あしがくぼの氷柱 【駅から10分で行ける氷の世界】
寒い冬は厳しいですが、どうせなら冬にしか見られない絶景を楽しみたい。そんな時には電車や車を使って手軽に氷柱が林立する世界が楽しめる「あしがくぼの氷柱」がオススメです。
駅から歩いてたったの10分で氷の世界!
「あしがくぼの氷柱」は秩父三大氷柱のひとつで、その中ではダントツにアクセスしやすい場所にあります。週末の夜の幻想的なライトアップが人気ですが、日中の自然な美しさも相当なものです。どうせ明るい時間に訪れるなら、人が少ない時間にゆっくりと静かな氷の世界を堪能したいと、朝いちばん、オープン間もない午前9時に訪れました。訪れる人はまだまばらです。氷柱の中にある鳥居をくぐり、雪と氷の世界の中に入っていきます。
「あしがくぼの氷柱」は、西武池袋線「芦ヶ久保」駅から徒歩10分。また、車でも道の駅「果樹公園あしがくぼ」からも徒歩10分で会場に到着します。会場までは除雪もしっかりされており、ウッドチップで足元がしっかりと固められているので、滑ったりぐちゅぐちゅになったりすることは少なくなっています。会場入口で300円の入場料を支払い、西武池袋線の下をくぐると、突然氷柱が立ち並ぶ幻想的な世界が広がっています。
冷たい小川が流れる氷の渓谷
会場に入ってすぐ、川岸には巨大な氷柱が何本もでき、1mを優に超える巨大なツララがぶら下がっています。よく見れば、所々からスプリンクラーで散水されています。あしがくぼの氷柱は12月から散水をはじめ、冬の厳しい寒さで少しずつ巨大な氷柱を作り上げていくそうです。2月上旬~中旬までが氷の成長時期で、どんどん氷柱が大きくなっていきます。
河原の木々を飲み込むように成長した巨大な氷柱。本当の自然界ではめったに見られない現象です。人の手が入った作り物の氷柱群ですが、谷一面を覆いつくす大迫力で雄大な氷柱は、まさに人間と自然の合作アートといえます。
朝の優しい光と凍てつく空気で氷が美しく輝いています。谷底にあたる小川には太陽の光が差し込むので、氷柱に太陽が当たって水晶のような輝きです。
線路の脇に広がる美しい氷の世界
あしがくぼの氷柱のすぐ横を西武鉄道が入っています。氷柱狙いのカメラマンも多いですが、氷柱と電車を一緒に撮れるということもあり、電車を狙う人も多いです。安全のためか、サービスのためか、ここを通過する電車は必ずといっていいほど事前に警笛を鳴らしてくれるので、電車が接近する前にカメラを構えることもできます。1時間に5、6本電車が通り抜けていくので、意外にシャッターチャンスは多いかも。なお、芦ヶ久保から秩父に向かう電車で進行方向左側の席に座れば、一瞬だけあしがくぼの氷柱を電車の中からでも見ることができます。
あしがくぼの氷柱の見どころは、北側斜面一面に広がる氷柱の壁。高さ30m、幅200mの渡る山の斜面がすべて青く美しい氷柱に覆われています。自然にはまずできない風景で、まさに人の手と厳しい寒さという自然が作り出した芸術。それは神々しく神秘的で見るものすべてを魅了する美しさです。
斜面の上部かでは、はまるで氷が地面から噴出したかのように折り重なっています。青空と氷柱のブルーが織りなすコントラストがとても美しく、モノクロの冬の景色に色を注ぎ込んでくれます。
まるで氷瀑のように凍り付いた氷柱。クラゲやシャンデリアのように見えます。滴る水滴がツララをつたってどんどんと長く成長しています。
あしがくぼの氷柱の会場内の道はウッドチップを敷き詰めたうえ固められており、除雪もされています。上り坂や下り坂もあるが階段はなく、比較的歩きやすくなっています。歩きやすい靴があれば、安心して気軽にお出かけができます。とはいえ所々凍結しているところがあるので注意はしてくださいね。なお、朝早いと訪問客は少なく、人を気にせず写真もゆっくりと撮れます。
あしがくぼの氷柱の全景。山一つがそのまま凍てついたかのように、無数の氷柱で覆われています。近くから見る氷柱の美しさもそうですが、遠景で見る氷柱が覆いつくした山の風景も絶景です。
川の流れる谷底からゆっくりと道は登っていきます。日の当たる場所までくると、所々ベンチもあり、一息つけるようになっています。ここから西武鉄道の線路と芦ヶ久保の山里の風景が一望できます。トンネルから吸い込まれる、もしくは吐き出される電車を撮るならここがベストポジションです。
氷の世界を見下ろす広場で暖かな一服
坂道を登りきると広場に出ます。ここには売店があり、「おもてなし」として熱い甘酒か「あしがくぼ紅茶」を1杯サービスしてくれます。ただし16時までのサービスなので、ライトアップ時にはありません。この広場にトイレはありますが小さな簡易トイレのみ。駅か道の駅にきれいなトイレがあるので訪問前には済ませておきましょう。
広場には難題か薪ストーブが置かれています。サービスでいただいた温かい飲み物を飲みながら氷柱を見下ろす時間はなかなか素敵。薪が燃える匂いと温かい飲み物の湯気が、冬の里山気分を満喫させてくれます。
広場からの凍てつく氷柱と秩父の山々が織りなす冬の風景は、鉄道から降りてすぐにもかかわらず、深山の雰囲気が満喫できます。雄大な自然に人が手を加えて、さらに美しくした風景。絶景です。
広場の奥は氷柱覆われた美しい世界
やや道は歩きにくくなりますが、広場からさらに先に進むことができます。砂防ダムのすぐ下側、日射しが決して入り込むことがない深い谷の上部には、見事なほどの美しい無数の氷柱が静寂の世界を支配しています。
音もなく成長していく氷柱たちは木々を飲み込み、まるで生きているかのように一斉に大地に根を下ろしているようです。ブルーに透き通った美しい氷はまるで水晶のよう。朝一番で訪れたら、この風景は誰にも邪魔されずに自分だけの世界に浸れます。ライトアップされた色鮮やかでにぎやかな氷柱も楽しいですが、静かで落ち着いた幻想的な朝一番の氷柱もオススメですよ。
秩父の観光と宿泊情報
秩父や長瀞には意外にも良質な温泉がたくさん湧いており、温泉を目玉にした宿がとても多くあります。味噌をふんだんに使った素朴ながらも美味しい郷土料理を提供する宿も多く、首都圏でゆっくりと滞在するにはとても良い穴場なエリアです。
あしがくぼの氷柱
住所: 埼玉県秩父郡横瀬町芦ケ久保
電話: 0494-25-0450(横瀬町ブコーさん観光案内所)
料金: 300円(中学生以上)
期間: 毎年1月上旬〜2月下旬(2018年度は1月6日~2月25日まで)
営業時間: 9:00~16:00 (ライトアップ日は20:00まで)
ライトアップは毎週金・土・日・祝日
休み: 期間中無休(ただし荒天時は休業
交通: 西武鉄道池袋線「芦ヶ久保」駅下車徒歩10分
道の駅「果樹公園あしがくぼ」より徒歩10分
駐車場:100台(無料、道の駅の第二駐車場を利用)
【投稿時最終訪問 2018年2月】