風のガーデン【美しい異国のような西洋庭園】
美しい丘の風景やロケ地で人気の富良野。しかし以前はスキー場ぐらいしか観光資源がなかったそうだ。そう聞くと、今は信じられないくらい、夏場でも観光客が賑わっている。そんな賑わいの原点になるのが、ドラマ「北の国から」だ。ドラマで流れた富良野の美しさに魅せられ、今なお訪れる観光客はとても多い。
その「北の国から」に続く「富良野三部作」として作成されたドラマが「優しい時間」と「風のガーデン」。どちらも富良野の美しい自然の中で、葛藤する家族の絆を描いた作品。この作品の舞台となった「森の時計」と「風のガーデン」が新富良野プリンスホテルの敷地内にロケ後に開放されており、見学ができる。まずは「風のガーデン」に訪れた。
新富良野プリンスホテルが風のガーデンの入口
風のガーデンは新富良野プリンスホテルの「ピクニックガーデン」という施設の一番奥にある英国風庭園だ。ホテルから約1km離れているので、受付から送迎のワゴン車に乗って、風のガーデンに向かう。送迎車は数台が連続運転しているので、少し待てばすぐに次の車が来る。もちろん、時間と体力があれば散歩がてら歩いていく事もできる。料金は変わらないが。
ちなみに風のガーデン受付は、ニングルテラスや風のガーデン利用者用の駐車場の一番奥にある。
風のガーデンは異国のような美しい物語の世界
送迎車に揺られながら、芝生と木立が美しいピクニックガーデンを通り抜けると、風のガーデンに到着。車内ではドラマの主題歌、平原綾香の「カンパニュラの恋」が流れていて、名場面が頭の中で蘇ってくる。
入口には「ガブリエルの家」という売店があり、ドラマで使用されたガーデニング道具やオリジナルグッズが販売されている。また「ガブリエルの別宅」という売店では、花の苗や造花などが取り扱われている。入口からは、ウッドチップが敷き詰められた道がガーデンの中に、ドラマの世界の中に訪れた人を導いていく。
ガーデンの入口にはいかにも北海道らしい風景が広がっている。
付近には芝生が一面に敷き詰められた美しい森が広がっている。これはとても絵になる。まるでおとぎ話の中に出てきそうな美しい風景だ。ガーデンに向かう道からはずれ、しばし寄り道。2歳の娘も、この心地よい森の中で走り回っている。
ドラマ「風のガーデン」の美しい舞台がそのまま残る
風のガーデンの中に入る。美しい色鮮やかな花と緑に取り囲まれた、とても気持ちの良い場所だ。2000㎡の敷地に365品種以上の花が咲くガーデンはとても美しい。ただ、9月ということもあってか、花の密度と色合いは最盛期よりも少し控えめ。
この風のガーデンは、旭川にある人気のガーデン「上野ファーム」の上野砂由紀さんによるデザイン。ドラマのために2年がかりで作られたもので、実際にこの場所でドラマの撮影がされた。実際に中井貴一と神木隆之介のやり取りを思い出す、思わずニヤリとするようなオブジェもさりげなく置かれている。そして、ガーデンの奥に行くと、このガーデンの象徴ともいえる「グリーンハウス」が佇んでいる。
白鳥家が暮らしていた「グリーンハウス」には玄関やウッドデッキから中に入る事も出来る。ハウスの一部は、ハーブティーやマフィンが食べられる店として営業している。
グリーンハウスの内部。ドラマに出てきたそのままがここにある。・・・と言いたかったが、家具などが置いている部分には入れないようにロープが張られていたのは残念。
美しい緑と花に囲まれた一軒家の生活。実際にこんな場所で暮らせたら、どんなに心休まる事だろう。憧れの生活でもある。そんな美しい生活の場であるこの家は、このドラマを知らない人でも、美しいドラマを感じざるを得ないだろう。
グリーンハウスの横には「蛍のそふとくりん」という店がある。そういえば北海道に上陸して、まだソフトクリームを食べていなかったということで、この美しいガーデンを眺めながら食べる事にする。
しかし、これが予想に反してすごく美味しい。北海道のしぼりたて生乳を使い、水を一滴も加えない製法らしい。濃厚でありながら、ほのかな甘みで、しかもとてもあっさりしていて後味はさらりとしている。
隠れキャラもいる。風のガーデンの一番奥まで進むと、ロープが張られた行き止まりからキャンピングカーが見える。こっそり立札が立っていて、このキャンピングカーはドラマで使われたものだとある。主人公を演じる中井貴一が故郷の富良野にもどり、ひっそり隠れるように闘病をしながら過ごしていたあのキャンピングカーだ。
残念ながら、中を見るどころか近づく事も出来ないが、ドラマのもう一つの舞台がひっそりと森の中にいる。パンフレットや案内板は一切ない。送迎車のドライバーがここにあると教えてくれていた。
美しい芝生が広がる幻想的な森
気持ち良い芝生と木立の森を散策しながら、送迎車乗り場に戻っていく。どこまでも広がる一面の芝のじゅうたんに、針葉樹の森が広がる。まさに北海道といえるような、美しい風景の中の散歩は、言いようがない程気持ち良い。ガーデンの中の花めぐりもそうだが、この森も散策しながら美しさをぜひ堪能したい。
森を抜けると、黒木メイサが演じたルイの名を冠された苗床がある。ここではこのガーデンにある花や木の苗が多数販売している。すぐ隣には神木隆之介が演じた岳の名を冠された苗床もある。
この苗床から芝生の斜面を登れば、送迎車の停車場に戻ってくる。売店を少し見てからホテルに戻ろうと思うが・・・
恐怖の2歳児の娘がここでやりたい放題。売っている花を引っこ抜こうとしたり、花の鉢植を入れているワゴンをどこかに押して行こうとする・・・冷や汗の連続。早々に、もっとやらせろ~と地団駄踏む娘を送迎車に押し込んで撤退・・・
ドラマのロケセットそのものであるので、本当にドラマの中に迷い込んだような場所。しかし、ガーデンとしてもとても素晴らしく、ドラマのシーンではなく、その美しさ自体に魅せられる場所。ドラマを見ていなくても、小さな子供でも楽しめる場所だった。
ただし、バリアフリーにはなっておらず、ウッドチップの道なのでベビーカーでの移動は難しい。子供を連れて行くなら、自分で少し長い距離を歩けるようになってからの方が良い。トイレはあるが、オムツが替えられるかは確認していない。風のガーデンの入口近くに、ホテルへの連絡通路があり、その奥に多目的トイレがある。送迎車に乗る前に、ここでオムツを替えてから行くのが確実。
風のガーデン
住所: 北海道富良野市中御料(新富良野プリンスホテル内)
電話: 0167-22-1111
営業期間: 4月下旬~10月中旬
営業時間: 8:00~15:30 (閉園16:00)
休業日: 期間中無休
料金: 500円
交通: JR富良野駅から車で約10分
駐車場: 270台(無料)
【投稿時最終訪問 2011年9月】