初秋の重信川サイクリング
しまなみ海道や夕焼けこやけラインなど、四国の中でもサイクリングスポットが多い愛媛県。その県庁所在地である松山市にも、市内を流れる重信川沿いに、西日本最高峰の石鎚山を眺めながら走ることができるサイクリングロードがあります。9月の初秋、移ろう季節を求めて、そのサイクリングロードをトレーニングがてら走る。その季節ならではの風景を求めて。
四国の山々を目指した気持ちよいサイクリング
松山の市街地を抜け、重信川に到着。重信川河川敷サイクリングのスタートは右岸のサイクリングロードが始まる「MRC乗馬クラブ」からだ。ここの乗馬クラブでは、馬の見学が自由にして良いようで(ただし、エサをあげ禁止、自己責任で馬と接する)少し癒しをもらう。出来れば自転車ではなく、この馬で河川敷を駆け上ったらどんなに気持ちのいいことか。
そして河川敷サイクリングスタート。自転車のハンドルの右側が指している平らな山が真正面になる場所まで、片道20km弱を河川敷沿いのサイクリングロードを遡上する。この重信川サイクリングロード付近には見どころはいっぱいある。しかし本日は「トレーニング」なので、脇目もくれずに一心不乱にペダルをこぐ。いつもは山からの向かい風に悩まされるのに、今日は珍しく海からの追い風。気持ちよく距離を一気に稼いで行く。
広い平野がどんどんと狭まり、険しい山が近づいてきた。目印としていた平らな山、標高1270mの「皿ヶ嶺」ももう真正面に近づいてきた。河川敷走行開始から40分足らずで、目的地の「見奈良」につけそうだ。まずまずのペース。
秋の見奈良の花畑はコスモスが満開
見奈良のレスパシティに到着。この時期、見奈良の花畑は一面のコスモスが咲き誇り、見事な風景を作り出している。すぐに自転車を折り返すような無粋なことはせず、自転車を降りて花畑をのんびりと散策する。
夕日と海に向かって走るサイクリング
復路は今来た道を全く逆戻りする。今度は海に向かって、太陽に向かって西へと走る。
緩やかとはいえ山から川を下って行くので、下り坂で往路より走りやすいが、この日は海からの風が強い。向かい風になかなか先に進まない。
曇りがちだった空もどんどんと青空へと変わっていく。傾いて色づく光と青空が初秋を演出してくれる。秋めいていく風景に何度も立ち止まる。
松山緑化センターの桜並木は一足早く色づき始めていた。春には美しい桜を見せてくれる風景、秋にはその訪れも知らせてくれる。
緑化センターのイチョウの大木。少しずつ秋の装いを始めているが、もう少し時間がかかりそうだ。この葉がすべて黄色く染まった頃、それはもう、とても美しいだろう。
冷たさを纏うようになった秋風を切り裂きながら、一生懸命我が家に向かってペダルをこぐ。眩しいし、前に進まないし、トレーニングとしては申し分ない。
強烈な向い風は僕にとっては敵だが、それを味方に楽しむ人々もいる。河原ではパラグライダーを楽しむ人々。ふわりと風を受けてふくらみ、夕日を受けて輝くパラグライターはとても美しく思えた。ペダルをごく足を休め、秋の空に飛び立つ瞬間を待ったが、なかなかうまく飛び立てないは。自然と遊ぶというのにも相当な技術が必要なようだ。
ほんの少しのサイクリングだったが、気晴らしとちょっとした運動にはなった。なにより季節の移ろいを感じられるのはとても気持ちが良かった。