面河渓【夏の川遊び・子連れ】

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「面河川」は、西日本一の標高を誇る霊峰「石鎚山」に源を発し、高知県の太平洋へと流れる川である。高知県に入ると「仁淀川」と名前を変える。
この「仁淀川」は、四国を代表する河川である四万十川にも劣らないほどの美しさと、手付かずの自然を残す川である。四国山脈の奥深くに鎮座する霊峰から流れ出す清流だけあって、民家を縫って流れているにも関わらず、その美しさは保たれたままである。青い水が流れる集落では、方々で、地元の子供達や近くの町から来た子供や家族連れが、少し早い水遊びを楽しんでいる。青く澄み通った水は、深い淀みを潜水する子供の姿も水の中に隠したりしない。そんな面河川の車で入れる最上流にあるのが「面河渓」。
面河渓は石鎚山の南麓に深く刻まれた渓谷。渓谷の入口は「石鎚スカイライン」の入口と同じ場所にある。石鎚山の稜線に出る石鎚スカイラインは、この面河渓を見下ろしながら標高をあげていくことになる。石鎚スカイライン入口横の面河渓入口を入り、面河山岳博物館を越えると、トンネルにさしかかる。

四国有数の避暑地、夏も涼しい面河渓

面河渓へのトンネル

面河渓へ向けて連続する素掘りのトンネル。ここを走っていると、まるで別の世界へと誘われる気がする。まるで別世界、秘境への入口だ。

面河渓の橋

素掘りのトンネルを抜けると待ち構えているのが、深い深い谷。足がすくむような高さの谷を細い橋で渡っていく。なかなかスリリングで、冒険心がくすぐられる。

面河渓五色河原

橋を渡り、美しい川の流れを眺めながら進むと、面河渓に到着。ここは面河渓を代表する景色でその入口にあたる「五色河原」だ。

面河渓五色河原

この水の美しさに驚かされる。訪れたのは6月末。四国は異常な渇水にされされていた時期で、水量はとても少なく透明度は悪いほう。それでも宝石のようなエメラルドグリーンの水が流れ、とても美しい水には魅せられてしまう。
面河渓には大きな駐車場が無い。紅葉の時期は車で大混雑する。比較的車を入れやすい駐車場は、この橋を渡って国民宿舎の横を通り過ぎ、行きどまりにある駐車場。車を停めたら、来た道を少し歩いて戻り、美しい河原に戻ろう。

面河渓五色河原の橋

五色河原まで戻ったら、ここから渓谷沿いに進む道がある。
五色河原付近は水深も浅く、絶好の水遊びのポイント。また、切り立った崖に囲まれていて、雄大な渓谷美を楽しめる場所でもある。

面河渓の水

その存在を感じさせない面河川の水。透明度抜群の水が豊富に流れるこの渓谷は、夏でもとても涼しい。水遊びはもちろん、河原の岩の上でくつろいでいるだけでもとても気持ちの良い、最高の避暑地だ。

面河渓水中

その透明に誘われ、耐えられずに我が身をその宝石色の水の中に沈めてみた。身を切るような冷たさが、火照った体にジンジンと伝わる。凛とした冷たい水が、美しい透明な姿を作り出しているのだと実感する。
近年、仁淀川の青さを「仁淀ブルー」と呼ぶようになった。面河川は仁淀川の上流。さらに美しい仁淀ブルーをこえる透明度。「面河エメラルド」とでも称したいくらいだ。

面河渓

面河渓はここから何kmも続いている。この渓谷の奥から石鎚山へ登る道はあるが、渓谷沿いには整備された道はなく、沢登りや道なき道を行く登山のエクスパートたちの世界だ。面河渓の奥には日本百名瀑の「御来光の滝」が鎮座する。御来光の滝は石鎚スカイラインから遠望はできるが、落差100mを越えるその大瀑布の懐には道なき道を進むしかない。御来光の滝の上部は、面河川の源流、すなわち太平洋へと流れる仁淀川の源流がある。

面河渓蓬莱渓

蓬莱渓とそこにかかる橋。面河渓にはキャンプ場や遊歩道があり、アウトドアなどのアクティビティを楽しむこともできる。河原に座って、清々しい水の音と香りを楽しむだけでも、とても気持ちよい。それぞれの方法で、美しい水の流れを楽しむことができる。

【ご注意】
面河渓は自然が豊富で水も多いので、虫にとっても生息しやすい環境です。時期によってはブヨが多いので、虫除けスプレーは持参した方が良いです。また、水遊びの際は、岩も多いのでサンダル等を着用してください。

面河渓

面河渓は西日本最高峰の石鎚山の山麓にある渓谷。標高650mで紅葉の名所。石鎚山に源を発する透明な流れが作り出した美しい自然美を楽しめる。
面河渓の650mという標高は、この暑さから逃れられる高さではない。しかし、車で面河渓に近づくと、突然外気温が下がってくる。窓を開けながら走れば、その気温の変化が面白い程に感じられる。面河渓の国民宿舎の先に20台ほど停められる駐車場がある。お盆直前の日曜日だったが、何とか入る事はできた。

面河渓

面河川の清流。西日本最高峰の峰々から集められた水はとても清らか。面河川は高知県に入ると「仁淀川」へと名前を変え、太平洋へと注がれる。全国でも屈指の透明度を誇る仁淀川だが、この透明な流れを見ると、当然のことだと思えてしまう。今年は猛暑で雨が少なく、例年より水量は少なく水の透明度も少し悪い。それでもこの美しさだ。

透明な面河渓で子連れ川遊び

面河渓亀腹岩

面河渓は9kmほど続く面河川の深い渓谷の総称。散策をすれば美しい河原や小さな滝、深い淵など様々な川の美しさを楽しめる。
今回川遊びをするのは「亀腹岩」という高さ100mの断崖絶壁の真下にあ「五色河原」
駐車場からすぐのところなので、観光で面河渓を訪れた人がくつろぐ最もメインの場所といえる。この亀腹岩の真下は1枚岩になっていて、普通の河原のように大小の岩が転がっておらず、とても歩きやすい。幼稚園児の娘を連れて川遊びをするには、絶好の場所だった。川の中も大きな石がゴツゴツしておらず、砂利のような石の部分が多いので4歳の娘でも安心して水遊びを楽しめる。

亀腹岩

ただし、川の中の白い1枚岩には暑い夏にはコケが生える。とても滑りやすいので、ここには子供を乗せないようにしたい。実際、普段着の小さな女の子やおじいさんがここで滑って川にはまり、散々な目にあっていた。

面河渓

その存在を感じさせないくらいに透明な面河川の水。砂利や小さな石の部分にはコケは生えていないので、滑る事はない。
清流には小さな魚、淀みにはオタマジャクシ。生き物観察もできる、子どもを遊ばせるにはもってこいの川だ。
水は冷たいが、我慢できないほどではない。少し浸かればすぐになれる。泳いだとしても気持ちがいいくらいだ。ただ、以前に訪れた時、泳ぐと体が縮み上がるほど冷たかった事を記憶している。今年は猛暑で川の水温がどこも上がっている。日本最高気温を更新した四万十川はお湯のようにぬるくなっていると聞く。今年の面河川の水温も少し高いようだ。付近はとても涼しく、切り立った断崖が広い日陰を作ってくれるので河原でもとても過ごしやすい。レジャーシートを広げて、のんびりと快適に弁当を楽しむ事が真夏の昼間でも可能だ。

面河渓川遊び

この場所では子どもがいっぱい遊んでいる。浅い場所もあれば、泳げるような深い場所もあり、バラエティに富んでいる。
河原のすぐ上には昭和初期の洋風建築「渓泉亭」と「面河茶屋」という食堂・売店がある。その横には、公衆トイレがある。トイレの前にも10台ほどの駐車場があり、川遊び場の間近に車を停められる。

面河渓水遊び

上流側には面河渓の遊歩道の入口にかかる橋。この付近は深くなっていて、泳ぐことができる。橋の下の早い流れを浮き輪やゴムボートで楽しむ中学生もいた。

面河渓川遊び

面河渓は驚くほどに涼しい。高い山から集められた清涼な水がもたらす涼しさや断崖絶壁が作り出す巨大な日陰のおかげだろう。そしてさらには、断崖絶壁とは逆の山の斜面にも秘密がある。
この斜面の森は大きな岩が積み重なってできていて、岩の間から冷気が流れ出している。洞窟の中が涼しいのと同じ原理で、森の地下で冷やされた空気が谷間に漂っているのだ。公衆トイレに入る時、その後ろの山の斜面からとても冷たい空気があふれ出している事に気付く。まさに天然のクーラーだ。そんな涼しい面河渓でも、透明で冷たい水の中はとても気持ちがいい。水中への誘惑は相当なもの。足だけでなく、どっぷりこの中に潜って遊びたい。

面河渓水中

面河川の中。透明でどこまでも透き通っている。

面河渓水中

深さを増すと、面河川の水にはエメラルドグリーンの輝きが織り込まれる。そして鏡のように映る水面と相重なり、幻想的な光景を作り出している。冷たくて美しい、面河川の中の世界。

面河渓水遊び

今回がはじめて本物の川遊びだった幼稚園児の娘。去年、大山の別所川、松山の杖ノ淵公園で川遊びをしたが、どちらも水遊び用に整備された川。人間の手が入っていない大自然の川はここが初めてだ。
さすがに自分からザブザブと川の中に入っていけなかったが、かなり楽しんでいたようだ。海もいいが、川もワイルドでバラエティに富んだ遊びを楽しめる。また来年もここに訪れて親子で川遊びを楽しみたい。その時には、今度はこの透明な水の中にどっぷりと一緒に潜りたい。
さて、本流の流れを楽しんだら、ちょっと冒険してみよう。
車を停めた駐車場の奥には、チェーンで車両が入れなくされた道が続いている。この道を歩いて進んでみる。

秘境雰囲気満点の面河渓の散策

面河渓散策

切り立った崖の下を進むと、ぽっくりとトンネルが口を開けている。真っ暗な電気も無い素掘りのトンネル。トンネルの奥から風が吹きぬけてくる。

面河渓トンネル

暗く狭いトンネルの奥には眩しい光を放つ出口が。出口の先の世界に不安と期待を抱きながら、眩しい光へと暗闇の中から逃げるように吸い寄せられる。
トンネルの先は、面河川の支流「鉄砲石川」を遡る林道が続いている。この林道沿いには「櫃の底」「紅葉石」といった渓谷美を楽しめる。「鉄砲石川キャンプ場」まで散策してみた。本流と違い、訪れる人はほとんどなく、とても静かな山旅を楽しめる。
「鉄砲石川キャンプ場」は立派な水洗トイレの建物と炊事棟を完備しているキャンプ場。それでいて、サイトは原生林に囲まれたいたって原始の姿に近い。快適にワイルドなキャンプを楽しめるキャンプ場でないかと感じた。キャンプ場の裏には鉄砲石川の清流が流れていて、本流同様気持ちいい水遊びが楽しめる。

面河渓近くの旅館・ホテル

面河渓参考データ

【オススメ時期】 夏・紅葉
【交通】 松山自動車道・松山インターより約1時間半(国道33号線経由)
【近隣観光地】 石鎚山、久万高原ふるさと旅行村
【近隣温泉】 古岩屋荘
【混雑期】 紅葉の休日は五色河原への道は大渋滞
      20~30分程歩く石鎚スカイライン入口の駐車場がオススメ

面河渓散策地図

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