臼碆 【足摺岬・黒潮本流が陸にぶつかる唯一の場所】

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足摺岬の見所で中心部といえばやはり、足摺岬灯台の付近。アプローチは、「足摺スカイライン」(椿の道)と呼ばれる、山の上を駆けあがる快走2車線の道路だ。地図で見ると、足摺半島の中心を貫く道がそれだ。
他に、足摺岬をぐるりと海沿いに走る県道27号線があるが、所々細い箇所があり足摺岬へ行くにはあまりおすすめされていない。しかし、その道を走ってみると思いがけない美しい風景に出うことがある。足摺岬から時計回りに県道を走ってみた。
足摺の植生は亜熱帯性の独特なもので、スカイラインや県道27号線からは生い茂る木々で眺めはあまり良くない。そのジャングルのような森の中を走るのは、また気持のいいものではあるが。
亜熱帯性の木々に覆われた深い森。ワインディングの細い道を走ると、突然建物とトイレのある10台ほどの駐車場が現れる。ここが「臼碆」(うすばえ)への入口だ。臼碆には遊歩道があるが、全部歩く時間はなかったので、その全貌を一望できる展望台へと向かった。

臼碆

南国のジャングルのような森のなかの道を登ること5分少々。そこには円形の展望台がある。そこに立つと、目に飛び込んでくるのは、とても美しく荒々しい海岸線。ここから東へ5kmはなれた足摺岬までは、とても雄々しい雄大な海と大地の境目が続く。
人気の観光スポットである足摺岬灯台とは違い、訪れる人もとても少なく、静かな場所。この絶景を独り占めだ。

黒潮本流が陸にぶつかる唯一の美しい岬

臼碆

展望台から南の海を眺める。臼碆は足摺半島の西の岬で、黒潮の本流が海岸に直接ぶつかる日本でただ一つの場所だそうだ。海中にある岩礁を中心に大きな渦を巻くことがあり、それが臼で粉をひいているように見えるので、こういった名前がついたそうだ。確かに、岩壁のすぐそばに海の流れを感じる。
写真では見えにくいが、三又に分かれた岩壁の先の付け根に「竜宮神社」がある。豊漁と航海安全の神であり、ここから見ると海に向かって下りた所にある朱色の社はまるで、その名の通り竜宮城を思わせる。竜宮神社までは遊歩道が通じている。

臼碆灯台

展望台から東側を望むと、岩壁の上には臼碆灯台がある。遠くから見ても、あまり大きな灯台ではないのはわかる。しかし、その独特な形や周りの風景からか、この灯台はとても不思議な雰囲気がする。この灯台にも遊歩道が通じている。
時間があれば、黒潮が直接ぶつかって削り取った荒々しい岩の大地。ゆっくりと潮の香りを感じながら、歩いてみたかった。

足摺岬の森

展望台から北側を望む。とても深い、ジャングルのような森が一面、山肌を覆い尽くしているのかわかる。足摺岬の自然の深さを感じられる。
その深い森にぽっかりと空いた穴にあるのが、トイレのある駐車場。その横を走る県道27号線は、終始緑のトンネルに覆われているのがよくわかる。

黒潮が削った荒々しくも美しい足摺の海岸美

臼碆

最後にもう一度、展望台から西側の海岸を眺める。黒潮が直接削り取った岩肌はとても荒々しく、所々に海食洞が発達している。とても変化に富んだ地形で、見ていても楽しくて飽きることはない。

臼碆

岩肌を削り取る荒々しい黒潮は、とても美しいスカイブルーの海。その吸い込まれるような美しさには目を奪われる。
美しい紺碧の海が作り出した、荒々しく雄大な風景。それは自然が作り出した芸術ともいえる、とても素晴らしい光景だった。

足摺岬・土佐清水の宿泊情報

四国最南端、土佐清水・足摺は黒潮が流れる美しく青い海を眺めながらの滞在ができる宿がいっぱい。特に足摺岬付近には温泉を備えた温泉宿やリゾートホテルがいっぱい。土佐清水のサバをはじめとした海の幸もいっぱい。せっかくここまで来たのならば、黒潮を感じる四国最南端の気持ちよい滞在を楽しみたいですね。

臼碆(うすばえ)

住所: 高知県土佐清水市松尾
休み: 対象外
営業時間: 対象外
交通: 土佐くろしお鉄道中村線中村駅から車で約高知西南交通バス足摺岬行きで1時間25分、臼碆下車すぐ 時間20分
駐車場: 有り(10台・無料)
付帯施設: トイレ、自販機

【投稿時最終訪問 2008年5月】

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