大雪・霧氷の皿ヶ嶺・竜神平へ雪山登山

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愛媛県のイメージはみかんや瀬戸内海など、冬でも温暖なイメージが多くある。しかし実は、西日本最高峰の石鎚山を擁するなど、西日本でも有数の山岳地域を有する県なのだ。そのため、冬には意外に雪山を楽しむことができる。そんな雪山の初心者コースで手軽にアクセスできると人気の山が、東温市の「皿ヶ嶺」(1271m)
今回は過去最大級の積雪状態の皿ヶ嶺への雪山登山に挑んだ。

林道入口に積雪ならスタッドレス四駆でも水の元まで

雪の上林林道

松山市内は全く積雪は無いが、皿ヶ嶺への登山林道への入口である湧水の集落の道路は雪化粧。皿ヶ嶺への登山者の車が、集落入口手前の路肩に多く駐車している。僕の車はノーマルタイヤだが四駆なので、そのまま湧水の集落へと雪道を走る。

雪の上林林道

皿ヶ嶺に向かう林道に入る。すでに林道の入口から雪道になっている。こんなこと、過去にも1度くらいしかなかった。相当な雪の量である。
いつもは標高約950mの「上林森林公園」まで車で登るが、本日はとにかくは雪深い。根雪になっていたり雪が深ければ、四駆とはいえノーマルタイヤでは歯が立たない。まだ車で走れるが、今年は林道途中の路肩に車を駐車して、皿ヶ嶺に登る事にする。

湧水集落から皿ヶ嶺へ登山

雪の水の元への登山道

車を停めた路肩は登山道の入口。標高は約450m。すでにふっかふかのパウダースノーて覆われているので、スタート地点からアイゼンを装着する。恥ずかしい話だが、皿ヶ嶺には何度も登っているのに、集落から登るのは今回が初めだ。
道は分岐や交差路があるが基本は直進・登り。スギ林に覆われた山道を登っていく。皿ヶ嶺はブナの原生林で有名だが、その裾野の人工林もしっかりと手入れがされていて見事な美しさだ。林の中を歩くと、その見事なスギ林の美しさをしっかりと感じられるが、花粉症持ちの僕にとっては恐ろしい風景。どうも目がかゆい。そろそろ恐怖の季節が近づいている事を知る。

瞽女石

途中、「瞽女石(ごぜいし)」があった。瞽女とは盲目の女性旅芸人の事。昔この付近で道に迷った瞽女が村人に親切にしてもらえず、ここで餓死したとか・・・

雪の上林林道

おおよそ15分で1回目の林道との交差に出た。標高580m。道標が出ていて、登山道はバリケードをしている道を進んでいく。

雪の上林林道

路面状況。少し凍っているがまだノーマルタイヤ四駆では走れる状態。路肩は狭いが、車を停めてここから登るという手もありだった。

雪の皿ヶ嶺登山

道は比較的広い。おそらく車も入れる林道を登っている。フカフカの雪を登っていく先、スギ林の向こうに真っ白な雪原が見える。おそらく貯水池か何かがあるのだろう
やがて登山道は林道から分岐して山を登っていく。しかし登山道に入らず、林道を先まで進んでいく足跡がひとつついている。導かれるように、その足跡をたどってみる。

凍結した又夕の元池

足跡の先すぐには、「又夕の元池」という貯水池があった。こんな山の中に、こんなに大きな貯水池があるのには驚いた。しかも、水面は全面凍結している。愛媛でこんな風景を見るとは思いもしなかった。歩いた道路はこの池の管理用の道路ということらしい。

2回目の林道交差。時々車が登っていくが、轍は車底すれすれで随分深くなっている。まだノーマルタイヤ四駆でも走れそうな状態。
1回目の林道交差から約15分・標高680m

雪の水の元への登山道

少しだけ登るとすぐに3回目の林道との交差。ここからは見事なスギ林の中を登っていく。昼なお暗いスギ林の中、まるでカーテンが開けられたかのように一筋の道が延びていく。車で運転していてもいつも気になる場所だった。等間隔に規則正しく並ぶ森は、まるでひとつのアートやオブジェのようにも感じる。

大雪の上林林道

4回目の林道交差。標高765m。2回目の林道交差から約10分。轍はさらに深くなり、路肩に積もった雪の量が半端ではない。轍の上は走れても、対向車との離合で路肩に入れば、四駆でもノーマルタイヤならスタックする可能性が大きい。チェーン付けるのも面倒だし時間もかかるので、本日は下に車を置いて正解。

雪に覆われたカナダのような水の元

大雪の水の元

「水の元」に到着。標高820m。4回目の林道交差から約5分。ここにはトイレやコテージがある。スタッドレスタイヤ、チェーンをつけた車で随分と賑わっている。この日は連休ということもあるが、記録的な大雪を楽しみにやってきた登山者で結構人が多い。シャベルで雪かきをして駐車スペースを作っている人もいる。
4回目の林道交差の時にすれ違った車が、僕が水の元に到着した後にやってきた。途中で止まっていたのかもしれないが、車でもこの雪の中を上がってくるのは相当に時間がかかるのだろう。

大雪の水の元

水の元から見る風景が、まるでカナダのタイガを思わせるような美しいものになっている。皿ヶ嶺のブナの原生林は真っ白な霧氷。裾野の針葉樹の人工林は雪を頂いて広がっている。美しい原生林と人工林の交わりが楽しめるのも、皿ヶ嶺の魅力のひとつ。そういえば、ここまで標高を上げると、花粉症の目のかゆみの兆候もおさまり、とてもすっきりしている。

大雪の水の元

水の元のコテージの横から再び登山道に入る。途中の砂防ダムで、その近年まれに見ぬ積雪量を目の当たりにする。温暖な愛媛の都市部にほど近い山の中でも、これだけの雪が積もっている。

大雪の水の元

砂防ダム自体も雪に埋もれている。ふかふかのパウダースノーに覆われたダムとその下に広がる道後平野。滅多に見られない雪景色。

大雪の上林森林公園

上林森林公園の入口に登山道が交差する。標高900m。水の元から約15分。水の元からの林道には轍が無い。さすがに冬季装備の車でもこの積雪の中では登ってくる事が出来ない。

たっぷり深い雪に包まれた上林森林公園

上林森林公園へと向かう道。とても静かな、まるで別世界。雪国の山の様相と化している。

皿ヶ嶺の霧氷

ブナ、ミズナラの林が見事な霧氷に覆われている。この美しさ、霧氷の完成度も近年まれに見ないくらいの立派なものだ。

皿ヶ嶺の霧氷

上林森林公園に到着。標高950m。普段はいっぱい車が停められる駐車場も、たっぷりの雪で覆われている。埋もれている柵を見れば、その積雪量が尋常でない事に気づく。

大雪の皿ヶ嶺への登山開始! 

大雪の上林森林公園

上林森林公園でトイレ休憩と装備を整えたら、霧氷の森へのスノートレッキングの開始だ。上林森林公園は深い雪に埋もれている。さらさらのパウダースノー。風穴に向かう階段も、尋常ではない量の雪が積もっている。こんな積雪量は、毎年雪の皿ヶ嶺に登っているが、初めてだ。

雪の皿ヶ嶺登山

今まで見事な人工のスギ林だったが、ここを境にブナやミズナラの原生林へと変わる。雪で覆われた斜面を登っていく。雪の量はとにかく多く、サラサラの雪なので油断すると足元が崩れて歩きにくい。普段の登りより、時間がかかってしまう。登りはじめの森でも見事な霧氷になっていて、目を奪われ、さらに歩みを遅める。

皿ヶ嶺の霧氷

とにかく霧氷が美しい。残念ながら、雲がかかって太陽の光が射し込まない。雲をバックにした霧氷はあまりぱっとしないのが、人工林をバックに撮ると霧氷がとても際立つ。

皿ヶ嶺の霧氷

付近一帯は霧氷の森。出発した上林森林公園を境に、人工林から原生林へと森は姿を変える。その境界線では、霧氷の美しさがひときわ際立つ。

大雪の皿ヶ嶺登山

普段は子供連れでも歩ける比較的安全な登山道。しかしサラサラの新雪が深く積もった雪道はかなり歩きにくく、一歩間違えれば斜面に滑り落ちそうになる。

皿ヶ嶺の霧氷

下界を見下ろす。比較的温暖な松山の地。山は大雪でも市内には滅多に雪は積もらない。

皿ヶ嶺の霧氷と瀬戸内海

霧氷の向こうに見えるのは瀬戸内海。数多の島々を浮かべた海を霧氷が彩る。海岸線から一気に2000m近い山々が立ち上がる、愛媛ならではのもう一つの瀬戸内海の風景だ。

皿ヶ嶺の霧氷

雪と霧氷の世界をひたすらに登る。少しずつではあるが、雲が流れ、青空が顔を出してきてくれた。時々日も射し込む。やっぱり霧氷には青空が似合う。

皿ヶ嶺の霧氷

静寂に包まれた森。サラサラの雪は、その踏みしめる音すら放たない。普段は付近を覆っているクマザサも、雪の下にその殆どが埋もれている。

皿ヶ嶺の霧氷

ついに頭上に青空が広がった。青い空に真っ白な霧氷。これこそ本日、求めていた風景!

霧氷と青空

まるで沖縄の海のサンゴ礁を見ているような錯覚すら覚える。青空の中で風に揺れるその姿はまさに冬のサンゴ。宝石にも見える、とても美しい風景。

皿ヶ嶺の霧氷

白く輝く霧氷の向こうには、裾野に広がる低い山々。その色のコントラストも美しい。

皿ヶ嶺の霧氷

青空に薄雲が流れていく。しばしば皿が峰に引っかかるくらい、冬の雲は低くを飛ぶ。

皿ヶ嶺の霧氷

ブナの大木は見事な枝ぶり。まるて白い花をつけたようなその姿は、とても美しい。

皿ヶ嶺の霧氷の森

静寂に包まれた霧氷の森。まるで時間が止まったかのよう。

霧氷に覆われた皿ヶ森稜線をスノーハイキング

大雪の皿ヶ嶺登山

上林森林公園からの登りを終え、稜線近くの老木があるベンチにたどり着いた。いつもよりも時間がかかっている。雪に埋もれたベンチがその積雪量のすごさを物語っている。

皿ヶ嶺の霧氷

秋は燃えるような紅葉を見せてくれるベンチの前の森。冬は真っ白な霧氷を楽しませてくれる。

皿ヶ嶺の霧氷の森

稜線に近づくと、年輪を重ねたブナの大木が多くなる。ブナの大木はまるでダンサーのように、枝を空に向かって広げる。頭上一面に真っ白な花を咲かせたようで、とても美しい。

皿ヶ嶺の霧氷の森

空から太陽の光が降り注ぎ、純白の雪がまぶしく輝く。真っ白な光に包まれた世界は音もなく静か。しかし、降り注ぐ光の音すら聞こえてきそうなくらい、幻想的な空間となり、僕を包んでいく。

皿ヶ嶺の霧氷

「雪の花」「冬のサンゴ」
そう形容したくなる美しい霧氷。枝に吹き付けられた氷と雪が、美しく太陽に輝く。

皿ヶ嶺の霧氷

太陽の光に輝く霧氷。まるでプリズムのように、七色の色をかすかに放つ。白黒のモノクロの世界に、鮮やかな色を届けてくれる。

皿ヶ嶺の霧氷の森

竜神平の入口にやってきた。右に行けば竜神平と皿ヶ嶺頂上への道、まっすぐに行けばこのまま稜線を進む。

皿ヶ嶺の霧氷の森

迷わずに僕はまっすぐに行く。この稜線、皿ヶ嶺の頂上に行くよりも、僕の中では優先度の高い目的地のひとつだ。

皿ヶ嶺の霧氷

ここに広がるブナの原生林はとにかく美しい。皿ヶ嶺の名前の由来となった、皿を伏せたような形の山容。ここはその皿の上部の縁にあたる。ズバッと人里へと切れ落ちる断崖絶壁と、なだらかな森の広がりの組み合わせがとても気持ちがいい。そして何より、手つかずのブナの原生林が見せてくれる黄葉と霧氷は、言葉では尽くせない美しさがある。

雪の皿ヶ嶺登山

稜線を行く。幸い、2,3人ほど歩いた跡がトレースとして残っている。しかしサラサラの新雪に足が埋もれ、とにかく歩きにくい。前に進むにも苦労する。

雪の皿ヶ嶺

四国の雪山でスノーシューはそんなに要らないと思っていたが、今日ほどスノーシューが欲しいと思った日はない。スノーシューがあれば、こんな新雪の上でも足が沈まず、面白いように楽に、そして好きな場所を歩ける。このトレースもどうやらスノーシューが付けたようで、足跡の上から歩いてもズブズブと雪の中に沈んてしまう。
本来ならば、ここは一面クマザサが生い茂っている森なのだが、そのクマザサの姿すら見えないくらいに雪が積もっている。

皿ヶ嶺の霧氷

今年は記録的な寒さと雪。枝だけでなく、木々の幹さえも霧氷のように白く色づいている。一面白が支配する世界。静かでとても美しい。

雪の皿ヶ嶺登山

霧氷の森の中、緩やかなアップダウンを繰り返しながら道は進む。どこを歩いても道になる。普段は入ることが出来ない場所でも自由に歩くことが出来るのも、冬の森ならではの楽しみだ。まるで木々が一歩退いて、歩いていく道を示してくれるたかのように、森の中を道が一本、まっすぐに続いていく。

皿ヶ嶺の雪のベンチ
皿ヶ嶺秋のベンチ

僕のこの稜線一番のお気に入りの場所のベンチにたどり着いた。いつもはここで食事をとり、コーヒーを楽しむが、たっぷりの雪に埋もれてしまっておりそれもままならなかった。左がこの日のお気に入りのベンチ。
右が紅葉の時期のお気に入りのベンチだ。見くらべただけで、その雪の量が半端でない事がわかる。温暖な松山の中心から車で1時間ほどで来れる山に、こんなに雪が積もっているのはにわかに信じられない。

大雪の皿ヶ嶺

稜線を進むと、皿ヶ嶺頂上と「竜神平」へむかう分岐点に着く。右に行けば竜神平、まっすぐ進めば「陣ヶ森」へと進む。しかし、この日は陣ヶ森への道に立ち入った人はなく、雪の中にトレースは無い。この先は急な階段を崖に取り付けているので、これだけの雪道だとどのような状況になっているのか想像もできない。トレースにしたがって、ここは竜神平への道に入る。
ここが本日の最高所となる。今からは下りだ。

大雪の皿ヶ嶺

竜神平への道標もすっかり雪の中に埋もれている。この日は少なくても60cmは積雪がありそうだ。
しかしこの竜神平への道の分岐は、この看板やオブジェのようになっている木が埋もれてしまうと全く分からない。僕も何度もこの道は歩いているが、これだけ雪が深いとルートを発見できる自信はない。看板を掘り出し、トレースをつけてくれた先行者には感謝。

皿ヶ嶺の雪の森

竜神平へは気持ちのいい原生林の中を行く。比較的なだらかな森でどこでも歩くことか出来る。それだけにトレースが無い状態でこの森の中に入れば、迷子になりそうだ。今は先行者の踏み跡が竜神平への導きになっているが、この踏み跡が無ければ、どこに道があるのかもう判断するのは難しいだろう。

大雪皿ヶ嶺登山

新雪の登りはなかなかしんどかったが、下りとなると話は別。ゴツゴツの岩など足元に気をつける心配もなく、思いっきり踏み出しても、フカフカの雪がクッションになって受け止めてくれる。先行者の足跡から離れ、自由気ままに森の中を好きなように歩いて行ける。これも深い雪の森の中だけに許される、この時期特別な遊びだ。

雪に覆われた真っ白な竜神平は神秘的な美しさ

冬の竜神平

やがて真っ白な森が急に開け、広い草原に出た。竜神平に到着だ。

雪の竜神平

竜神平は四国では珍しい高層湿原。とはいえ、随分乾地化が進んでいて、今では笹原へと姿を変えつつある。
竜神平は開けていて、比較的南側からの光が入るので、大雪の後でも雪が残る事は少ない。それでもこの日は足が埋もれるくらいのたっぷりの雪が残っていた。さながら、雪のプールのように。こんなに真っ白な竜神平を見たのは、はじめてだ。

雪の皿ヶ嶺竜神平

雪の積もった竜神平を行く。周りの木々も霧氷になっている。比較的日が射し込みやすい竜神平の周りの木々が霧氷になるのは珍しい。
残念ながら、どんどん天気が悪くなってきた。冬の低い雲が、手が届きそうなくらい、すぐ頭の上を飛んでいく。また今夜も、この竜神平に真っ白な雪を降らせるのだろう。

雪の愛大小屋

「竜神小屋」にたどり着いた。竜神平のほとりにある小屋。今年の雪は深く、小屋が半分くらい埋もれてしまっている。まるで、冬山の冬季小屋のようになっている。
雪の中、原生林に包まれて佇む山小屋は、四国の風景とは思えない。八ヶ岳などの信州の山に来たような気にさせてくれる。

愛大小屋

小屋の内部。小屋は愛媛大学登山部が管理していて、「愛大小屋」とも呼ばれている。ちなみに「愛大」は一般的には「愛知大学」の事だが、松山で「愛大」といえば、「愛媛大学」の事を指す。
ここは一般登山者にも開放されていて、休憩や宿泊も自由にできる。休憩の場合は利用後の清掃、宿泊の場合は500円程度の寸志の協力がルール。
窓や扉もしっかりと整備され、すきま風などの対策もしっかりされている。

雪の中の下山はトップスピードで!

皿ヶ嶺の霧氷

予定を大きく越えている事と、天気が悪くなってきた事を考慮し、登頂はあきらめ下山を開始する。普段なら霧氷は下山する時にはボロボロと崩れていくのだが、この日は午後になっても霧氷がきれいなまま。しっかり枝に凍てついた霧氷はなかなか融けない。
霧氷の森を抜け、その向こうに見える「黒い森」の見事なスギ人工林を抜けて、車を置いた場所へと下り降りる。

皿ヶ嶺の霧氷

竜神平から本格的な下りを開始するベンチの広場までの稜線は、今日歩いた行程の中で一番霧氷が見事。稜線が折れ曲がる場所なので、北風が集まるのだろうか。このエリアだけ気温が一気に下がり、幹まで凍てついた見事な霧氷がいつまでも真っ白な森になっている。

皿ヶ嶺の霧氷

この付近には見事な枝振りをしたブナの木々が多い。真っ白な霧氷をうねるように空にかざすその姿は、とても美しい。

皿ヶ嶺の霧氷の森

雪深い森の中を下っていく。登りは何度も足をとられて苦労したが、下りは違う。どこに足をおいても、どんなに強く足をおいても、雪がしっかりと受け止めてくれる。足元が崩れていっても、すぐに次の足を前に出せばいいだけ。雪の下りは、楽で楽しい。

皿ヶ嶺ソリあそび

そして雪の下りのもう一つの楽しみは「ダウンヒル」普段なら下草が生えて立ち入ることもできない急斜面を一直線に下り、つづら折りの登山道をショートカットするのだ。
とはいえ、今年の豪雪。踏み跡の無い急斜面に入ると、腰まで雪に埋もれてしまい、前に進めない。前に進むにはラッセルになってしまう。これではショートカットの意味がない。スノーシューがあれば、楽しく下っていけそうなのだが・・・
すると少し離れた所に、誰かソリで下った後を発見。そういえばさっき、山の中にジェットコースターにでも乗っているような奇声が響いていたのはこれか・・・
さっそくそりの跡をダウンヒル。適度に固められたソリの跡は、楽しいほどにダウンヒル出来る。急斜面を雪を撒き散らしながら、一気に下り降りる。これこそ、雪の下山の楽しみだ。

上林森林公園駐車場

あっというまに上林森林公園まで下ってきた。苦労した登りの半分以下の時間だ。
あれ?雪に埋もれた駐車場に、誰か埋もれているのか?巨大な鼻の穴が・・・(笑)

さて、隋分時間が登りでかかってしまった。ここからはカメラをザックに仕舞って超特急で下山だ。
雪の下りは大得意。走っても雪がクッションのようになり、足のダメージを緩めてくれる。そして何より、足元の石や段差に気をつける心配がない。アイゼンワークでブレーキ加速も慣れれば自由自在だ。
それでは水の元から登山口までタイムトライアルに挑戦!急斜面の雪道を一気に走る降りる。
残念ながら瞽女石から先は雪が融け、石が露出していたのでスピードを下げざるを得なかった。それでも結果は20分で標高差500mを下山。登りが50分かかっているので半分以下だ。
これはなかなかのタイム。一緒に水の元をスタートした車よりも早く駐車場に着いた。大雪で慎重に下らないといけないとはいえ、車よりも早く下山したことには大いに満足。
人間という生き物は、ちょっとした道具があればまだまだいろんな事が出来るものだ。不摂生で大いに鈍り切った体での快挙、ひそかに自分を褒めながら帰路についた。

皿ヶ嶺近くの人気の温泉には宿泊も可能

【道後温泉の宿一覧】

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