妙法寺【神戸市須磨・六甲山全山縦走路】
神戸市須磨区の地名、市営地下鉄の駅名にもなっている「妙法寺」
妙法寺は地下鉄の駅前にはなく、少し離れた場所にあります。小さくて静かなお寺ながらも、平清盛が神戸への遷都の際、京都の鞍馬寺と同格に扱おうとした歴史と由緒があります。六甲山全山縦走路の途中にあるため、縦走途中に立ち寄る登山者も多いお寺です。
六甲山縦走路の途中にある妙法寺
妙法寺は森に囲まれた静かな住宅地の中にあります。妙法寺の前の道は六甲山全山を縦走する登山道の一部になっており、登山やハイキングの途中で立ち寄ることができます。六甲山は稜線の鞍部が切り開かれて町になっています。六甲山を縦走すると西部では何度も何度も山から町に下りてくることになります。妙法寺も山と山の間に位置する静かな住宅街の中にあるため、きちんとした装備で歩く登山者が足を止めてお参りするお寺でもあります。
六甲全山縦走路は地下鉄妙法寺駅の手前から階段を一気に下ります。その階段はで地下鉄の線路の下をくぐり、出てきた住宅街の中を進むと妙法寺にたどり着きます。地下鉄の駅から山を下ってたどり着く坂の町神戸ならではの変わった駅からのアプローチです。
道路からお寺に入り、少し石段を登るとすぐに本堂です。歴史と由緒あるお寺ですが、敷地や寺院規模は大きくなく、普通のお寺とさほど変わりはありません。それでも紅葉の時期に訪れるととても境内は美しく、格式を感じることができます。
平清盛ゆかりの歴史ある古刹
妙法寺の宗派は高野山真言宗。行基が738年に開いたと伝えられる古刹です。平清盛が都を京都から神戸の福原に遷都した際、都を護る霊場である京都の鞍馬になぞらえ、妙法寺を新鞍馬と称して福原京の鎮守の地として保護したともされています。
本堂にはご本尊の木造・毘沙門天立像が祀られています。は平安時代の作で国の重要文化財に指定されています。
そのほかにも平安時代の木造聖観音像や南北朝時代の灯篭、平安時代の写経など多くの寺宝を有しています。
本堂の裏には石造宝篋印塔があります。宝篋印塔は経典の1つである陀羅尼経を納める塔で、後に供養塔として建てられるようになりました。この塔は約600年前に浄照という僧に建てられたもの。建造年が記されており、完全な形で残っている貴重なもので、県の重要文化財に指定されています。
竹林の中に佇む鐘楼。比較的規模は小さく、地元のお寺といった雰囲気の妙法寺ですが、さすがに地名や駅名になっているだけある歴史あるお寺。訪れる人も少ない静かなお寺で、境内には平清盛との関連がわかるものも残っていませんが、凛とした佇まいがそこにはあります。六甲山登山の折には立ち寄ってみたい古刹です。
妙法寺
住所: 兵庫県神戸市須磨区妙法寺毘沙門山1286
電話: 078-741-2935
休み: 無休
料金: 無料
交通: 神戸市営地下鉄妙法寺駅から徒歩10分
駐車場: 5台(無料)
【投稿時最終訪問 2021年11月】