秩父・武甲山縦走【横瀬駅~浦山口駅】

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日本二百名山のひとつ、埼玉県秩父市にある「武甲山」(1295m)。秩父市の主要産業である石灰・コンクリートの原料、石灰石を産出する山で、山の北側は今もガンガン削り取られています。段々に削り取られた山容がとても荒々しく感じる山です。武甲山は鉱山の山ですが、初心者にも登りやすい山として、人気があります。今回は西武鉄道「横瀬」駅からスタートし、秩父鉄道「浦山口」駅は下山する、電車利用の最もメジャーなコースを登山しました。

武甲山の石灰工業を垣間見るアプローチ

横瀬駅

武甲山登山のスタート地点である西武鉄道池袋線の横瀬駅。巨大ターミナル池袋直通の路線ながら単線という、ローカル色満点の駅です。

武甲山へ向かう道

横瀬駅から武甲山登山口までは一般道を延々と歩きます。2時間近い歩行で、車や鉱山関係のトラックが多く通ります。歩道がある区間も限られているので、気をつけて歩きましょう。行く手で待っている、これから登る武甲山の姿がとても雄大に見えるので、頑張って歩けます。歩くの嫌という方は、タクシーの利用がオススメです。

武甲山石灰工場

延々と続く道歩きですが、山あいに入ると面白くなります。武甲山から採掘した石灰を加工する工場が立ち並んでいるのです。間近に稼働している工場群を眺めることもなかなかありません。工場好きにはここだけで満足できる道歩きです。

武甲山石灰工場沈殿池

道沿いに沈殿池が間近に見れます。石灰を含む水をため、石灰成分を沈殿させて上澄みをきれいな水として処理しているようです。そのほかにも、埃が出る場所に散水したり、ダンプの出入り口に水を撒き、タイヤをきれいにしたり。粉塵がいっぱい出る工場地帯ですが、様々な対策でそんなに埃っぽくはありません。それでも時々、体育倉庫の独特の石灰の臭いがしたり、積み込み時に粉塵が舞い上がったりします。苦手な方はマスクを持参することをオススメします。

武甲山石灰工場

工場の中を一般道が通っています。まるで工場見学をしているようです。もちろん、工場施設への立ち入りは禁止されていて、結構監視の目が光っています。

生川

工場地帯の中を流れる生川。これだけ工場が立ち並んでいるのに、その流れは透明でとてもきれいです。

武甲山石灰工場

煙を上げ、巨大なシャフトが回転している。これだけの大きな工場施設が道端に何の囲いもなくあるのがすごい。登山の前に楽しい社会見学ができてしまいます。ついつい立ち止まって見ていると、行程時間がどんどん延びてしまいます。

工場を抜けると自然の香りあふれるアプローチ

武甲山への道

石灰工場地帯が終了すると道は細くなります。この先は工場はなく、登山口に向かう人と車だけが通行しています。

武甲山への道

道は細くなったり広くなったりしています。万一駐車場が満車の際は、少し戻って広くなった道の路肩に停められそうです。川沿いに進む道はマイナスイオンたっぷりです。

武甲山延命水

途中、道端に「延命水」が湧いています。とても冷たく、喉を潤してくれます。

武甲山登山口

登山口の一の鳥居に到着しました。鳥居の向こうには駐車場があり、約40台が無料で停められます。ここには簡易トイレがあります。山頂まではトイレはありませんので、ここのトイレを利用しましょう。

武甲山登山口

駐車場奥が登山口になっています。ここからしばらくはダートの道を進みます。

素敵なカフェで足止め?武甲山登山口

武甲山ログモグ

途中、最近オープンしたカフェ「ログモグ」というお店があります。田舎暮らしにあこがれる夫婦がここに移住してきてオープンさせたそうです。手作りで改装したお店はとってもウッディ。「鹿肉ケバブ」や「武甲山鹿肉カレー」など、まさに田舎暮らしというようなメニューや武甲山コーヒーというオリジナルコーヒーまで、気になるメニューがいっぱい。残念ながら浦山口駅に縦走するので、営業時間中に立ち寄れないが、ここに戻ってくる人はぜひ美味しい料理やこだわりのコーヒーで登山の疲れを癒してください。

ログモグ

カフェには可愛いヤギが2匹飼われています。親子だそうです。とってもおとなしくて近寄っても全然大丈夫。とても癒されます。ヤギの後ろにはベンツの「ウニモグ」という作業用トラックが置かれています。お店のロゴにもなっている、こだわりのオーナー愛車のようです。
オーナーの好意から登山者にはウォッシュレットつきのが解放されていたり、ウニモグとの記念撮影もさせてもらえたりするようです。すごくいいお店ですね。今度はゆっくりと立ち寄りたいです。

武甲山登山口

登山口付近にはキャンプ場のコテージのような別荘が何棟も立ち並んでいます。登山道の土地も売り出されていて、田舎暮らしを望む人には需要がありそうです。さきほどのウニモグのオーナー夫妻も移住してきたそうですので、もしかしたらどんどん移住者のお店などで賑やかになるかも?

武甲山登山

しばらくはコンクリート舗装の林道を沢沿いに登っていきます。途中に魚の養殖場があったりします。

美しい杉の森を登る武甲山

武甲山登山

林道途中、脇に階段があり、そこから本格的な登山道が始まります。とは言っても、道幅は広く、歩きやすく整備されているので登りやすく危険箇所もほとんどありません。

武甲山不動の滝

少し登山道を登ると「不動の滝」があります。沢水なので大量にゴクゴクできませんが、それでも冷たくて美味しいお水を頂けます。ここでは頂上のトイレ用の水を備え付けのペットボトルに汲んで持って上がるよう、協力が求められています。先ほどの延命水とあわせて序盤で手持ちの水を使うことはあまりありません。体力に余裕があれば、水の汲み上げに協力しましょう。

武甲山丁目石

登山道道中には●●丁目と記された「丁目石」と呼ばれるの石標が設置されています。頂上は51丁目にあたります。今の登り具合をこの石標から知ることができます。

巨木の下で一息入れよう「大杉の広場」

武甲山大杉の広場

途中、杉の巨木が鎮座する「大杉の広場」があります。ちょうど登山口からの中間地点くらいの場所にあるので、休憩するにはもってこいの場所。巨木を取り囲むようにベンチがあるので、神々しい姿を見上げながら休憩するのは素敵な時間です。杉の太い幹に抱きついて、自然の素晴らしさを感じる登山者も多くいます。

武甲山登山

頂上が近づくにつれ、地面は粘土質になっていきます。雨上がりの後は滑らないように注意が必要です。

ゆっくりしたい広い武甲山の頂上

武甲山頂上

頂上手前、御嶽神社の境内に入る手前は広くなだらかな森が広がっています。ランチをとるには最適の場所です。ベンチもありますが登山者が多いとすぐに座れなくなるので、レジャーシートなどを持参することをオススメします。

武甲山頂上トイレ

頂上には立派な水洗トイレがあります。水が付近に少ないことや登山者が多いこともあり、冬場や水不足の際は使用禁止になります。水の運搬に協力されたなら、トイレの上部にあるマンホールの蓋を開けて、水を流し込みます。

武甲山御岳神社

頂上にある「武甲山御嶽神社」多くの登山者が登頂前に参拝しています。境内の奥に頂上があります。

武甲山頂上

頂上は採石場の崖の上にあり、秩父の町並みや風景が一望できます。この日は登山イベントがあり、混みあっていました。

武甲山からの秩父の眺め

見下ろす秩父の街並み。典型的な河岸段丘の姿が印象的で、何度も何度も盆地を流れる荒川が流れを変えて削り取っていったのでしょうね。写真中央下部が芝桜で有名な羊山公園です。つい1週間前まで芝桜まつりで一面ピンク色に色づいていたはずなのに、今はもうその色を見ることはできなくなっています。

武甲山からの秩父の眺め

すぐ、足元には切り立った採石場の崖。はふか真下では重機が動いているのがわかります。本当ならこの先にも山の広がりがあったのでしょう。この先どんどん採掘が進むとどうなるのか、少し気になりました。

武甲山からの秩父の眺め

登山を開始した横瀬駅と三菱マテリアルの工場も見えます。随分と遠く高いところまで登ってきたと実感します。

裏山口駅に向かう静かな縦走路

武甲山縦走路

さて、ここから浦山口駅に向けて下山を開始します。登りとは全く違う山容になります。植林去れた杉林が主だった登りと違い、下り原生林。遠く奥秩父の山々や付近の山の風景を望むことも多くなります。登りとは違い、歩く人は少なく、静かな山旅を楽しめます。

武甲山縦走路

所々、発破時の退避所が残っています。かなり老朽していて退避所の機能としては不十分なこと、案内看板に記された昭和時代のことか、おそらくもうその役目を終えているのでしょう。そもそも、こんな登山道の近くで発破されたら危なっかしくてしょうがない。サイレンが鳴ったら近くで爆破が起こるという仰々しい注意書が、武甲山の歴史を感じさせます。

武甲山縦走路

武甲山から浦山口へ下る山道は、下草に覆われた緑の森の中を通ります。この原生林が本当にとても気持ちがいいのです。思わずそこでキャンプをしたくなるくらいなのです。

武甲山縦走路

しばらくは人口林と原生林に挟まれた稜線を下ります。ここの山歩きもとても気持ちがよいのですが、途中、稜線を外れて一気に山を谷底まで下るようにコースが進路を変えます。

武甲山縦走路

植林された杉林の中を一気に山道は下ります。今まで調子が良かったのに、ここで足がガクガクになります。

武甲山縦走路

杉林の中の急斜面をつづら折りに下ると渓谷にでます。この川沿いに道を進みます。途中、失った橋の場所を仮橋を使って川を渡ります。増水時などは注意です。

下界までは長い林道歩き

武甲山浦山口林道

しばらく山道を進むと、林道の終点に出ます。ここには何台か車が停められるスペースがあるので、ここまで車で入ってきて登山する人もいるようです。

武甲山浦山口林道

ここから浦山口駅まで、川沿いの未舗装の林道を延々と歩きます。ダートとはいえ、引き締まっているので、歩行や車での走行には問題ありません。

武甲山橋立神社

途中、アスファルト鋪装で道路が広くなりますが、すぐにダートに戻ります。山中に、突如として現れる「橋立神社」付近に民家はなく、こんなに山の中に突然神社があるのは不思議です。どうも、遠い時代の日本に迷い込んだかのような気がします。

武甲山浦山口林道

一部舗装箇所があるも浦山口駅までの林道は基本ダート。離合はできるが、時々離合できない幅の道が続く箇所もありますが、交通量はほとんどなしです。

下山前にぜひ立ち寄りたい橋立鍾乳洞

橋立鍾乳洞

アスファルトの道になり、民家が姿を現すと、巨大な崖が見えてきます。ここは「橋立鍾乳洞」があり、カフェや蕎麦茶屋など何軒かいい雰囲気のお店があります。浦山口駅周辺にはお店がないので、打ち上げをするならここがいいでしょう。また、橋立鍾乳洞は竪穴が続く珍しい洞窟なので、余力があれば観光しておきたいスポットです。駅へはここから5分。もう少し道を進み、左手へ分岐する細い車が入れない道を進むと駅前に出てきます。

秩父鉄道浦山口駅

浦山口駅はとってもローカル。ICカードも使えず電車も1時間に1〜2本しかありません。先ほどの橋立鍾乳洞付近で電車が来るまでの時間調整をするのもいいかもしれません。浦山口駅の駅員さんはとても気さくな方で、色々と話してくれたので、ちょっとしたローカルな交流を楽しむのも良いかもしれません。
歩く距離は長く健脚向けですが、比較的初心者でも安心な武甲山。バリエーションに富んだ山旅とローカルさを楽しめる素敵な時間です山旅を楽しめるルートでした。

秩父の観光と宿泊情報

秩父や長瀞には意外にも良質な温泉がたくさん湧いており、温泉を目玉にした宿がとても多くあります。味噌をふんだんに使った素朴ながらも美味しい郷土料理を提供する宿も多くあります。登山の後はゆっくりと秩父で宿泊するのもいいですよ。

【じゃらん】秩父・長瀞の情報

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