鳴門ウチノ海サイクリング
「ウチノ海」は、徳島県鳴門市にある内海。鳴門の渦潮で有名な鳴門海峡の南側にあり、轟音を立てて海が流れる潮流とひとつ山を隔てた物音ひとつ立たないようなとても静かな海です。ドライブでは鳴門海峡から山を登ってウチノ海を見下ろす鳴門スカイラインが人気ですが、自転車ではウチノ海のほとりを走る長閑なコースがオススメ。まるで池や湖のように見える静かで澄んだウチノ海を走るサイクリングは途中の見どころも多く、鳴門サイクリングの見どころのひとつです。
穏やかでイカダが浮かぶ美しいウチノ海の風景
鳴門の観光といえばやはり鳴門海峡。その鳴門海峡を楽しんだ後、海岸沿いを県道11号線を南下。途中、西側へと山の中に入るとウチノ海の東南部に出ます。ウチノ海沿いでサイクリングができる道があるのは南部のわずかな区間のみですが、鳴門海峡と合わせてサイクリングするにはもってこいのルートです。
四国と陸続きのようですが、鳴門海峡は実は「大毛島」と淡路島の間にあります。大毛島と島田島が四国の沖合で組み合わされるかのように寄り添い、その隙間にウチノ海が広がっています。ウチノ海の対岸には鳴門スカイラインの四方見橋が山上の谷を渡されています。ウチノ海を見下ろしながら、空を飛ぶようなドライブが楽しめますが、自転車ではアップダウンがきつくて本格的なロードバイクでなくては走ることは難しいでしょう。
ウチノ海は瀬戸内海国立公園にも指定されています。とても静かな海域で養殖業もさかんに行われています。海沿いには生カキ直売所もあり、独特な風景を感じられます。ここからは見えませんが、最近SNSなどで人気のハートに見える島、鏡島が浮かぶのもこのウチノ海です。
ウチノ海の独特な風景を織りなす要素のひとつが、海の上に浮かぶたくさんのイカダ。波がほとんど立たないウチノ海はイカダ釣りが盛んです。中にはトイレ完備のものや、イカダの上で釣りをしながらBBQができるものもあり、釣り好きにとっては天国といえます。
豊かな自然を感じられるウチノ海サイクリング
ウチノ海の南側を細い道が山肌を縫うように続いています。見通しが悪く離合も難しい道ですが、交通量は多くなく、サイクリングで景色を眺めながらゆっくり走るにはもってこいの場所です。
時々立ち止まってウチノ海を眺めます。波は穏やかで奥まっているものの、この外側は川のように潮流が流れる鳴門海峡。海水はゆっくりと流れており、海の水は絶えず循環して、澄んだ水を湛えています。
途中、海が狭まった部分に鯔越樋門があります。潮の満干で海水が水門を行ったり来たりしており、まるで川や海のように見えます。しかし潮の香りと、水の中に泳ぐたくさんの魚を見て、ここが海であると強く感じさせられます。
鯔越樋門を過ぎると、山と島が迫るとても入り組んだ海沿いを道が進みます。ウチノ海でもさらに奥まっており、まるで大きな池のように見える内湾。そして道沿いには美しい並木が建ち並ぶとても珍しくも美しい風景です。
走ってきた道を振り返ります。島に囲まれたウチノ海の中でもさらに内側の奥まったエリアは、波が静かでまるで湖や池のよう。海岸線まで迫る緑も強くそう思わせてくれます。
ウチノ海南端には鳴門ウチノ海総合公園があり、美しいウチノ海の風景を眺めながらの芝生広場やアウトドアを楽しめます。また製塩で富をなした福永家住宅などの見どころもあります。最後は自転車で小鳴門大橋で四国本土へ。途中、橋の上から眺める小鳴門海峡はとても美しい風景です。