鞆の浦「御舟宿いろは」 ~坂本龍馬と宮崎駿~

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風光明媚な港町である広島県鞆の浦。古くから潮待ちの港として栄えており、今も歴史ある古い町並みが残っています。スタジオジブリの「崖の上のポニョ」は宮崎駿監督が滞在し、この地をモチーフにした事でも知られています。そんな歴史ある町は歴史的人物の出来事の舞台にもなっています。幕末に活躍した坂本龍馬。龍馬が中心となって組織された海援隊が運航する「いろは丸」が紀州藩の軍艦が衝突し、鞆の浦沖で沈没。龍馬は多大な賠償金を紀州藩に認めさせます。その談判が行われた屋敷で、和の趣たっぷりな美味しい食事を頂けるお店が「御舟宿いろは」です。

いろは丸沈没事件の現場の町屋で美味しいランチ

御舟宿いろは

鞆の浦の古い町並みにある伝統的な町屋「御舟宿いろは」。坂本龍馬が、いろは丸を沈没させた相手の紀州藩相手に談判を行い、多額の賠償金を得たことは有名な話ですが、鞆の浦での談判の場所がこの町屋でした。そんな歴史ある町屋ですが、ステンドグラスがしつらわれるなど今風のデザインとなっています。実はこのデザインの元になるスケッチをおこしたのが宮崎駿監督その人。老朽化して空き家となっていたこの歴史的建造物を、崖の上のポニョの構想のために鞆の浦に滞在していた宮崎駿監督が、坂本龍馬ならこういったステンドガラスを用いるだろうというイメージでスケッチしたそうです。そのスケッチをもとにリノベーションされたのが今の「御舟宿いろは 」。坂本龍馬に宮崎駿。新旧の日本を動かした著名人が関わった、まさに鞆の浦を凝縮した建物なのです。

御舟宿いろは

御舟宿の名前の通り、いろはの本業はお宿。2階が宿になっており、坂本龍馬が歴史的な談判を行った伝統的な町屋で1日3組限定で美味しい料理とゆったりとしたお風呂でくつろげます。坂本龍馬や幕末ファンには勿論、歴史をあまり知らなくても、歴史を残しながら綺麗にリフォームされた町屋での滞在や食事はとても素敵な時間です。町屋の1階が食事・喫茶処として営業しており、気軽に昼食やカフェが楽しめます。テーブル席と座敷があり、テーブル席だとステンドグラスの窓、座敷席だと蔵のある和の中庭を楽しみながらの食事が楽しめます。店内は伝統的な町屋の雰囲気を色濃く残しながら、所々今風にアレンジされています。極力和のテイストは崩さないようにされており、当時の雰囲気を損なわないような配慮が感じられます。

歴史ある町屋で和が際立つランチ

御舟宿いろは特選ロースかつ膳

「特選ロースかつ膳」お好みでウスターソース、藻塩、わさび醤油をつけて頂きます。ローカカツはサクサク。藻塩やわさび醤油をつけて食べる事はなかなかないので、とっても新鮮な味わいです。しかも、少し残したごはんの上にとカツを乗せ、出汁をかけてお茶漬けに。これがまた、意外にもおいしいのです。ロースカツという洋風な食べ物をこれでもかというほど和の食べ方で頂ける一品です。

御舟宿いろは鯛のいろは漬け御膳

いろはの目玉ともいえるのが「鯛のいろは浸け御膳」地元瀬戸内海で獲れる身の引き締まった鯛のぬか漬けです。ぬか漬けというと好き嫌いが分かれるところですが、このいろは漬けの癖は強くなく、あっさりとしており、子供でも美味しくいただけます。わさび醤油にくぐらせればさらに癖はさらに少なくなり、ごはんがすすみます。プリプリの鯛の深い味わいがしみ込んでおり、とにかく美味しくてクセになりそう。

御舟宿いろは鯛茶漬け

こちらも最後にごはんの上に鯛をのせ、出汁をかけてお茶漬けにできます。直前まで火にかけられていたアツアツの出汁を注ぐと、鯛の身はさらにプリプリに引き締まり、食材の甘さがさらに際立ちます。歴史ある日本の伝統的な空間で日本人の心ともいえる食べ方で頂くと、「これぞ日本の味」「日本人に生まれてよかった!」と思わざるを得ません。

御舟宿いろは中庭

いろはの母屋の横には倉があり、まるで時代劇のセットのような美しい中庭を座敷席からは眺めながら食事ができます。この中庭を座敷席もっと楽しむのならお手洗いに行くことです。いろはのトイレは伝統的な屋敷によくあるように縁側の奥にあります。しかも、いろはのトイレはとても素敵。トイレは障子の入った丸窓、木の床といった昔ながらのつくりながら、ウォッシュレットに和を強く感じさせるディスプレイなど、トイレらしからぬ雰囲気でついつい長居したくなる空間です。坂本龍馬の歴史を宮崎駿監督が甦らせた「御舟宿いろは」。宿泊は難しくても、食事で気軽にその歴史と美しい日本の美を楽しめます。是非とも鞆の浦の観光のランチはここで楽しみたいですね。

御舟宿いろは

住所:広島県福山市鞆町鞆670
電話: 084-982-1920
時間: 平日11:00~15:00 (喫茶は10:00~17:00 )
席数: 約36席
定休日: 火曜日
駐車場: 4台
アクセス: 山陽自動車道 福山東ICより約45分
メニュー: 鯛いろは漬御膳1480円、うずみ重膳1750円、鯛アボカド丼膳1400円
     特選ロースカツ膳1850円、鯛かぶと煮350円
     (一例)

【投稿時最終訪問 2015年5月】

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