桜の多摩湖周遊サイクリング
東京都と埼玉県の境に位置する多摩湖。貯水地として作られた湖ですが、西武遊園地や西武ドームなどのレジャー施設が集まる観光スポットになっています。多摩湖には西東京市から自転車道が続いており、さらにはぐるりと湖を一周できます。特に桜の時期には花見や新緑を一緒に楽しめる気持ちのよいサイクリングが楽しめます。
堤防上広場で多摩湖の風景を堪能
西東京市から多摩湖までは約10.7km。市街地を一直線に通り抜け多摩湖自転車道を駆け抜け多摩湖に到着しました。14インチシングルギア、ルノーの「AL-FDB140 LIGHT8」で走りましたが、多摩湖を周遊する自転車道は激しいアップダウンは少ないので、こんな自転車でも快適です。
東京の水源のひとつである多摩湖。水面に浮かぶレトロな給水塔がとても美しい風景です。ルネッサンス様式の取水塔は日本で一番美しい取水塔と言われています。湖の奥には西武ライオンズの本拠地、西武ドームが見えます。
多摩湖の東側には、湖をせき止める堰堤が続きます。対岸には「西武遊園地」とホテル「菊水亭」が見えています。付近に山や建物ががなく、丘陵地帯に突然現れた巨大な湖はとても美しく、青空に浮かんでいるようにも見えます。
堰堤の下には「狭山公園」が広がります。里山の風景を今に残す広い狭山公園には桜もとても多く、心地よい花見を楽しめるスポットです。
堰堤上は広い通路になっていて対岸まで散策することができます。サイクリングロードはここを通って多摩湖を1周します。湖の風景と丘陵地帯、美しい風景を見ながら走る事ができますが、人が多いので走行には注意しましょう。
堰堤を渡った対岸からの多摩湖の眺め。解放感のある湖とレトロな給水塔の姿が素敵な風景をつくりだしています。サイクリングロードに入ると、多摩湖を一望できる個所はとても少ないので、ここでしっかりと風景を楽しみましょう。
多摩湖一周サイクリング
西東京市から続く多摩湖サイクリングロードは、道なりに進むと時計回りに多摩湖を一周し、最後に堰堤を渡ってゴールします。今回は先に堰堤を渡ってしまったので、反時計回りで多摩湖を周回します。西武レオライナー沿いにサイクリングロードは多摩湖の北側に続きます。きちんと車道と分けられているので、とても安心です。
途中、遠くに見えていた西武ドームのすぐ横を通過します。ちょうど西武ドームの裏側を通るので、とても静かな雰囲気で巨大なドームを見上げることができます。
西武ドームを過ぎるとすぐにサイクリングロードだけ車道と離れ橋の上に上がります。ここは自転車道のコースの中でも数少ない多摩湖の展望スポットのひとつ。ベンチもあるので、少し休憩するのもいいかもしれません。ここまでおおよそ4分の1周くらいでしょうか。
この橋の上からは多摩湖を左右に分ける堰堤の風景を眺めることができます。橋に上がらず、道路を進めばこの堰堤を渡る道路に入ることができます。この道路で堰堤を渡ればショートカットすることができ、半周まで縮めることができます。
橋を渡るとサイクリングロードは多摩湖の奥深くへと入っていきます。それと、同時に鮮やかな寺院が姿を現します。巨大な山門や五重塔が立ち並ぶ「山口観音」です。千手観音を本尊とする神社で、古くからの観音信仰の霊場だそうです。今回はスルーしましたが、次に来るときは参拝してみたいです。
お寺に続いて、湖畔の森の中に静かな神社が姿を現します。「玉湖神社」という名の神社で、「たまのうみじんじゃ」と読みます。とても原始的な厳かな雰囲気を感じますが、実はこの神社は神様不在の空き家だそうです。多摩湖を守る水神を祀ろうと行政がしたそうですが、それは問題じゃないの?ということで神様が祀られていないそうです。さらには東日本大震災の際、社殿が被災し倒壊の危険が出たために取り壊されてしまいました。現在は鳥居の奥に小さな祠だけが建っています。
緑の中を進むサイクリングロードは、森林浴にももってこい。ウォーキングやランニングをする人もとても多いです。歩行者や低速車が多く、細い通路でカーブも多いので、ロードバイクでの高速巡行には向きません。
付近は深い森が広がっていて、新緑の時期はとても気持ちよく感じます。多摩湖とサイクリングロードの間は常に森が隔てているので、自転車道を走りながら多摩湖の姿を見ることはほとんどありません。
多摩湖自転車道と並走する道路が東京都と埼玉県の県境になっています。県境に沿ってサイクリングをしているわけですが、時々埼玉県に入ったり出たりしているようです。東京から埼玉に。自転車でずいぶん遠くまで来た気になります。
途中、サイクリングロードは2車線の道路から離れ、細く交通量の少ない道路を並走するようになります。この道路沿いはとても静かで、さらに深い緑を楽しめます。この道に入ると多摩湖一周は折り返し地点。多摩湖の南岸を東へ向かって走り始めます。
多摩湖を4分の3周回ったころ、自転車道が上下に分岐します。下への分岐は堰堤を渡るショートカットです。西武ドーム過ぎからショートカットをするとここに出てきます。上に進むと「鹿島橋」を渡ります。朱色が眩しい長い鉄橋風の橋で、桜の時期にはとても美しい場所です。
別荘地かと思えるような閑静な住宅地を通り、多摩湖ホテル街という昭和の廃れたラブホテルが立ち並ぶ場所を自転車道は抜け、暫く進むと、多摩湖堰堤公園の入口にに戻ります。これで全長21.9kmの多摩湖自転車道完走です。
車への注意や段差、信号などなくのんびり走ることができる自転車道は20kmを越える走行でも時間はかからず、体力も削られくことなくあっという間でした。できればこのまま多摩湖自転車道の起点である西東京まで自転車で戻りたいですね。帰り道も行きとは違う風景が見えて、気持ちいいですよ。