宮之浜【小笠原父島シュノーケリングスポット】

父島二見の集落を出発し、自転車を山を登っていく。借りた自転車は変速機なし。途中からはさすがに自転車を降りて押していく。停泊する「おがさわら丸」が足もとに見下ろすようになった頃、登り道は終わる。その後、少し下った後、山の中腹にある集落の中を再び登っていく。新しく立派な民家がある中に、熱帯性の木々に埋もれたコンクリートの戦跡がひっそりと眠っているのが不思議な場所だ。
やがて集落を登りきった頃、道は東海岸の海に向かって一気に下っていく。焼けつくようなブレーキ音に少しびくびくしながら、自転車は海に向かって一気に高度を下げていく。向かうは父島でも人気のシュノーケリングスポットの美しいビーチだ。

父島のシュノーケリングスポット「宮乃浜」

宮乃浜

ついに到着。ここが「宮乃浜」先程までいた二見港は父島の西海岸。ここは父島の東海岸にあたる。自転車で島の背骨のような山地を乗り越えてたどりついた美しいビーチの感動は大きい。
宮乃浜は絶好のシュノーケルポイントとして有名なビーチ。エメラルドグリーンの海辺には美しい芝生広場が広がり、きれいなウッドデッキや東屋、トイレが完備されている。とても孤島のビーチとは思えない。まるで南国のビーチリゾートだ。目の前に広がる美しい風景に、自転車を駐輪スペースに置いたら急いで波打ち際に駆け寄る。

宮乃浜園地

宮乃浜のビーチ。きめの細かい砂礫のビーチにはゴミ一つ落ちていない。とてもきれいだ。その透明の海の水は、海の底の美しい色をここまで伝えてくれる。このエメラルドグリーンの下にはサンゴ礁が広がり、熱帯魚が遊ぶ。
向こうに見える陸地は「兄島」小笠原の中心である「父島」の北側に位置する無人島だ。兄島の手前、海の色がひときわ青くなっているところは「兄島瀬戸」とても美しい青い海だが、潮の流れはとても速い。

宮乃浜園地

さて、小笠原の海開きは1月1日である。今日は1月2日。泳げない事はない。海の水に足を浸すと、思った以上に冷たくない。どちらかというと温く感じるくらいだ。さっそくこの碧い海に飛び込みたかった。が、泳げるというのは、海の中に飛び込んでも心臓麻痺にはならないというくらい。問題は海の外に出た後だ。風がなく、太陽が出ているのなら問題はないが、今日は北風がひどい。日もどんどんかげってきた。このまま海に入ったも、海から出た時は悲惨なほど寒く感じるだろう。波も高く、海も濁っている。残念ながら新年初泳ぎは後日にお預けだ。
仕方がなので「ホライズンドリーム」で買ってきたパンをウッドデッキで頂く。美味しいパンを食べながら見つめるのは、北風に荒々しく波を立てる青い海。その海には多くのサーファーたちが楽しそうに波と戯れている。彼らの大喜びの姿が、少しうらやましく思えた。

米軍を迎え撃つトーチカが今も残るビーチ

宮乃浜のトーチカ

天気はどんどん悪くなる一方。美しい海に居ても風がとても寒く感じる。そろそろ次の場所に移動しよう。
ふと自転車に乗ろうとしたとき、道の脇の山肌に何かがあるのを見つけた。近づいてみると、山の斜面、タコノキの根に埋もれるようにコンクリートに囲まれた穴が海に向かって開いていた。「トーチカ」だ。映画「硫黄島の手紙」でも見たことがある。トーチカとは、この中に兵士が潜み、砲火に耐えながら敵を銃撃する施設だ。穴から中をのぞいてみると、冷たい真っ暗な空間が広がっている。中は意外に広く、よく見るといくつか他の場所に通じる横穴が掘られている。
このトーチカの周りを調べてみると、他のトーチカや、コンクリート製の大きな地下へのトンネルのような入り口があった。おそらくこのトーチカ内部はいくつもの坑道でつながれた地下要塞になっているのだろう。宮乃浜は断崖絶壁の多い父島の中でも数少ないビーチ。美しいこのビーチはアメリカ軍の絶好の上陸ポイント。上陸するアメリカ軍をここから旧日本軍が狙い撃ちしようとしていたのは明らかだ。
この穴から内に入ることはできそうだった。しかし内部はいつ崩壊してもおかしくなさそうな感じである。それにここで壮絶な戦闘が行われていたり、戦闘がなくても死と隣り合わせで兵士が潜んでいた場所だ。それを考えると、真っ暗な暗闇は、今を生きる人間の魂を深く冷たい世界に引きずり込んでしまうように感じた。この中に入ろうかと思ったが、目に見えない恐怖が僕の体をこの中にくぐりこませることをためらわせた。トーチカの中には、時間が止まったかの様に、冷たい空気が暗い過去とつながったように漂っていた。

小笠原・父島の宿泊情報

■ 父島の街の中心で便利なリゾートステイ

■ 小笠原を代表するリゾートホテル

宮乃浜

場所:東京都小笠原村父島宮之浜
駐車場:あり(数台・駐輪スペースもあり・無料)
交通:二見港より車・原付で約5分、自転車にて20分
施設:東屋・ウッドデッキ・トイレ・ベンチ

【投稿時最終訪問 2008年1月】

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