数台駐車可能)
通行料: 無料

【投稿時最終訪問 2008年5月】

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