松阪神社と本居宣長ノ宮
松阪牛で有名な三重県松阪市。伊勢神宮に向かう街道沿いにあり、商人の町として栄えた市内には多くの江戸時代の商家や武家屋敷が残っています。かつては松阪の中心だった松阪城の鎮守の森には鎮守社であった「松阪神社」と、松阪出身の江戸時代の国学者を祀った「本居宣長ノ宮」が鎮座します。
松阪城跡の鎮守の森に鎮座する神社
江戸時代の武家長屋の姿を残し、さらには賃貸住宅として住める「御城番屋敷」前の石畳の道から続く松阪神社の参道。石畳と鳥居の向こうの鎮守の森に、松阪の氏神である松阪神社があります。
住宅地の中残る深い森の中に松阪神社は鎮座します。この森は四五百森(よいほのもり)という近くにある松阪城の鎮守の森で、古くから手付かずの自然が残っています。
四五百森に入ると、石段の参道で境内へと向かいます。鎮守の森が包み込む境内には静かで厳かな雰囲気が漂っています。
石段を登り切ると、松阪神社の本殿が鎮座しています。松阪城の鎮守社として造営された神社ですが創立は約1000年前という歴史があります。商売繁盛の「宇迦之御魂神」(うかのみたまのかみ)や、病気平癒の「少彦名命」(すくなひこなのみこと)をはじめとする非常に多くの神々が祀られています。
松阪出身の偉人を祀るもうひとつの神社
松阪神社の境内から続く道を進むと本居宣長ノ宮へと向かいます。松阪輩出の偉人で日本史の教科書にも出てくる江戸時代の国学者 を学問の神として祀る神社です。松阪神社から向かうと小さな石碑しかその名を示したものがないので、同じ神社だと思ってしまいます。
本居宣長ノ宮へ続く道の途中に「末広稲荷大神」があります。地元の工場が京都伏見稲荷の分霊を勧請した神社。以前は工場の中で祀られていましたが、工場閉鎖によりこの場所に遷座されたそうです。
しばらく進むと本居宣長を国学神として祀る本殿に出ます。本居宣長は松阪出身の江戸時代の国学者。「古事記伝」などの著書で有名です。
本居宣長ノ宮の本殿で参拝をしたのち、表参道を下ります。
本居宣長ノ宮の参道入口に出ました。松阪神社とは反対側に神々しい森の中を通り抜けた形です。本居宣長ノ宮の看板の横には、必勝合格祈願の大きな旗があります。やはり日本の歴史に出てくる江戸時代の国学者を祀る神社だけあって、学問に絶大なご利益があります。受験生はぜひ訪れたいですね。なお、隣の松阪神社はこの近辺の氏神様で、本宮とは関係ありませんと看板に記されています。うっかり間違って参拝してしまう方がやはり多いのでしょう。
松阪神社
住所: 三重県松阪市殿町1445
電話: 0598-21-3689
休み: 無休
時間: 8:30~17:00
料金: 無料
交通: JR・近鉄松坂駅より徒歩15分
伊勢自動車道・松阪ICより約10分
駐車場: 10台(無料)
【投稿時最終訪問 2017年10月】