丸亀城【美しい石垣と展望の現存十二天守】
讃岐うどんの激戦区、香川県・丸亀市の頭上にそびえる「丸亀城」。日本でも数えるほどしか残っていない、江戸時代に建てられた天守閣を擁する本物のお城だ。いつも讃岐うどんツアーの途中、腹ごなしに「山」に登るのが恒例になっている。飯野山(讃岐富士)、金比羅山に続いて、今回登る山に選ばれたのがこの「丸亀城」である。
讃岐うどんの聖地に建つ現存十二天守の丸亀城
標高66mの山の上に鎮座する天守閣。それを取り囲むようにそびえる立派な石垣。まるで要塞のような城が丸亀城。江戸時代以前に建築され、今に残る日本で僅か12しか残っていない、「現存天守閣」のひとつを擁する城だ。
丸亀城は「亀山」とむいう標高66mの山を利用して造られている。市街地の中ににポッコリと盛り上がる山を利用して造られた平山城であり、見た目の特徴は同じ四国の現存天守を擁する松山市の松山城によく似ている。
しかし、緑あふれる松山城と違い、この丸亀城はずいぶんと雰囲気が違う。松山城の標高が130mで、この丸亀城の2倍以上ということもあるが、「城」という威圧感が丸亀城の方には感じられる。おそらく、その威圧感を感じさせるのは、城を幾重にも取り囲む石垣だろう。
山がここにあることを感じさせないくらい、ぎっしりと積み上げれたた石垣は壮観。事実、丸亀城天守閣は4重の石垣に守られ、総高60メートルの石垣は日本一の高さを誇る。
美しい石垣が自慢の丸亀城
城への入口は立派な「大手一の門」が出迎えてくれた。
平成の世は来る人を雄大な姿で城内に導いてくれる大手一の門。
しかし、現役時代は、強固な守りでここからの敵の侵入を防いでいたのだ。
巨大な石垣と、鉄の鋲が打ちつけられた門は、とても堅牢な守りである事は、今に生きる人間が見ても明らかだ。
石垣に沿い、天守閣を目指して山を登っていく。傾斜が急なため、時々立ち止まって振り返りたくなることから名付けられた「見返り坂」
その坂を行くと、頭上にはとても美しい石垣の姿が。実は丸亀城、石垣の高さだけではなく、その美しさでも有名。隙間なくびっしりと組まれた石垣。頭上に覆いかぶさるようにそびえたつ22mもの高さ。そしてなにより、扇の勾配を思わせるその美しい曲線は美しさと城造りのレベルの高さを思わせる。
城マニアな人曰く、この美しい曲線は、女性のウエストラインを思わせるのだとか。一般人の僕はそこまでは思わないが、それでも一般人が見てもその曲線は見事と思える美しさだ。
丸亀城からはうどん県や瀬戸内海の風景を一望
月見櫓跡に到着。天守閣まではもう少しだ。
しかし、ここからは見事な眺望が楽しめる。まず、否応なしに目に飛び込んでくるのが、前回の讃岐うどんツアーで登った飯野山(標高421.9m)
「讃岐富士」とも呼ばれる、とても美しい山容。讃岐平野に鎮座する讃岐富士の眺めは、香川県を代表する美しい風景だ。
北側に目を向けると、瀬戸大橋が見える。この日は空気が澄んでおり、岡山側の陸地も見える。橋の向こうに観覧車などが見えるのが、岡山県倉敷市の遊園地「鷲羽山ハイランド」だ。
こうやってみると、岡山と香川、意外に近いように見える。カメラでは1枚に収まりきらないが、まだ瀬戸大橋は写真右側へと、香川側に続いている。香川側には、「ゴールドタワー」という金色に輝く塔が鎮座しているのも見える。
小さいながらも威厳ある丸亀城の現存天守閣
月見櫓からもう少し登り、梅や桜の広場を抜けると天守閣に到着する。さすが1660年築という、歴史ある天守閣。貫禄すら感じられる、とても美しい造りだ。
が、横から見るとよくわかるが・・・小さい!
どこかのテーマパークにあるレプリカのような、小さな天守閣だ。高さは15mしかなく、現存天守閣では最も小さなサイズ。
とはいえ、こんな小さな天守閣で良かったのは、堅牢な石垣に守られているからこそ。天守閣自体に防御機能はそんなに必要なかったのではないかと思ったりもする。
この天守閣には200円で入城は可能。日本に12しかない、当時の天守閣の内部の様子を見れるのはとても良い。そして、この天守閣の上から、讃岐平野と瀬戸内海を見下ろし、当時の殿様の気分に浸るのもよさそうだ。
しかし本日の一行は、歴史よりもうどん。
天守閣に辿りつけたことで満足し、さっそくうどんを求め下界へと下っていく。
当時の殿様も、下界から立ち上るうどん屋の煙には誘惑されていたのだろうかと思いもしながら。
丸亀城
住所: 香川県丸亀市一番丁
電話: 0877-24-8816（市商工観光課）
時間: 天守閣 9:00～16:30
大手一の門 10:00～16:00 城内観光案内所（うちわ工房「竹」）にて受付
休館日: 天守閣 12月25日～12月31日
大手一の門 雨天時
入場料: 天守閣 大人 200円
小人（小・中学生）100円
駐車場: 50台（無料） 丸亀城内資料館南側 9:00～17:00
【投稿時最終訪問 2010年2月】
