西山興隆寺【愛媛県の紅葉の名所】

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愛媛の紅葉の名所のひとつ、西条市の「西山興隆寺」。お遍路の札所ではないが、弘法大師にゆかりのある寺として四国別格二十霊場の第十番札所になっている。
豊かな自然に包まれた歴史のある建物からは威厳のある佇まいを感じることができ、特に11月中旬から12月初旬ころには紅葉が見頃で、多くの人が訪れる。
訪れたのは11月20日。通常なら紅葉が美しく色づく季節だが、この年の紅葉は山は遅かった。
愛媛を代表する紅葉の名所だけあって、ある程度の混雑は覚悟していたが、紅葉を期待する人が少なかったせいか、日曜日にしてはかなり空いていた。ただし、交通整備の警備員がたち、普段は無料の駐車場も300円必要だった。車を降りて警備員に聞くと、まだ紅葉は全然見頃ではないらしい。紅葉の見ごろは例年の最盛期は11月の最終週との事だ。

弘法大師や歴史を感じられる古刹と自然が美しい境内

御由流宣橋

少しある露店をすぎると、「御由流宣橋(みゆるぎ橋)」がある。ここが寺への入口だ。弘法大師が青年の頃に橋のたもとで一句詠んだとの事。橋の裏側に経文が書かれいてるとのことだが、書いたのは弘法大師なのだろうか。そうだとすれば、「十夜ヶ橋」もそうだが、弘法大師はよほど橋の下が好きなようだ。ありがたく心して渡る。

西山興隆寺山門

少し石段を上ると、巨大な山門が待っている。ここをくぐると、長い参道が延々と山の上へと続いている。本当なら、この山門の付近も真っ赤に色づくはずなのだが、まだ青々としている。

西山興隆牛石寺
西山興隆寺千年杉

途中、参道には「牛石」や「千年杉の古株」がある。「牛石」は源頼朝が本堂再建の際、資材を運び続け息絶えた牛を、姿が似たこの石で葬ったもの。「千年杉」は目通り18mの老木が昭和43年に命果てたもの。

西山興隆寺参道

付近の紅葉の色づきはまだまだだ。それでも、標高を上げれば、色づいた個体は増えてくるはず。そう信じて足早に参道を駆け上がる。延々と続く参道はとても雰囲気があり、美しく静かな日本の美を感じさせてくれる。山寺の雰囲気がとても濃い参道は、とても美しい。

西山興隆寺

本堂に到着した。本堂は1375年に建立され、国の重要文化財に指定されている歴史ある建物だ。
山を登ってきた人々が休憩し、そして参拝している。西山興隆寺は四国別格二十霊場のひとつ。これは四国八十八箇所のほかに、弘法大師にゆかりのある20ヶ所を番外の霊場としたもの。お遍路をする途中、この別格霊場まで足を延ばす熱心な信者や歩き遍路さんも多い。弘法大師が入山を経て桓武天皇の勅願寺ともなったという歴史の古い寺は、紅葉見物の人だけでなく、昔から多くの信仰を集めている。

日本の秋の美を感じられる西山興隆寺の紅葉

西山興隆寺三重塔

本堂の上には三重塔が鎮座している。小さいながらも、石段の上にそびえたつ姿は威厳がある。残念ながら、モミジはまだ青々としている。これが真っ赤になっていればさぞかし美しい風景だろう。
せっかくなので、三重塔へと向かう。しかし、この石段の幅がとにかく狭い。昔の人はこんなに足が小さかったのか?とにかくバランスを崩せは、転がりながら下まで落ちて行ってしまう。

西山興隆寺紅葉

今年は紅葉が遅いと読んでいたが、ここまで遅いとは思わなかった。本堂付近のモミジがわずかに色づき始めているくらいだ。三脚を持ってきたのに、結局使いたいと思えるほどの風景はなく、荷物になっただけだった。それでも、色づき始めたモミジは、歴史ある寺を背景に、とても美しく燃え始めている。これぞ日本の美である。

西山興隆寺紅葉

雰囲気良く苔むした石塔は「宝篋印塔」といい、南北朝時代のもので国の重要文化財に指定されている。普通の石塔に見えるが、とても歴史がある。確かにそういわれると、とても威厳に満ちているようにも思える。
ゆっくりと色づいていく風景。少しずつ深まる日本の美。今年の気まぐれな紅葉には泣かされ続きだが、やはり赤く、黄色く色づく季節には毎年心が躍る。

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西山興隆寺

住所: 愛媛県西条市丹原町古田1657
電話: 0898-68-7275
営業時間: 7~17時
交通: 松山自動車道・いよ小松ICより車で約10分
料金: 無料
駐車場: 200台(無料/日曜日は300円)

【投稿時最終訪問 2011年11月】

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