そば・割烹 八洲【諏訪湖の信州そば老舗】

信州に旅行で来たのならやはり「信州そば」を食べておきたいところ。今夜の宿は諏訪湖畔の上諏訪温泉。夕食抜きのリーズナブルな宿泊プランにしたので、夕食を上諏訪温泉の蕎麦屋で頂くことにした。

落ち着いた風格のある老舗でいただく信州そば

そば・割烹八洲

選んだ店は「そば・割烹 八洲」(やしま)。通りから細い道を少し入った、奥まった場所にある。それでも通りに看板が出ているので、ここにあるというのは近づけばわかる。
目立ちにくい場所にあるにも関わらず、店は立派な佇まい。「割烹」と名前がつくだけあり、ちょっと3歳の子連れで入るにはためらってしまうくらい落ち着いている。まさに「奥座敷」という響きがしっくりくる名店の雰囲気が感じられる。

そば・割烹八洲

店内の様子。店の中央はシカのはく製や大木の置物が鎮座している。広い空間になっていて、その周囲に小上がりの座敷席を中心に座席がある。広い店内にもかかわらず、席は20席ほど。とても落ち着いて食事ができる空間になっている。
割烹という名がつくだけあり、接待と思われるビジネスマンもいた。子連れの僕たちのために店の人が気を利かせて座敷を一部屋開けてくれた。閉店準備で座敷を閉めていたにも関わらず、その心遣いがとても嬉しかった。

そば・割烹八洲座敷

座敷席。骨董品のような掛け軸や置物もあり、比較的施設は新しいが、昔ながらの雰囲気がぷんぷん感じられる。ふと見ると、壁には色紙がいっぱい飾っている。芸能人が多く訪れる店だったかと思い色紙を眺めるが、額縁に大切に入れられた色紙はどうも普通にある店のサインではない。知らない人、でもとても達筆で、ものすごく品がある。
その中に知った名前をやっと見つける。「三島由紀夫」・・・え?三島由紀夫??昭和時代の文人で、三島事件を起して切腹して果てた人だ。「八洲」は大正時代創業の老舗で昭和天皇に食事を献上したこともあるそうだ。とても歴史あり、多くの署名人にも愛された名店だということに今さらになって気づく。
こんなところに3歳児を連れてきてしまった。どうしようと思ったが、きちんと子供用の食器も出してくれ、気遣いもさりげなくて素敵。歴史を越えて愛される名店とは、その時代の人々に愛されるような心遣いがきちんとできる店なのだと妙に納得できた。

味も舌触りも絶品!伝統の技法が光る老舗の蕎麦

そば・割烹八洲ざるそば

僕が頼んだのは「ざるそば」(850円)大好きな讃岐うどんもそうだが、やはりそば本来の味を楽しむには、このザル系が一番。八洲のそばは、八ヶ岳山麓でとれるそば粉が原料。そして、創業時より引き継がれた家伝の「卵切手打そば」の技法によって丹誠込めて作り上げている。
つなぎに卵白を使う技法で、細いながらもそばには確かなコシを感じる。噛みごたえもあり、味もとても上品。つゆもとても洗練されていて、そばによく合い、とても美味しい。
もちろん最後はそば湯もしっかり楽しめる。このそば湯も濃厚で、とてもこだわりが感じられた。

そば・割烹八洲

暖かいそばと天ぷら。熱いダシの中でも蕎麦はモチモチ感がある。普通に食べる蕎麦とは全然違う。もちろんダシも相当に美味しい。天ぷらもアツアツ、サクサクで美味だった。
老舗なのに、気取らない感じがとても良かった。ちょっと値は張るが、美味しい信州そばを食べられる、良い店だった。
ただ、車は店の前に2、3台しか置けないのが残念。湖畔の有料駐車場を使うか、近ければ宿から歩いて訪れたい。また、諏訪インターの近くには支店があり、こちらは駐車場が15台と広い。天丼やソースかつ丼などのメニューもあり、本店よりも気軽に食事をしやすくなっている。

諏訪湖の宿泊情報

諏訪湖には上質な温泉が何か所も湧き、多くの温泉宿があります。信州の温泉地として人気で、比較的リーズナブルに宿泊できるホテルやプランも多くあります。東京・名古屋・大阪からアクセスする中央道が合流する場所で信州への玄関口にもなっており、信州の旅の最初・最後の投宿地としてはもってこいです。

【諏訪湖周辺の宿・ホテル】

そば・割烹八洲

場所: 長野県諏訪市湖岸通り3丁目1-22
電話: 0266-52-2426
営業時間: 10:00~15:00 17:00~20:00
休館日: 木曜(祝祭日の場合は営業)
席数: 約20席 (他に座敷数部屋あり)
アクセス:中央自動車道 諏訪ICより車で約15分
JR上諏訪駅より徒歩約7分
駐車場: 3台(無料)

【投稿時最終訪問 2012年9月】

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