川越城本丸御殿【日本で2つしかない現存本丸御殿】

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小江戸と称される観光地、埼玉県・川越市。江戸時代の街並みが色濃く残った風景には多くの観光客が訪れます。そんな川越藩は江戸時代には北の守りを担う重要な藩でした。その中心だった川越城は太田道真・道灌親子によって築いたといわれています。現在は城跡のみとなっていますが、藩主の住まいであった本丸御殿の一部が残っており、「川越白本丸御殿」として公開されています。本丸御殿が残っているのは、日本でもここ川越城と高知城のみ。完全な本丸御殿が残る高知城と違い、川越城は1000坪を超える敷地に16棟あった建物のうち、玄関と大広間、そして家老詰所のみの残存です。それでもかつての城主の住まいは歴史と風格を感じられる、見応えのある屋敷です。

巨大で立派な建物や庭の本丸御殿

川越城本丸御殿

川越城本丸御殿の特徴的なのが玄関部分を覆う巨大な唐破風屋根です。大きな屋根を支える柱と合わせて訪れた人は威風を感じる造り。さすがに城主の屋敷だっただけあります。
また、屋敷のすぐ前には童謡「通りゃんせ」の発祥の地となった三芳神社があります。かつては城内にあった神社で、厳しい監視のなかを庶民が恐る恐る参拝をしたのが歌の内容だとか。その頃にもこの壮大な本丸御殿の近くを参拝者が通ったのかもしれません。

川越城本丸御殿大広間

本丸御殿の玄関を入って真正面には大広間があります。36畳の広さがあり、御殿内では2番目に大きかったそうです。ここで来客が城主がお出ましになるまで待機していたと考えられています。重厚な引き戸には「杉戸絵」が描かれており、ここでボスの登場をまった人々に十分するほどの威厳を感じさせるものです。

川越城本丸御殿使者の間

大広間の横には使者の間があります。来客ではなく使いの者が控える間だったのでしょうか。それでも存分に広く、立派な部屋です。

川越城本丸御殿廊下

大広間や使者の間を囲むように、廊下2m70cmもの幅のある広い廊下があります。広い和室と外の庭と広い廊下の組み合わせは空間の広がりをとても感じます。立派で太い柱もあって、和の空間の重厚感がとても感じられます。

川越城本丸御殿枯山水

本丸御殿には広い庭があり、いくつか枯山水もあり、とても手入れがされています。入口から一番近い枯山水はとても広く、島のように浮かぶ緑の芝生を眺めることが出来ます。

川越城本丸御殿廊下

中央にある部屋を回り込み、建物の裏側の廊下。こちらも3m近い幅のあるとても広い廊下です。廊下の窓からは中庭が眺められる何とも贅沢な空間です。

藩政の執務が行われた家老詰所

川越城本丸御殿家老詰所

別棟になっている建物は家老詰所。家老などの潘の重役が執務を行っていたそうです。本来はもっと離れた場所にあったそうですが、この場所に移築されています。その広い縁側からは庭を眺められるようになっています。

川越城本丸御殿家老詰所畳廊下

家老詰所の中は、先ほどとは違う畳敷きの廊下。歩くと畳の感触が心地よく、廊下を進むのが楽しくなってしまうくらいです。

川越城本丸御殿家老詰所

庭を眺められる和室はとても心穏やかになる空間。藩政は大変だったのでしょうが、こんな素敵な部屋がオフィスだと、仕事も少しは癒されそうです。

川越城本丸御殿家老詰所

本丸御殿の家老が常駐する家老詰所には、リアルな人形が設置されています。このような展示は全くなかったので、突然人がいるかのように思えて少し驚きます。藩政を話し合っているのでしょうが、なんとも悪だくみをしているように思えるのは時代劇の見過ぎでしょうか・・・

川越城本丸御殿家老詰所

いくつもの部屋が連続する家老詰所。部署や役ごとにそれぞれの部屋で話し合いや執務をしていたのでしょう。何とも風通しがよく、隠し事などできなさそうです。そのためによく時代劇などでよくある人払いなどがされたんでしょうね。

川越城本丸御殿家老詰所縁側

家老詰所り縁側の両奥にはトイレが1箇所ずつあります。藩政を執務する場所だったので、多くの人が使用したのだと思われます。

川越城本丸御殿家老詰所厠

家老詰所ということもあり、トイレの利用も男性だけだったはず。現代の男子トイレと同じように小便器と大便器があります。藩の最高職位が使うだけあって、かなり現代のものに近い立派な造りです。

廊下や庭の細部まで見所になる本物の御殿

川越城本丸御殿

再び玄関方向へ時計回りで廊下を進みます。見取り図にすればシンプルな図面になるであろう間取りですが、その広さや開放的つながりが、複雑な迷路のようにも感じます。

川越城本丸御殿庭園

本丸御殿の建物に囲まれるように造られた枯山水の庭。本物の純和風の庭にはついつい歩みを止めて見入ってしまいます。

川越城本丸御殿杉戸絵

目だった装飾はなく質素な廊下ですが、杉戸絵の襖や太い柱など、格式の高さを感じられます。

川越城本丸御殿

部屋の中展示されている輿。レプリカだとは思いますが、同時に姫が乗っていたとされる輿はとてもしっかりとした造り。風格ある御殿の中にあると、とても立派に見えます。

かつての広大な敷地と建物はありませんが、それでも藩主が住まった屋敷。立派な造りはとても見応えのあるものでした。

川越城本丸御殿

住所: 埼玉県川越市郭町2-13-1
電話: 049-222-5399(川越市立博物館)
営業時間: 9:00~17:00 (入館16:30まで)
休業日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、毎月第4金曜日(休日を除く)、年末年始
料金: 100円(高・大学生50円)
交通: 西武鉄道・本川越駅より徒歩25分
   関越道・川越ICより車で約15分
駐車場: 54台(無料)

【投稿時最終訪問 2017年7月】

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