羽村取水場と玉川上水【サイクリング】

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「羽村取水堰」は都内を流れる玉川上水を多摩川から取水する堰。玉川上水の歴史は古く、江戸時代初期に大都市となった江戸に飲水をもたらすために造られました。奥多摩の高い山々から集めた澄んだ水が流れる多摩川の美しい風景と、羽村取水堰で分水されて玉川上水を流れる水の美しさは都内とは思えない風景で、都心から玉川上水沿いをサイクリングなどして訪れるとその感動はひとしおです。

サイクリングで訪れる羽村取水堰

羽村取水堰広場

羽村取水堰へのサイクリングはやはり、そこから分水させた水が流れる玉川上水沿いが最高です。玉川上水が暗渠に入る中央自動車道高井戸IC付近から西部鉄道拝島駅までは玉川上水沿いは気持ちの良いサイクリングコース。ロードバイクはもちろん、MTBだと多く残る未舗装道路を走る事もできる、都内とは思えないワイルドな走行を楽しめます。拝島駅からは玉川上水沿いを走る道は途切れ途切れになるので一般道を走り、多摩川土手に出て北上します。

玉川兄弟の像

羽村取水堰には広場があり、東屋とベンチ、トイレがあり、美しい風景を眺めながらゆっくりとできます。広場の一角にあるのは玉川兄弟の像。玉川兄弟は玉川上水の開削の責任者で、難工事を成功に導き、江戸の街に豊かな水をもたらした立役者です。

江戸時代の技術が残る世界的にも珍しい堰

羽村取水堰と多摩川

羽村取水堰では広い多摩川の流れを堰き止めて取水しています。全長が380mにも及ぶ巨大な堰で取水された水は玉川上水へと流れ込みます。多摩川は堰の越水と魚道で再び下流へと流れ続けます。

羽村取水堰

左側はコンクリートでつくられた固定堰ですが、手前の右側は投渡堰と呼ばれる仮設堰となっています。投渡堰は明治44年に改築された歴史あるもので、支柱だけが川底に築かれており、その間を渡した桁に丸太などの木材を設置して堰にしています。増水時は桁を上にあげて木材を流出させることで、洪水や堰の損傷を防げるようにしているそうです。固定堰と仮設堰を組み合わせて運用する堰は世界でも羽村取水堰だけだそうです。さらには江戸時代に使われていた投渡堰の技術を今も継承していると貴重な土木遺跡としても文化的な価値が高いそうです。

羽村取水堰と玉川上水

羽村取水堰の第一済門で堰き止めた水は右側へと続く玉川上水へと引き込まれていきます。

羽村取水堰第一水門

第一水門で取り入れた水は30mほど緩やかに水路を流れます。その途中で余剰な水を堰の下流から多摩川に戻しています。ここから河口までは54km。玉川上水の終点まで43km。二手に分かれた多摩川はそれぞれ残りの長い旅路へと入って行きます。

澄んだ水が流れる美しい玉川上水

玉川上水

玉川上水は江戸時代初期の1653年に完成した水路。ここから東京の中心・四谷まで約43kmを標高差わずか92mで流れます。

玉川上水と羽村取水堰

玉川上水を渡り、奥多摩街道の道路へ出ることもできます。橋から望む玉川上水は水の長い旅が始まるロマンを感じます。

羽村取水堰

多摩川から取り入れられた水は驚くほどの透明度でとてもきれいです。東京都内とは思えないくらい、澄んだ大量の水が流れる風景には驚かされます。

玉川上水取水

東京の郊外とはいえ、車の往来があり、多くの人が生活する町の中にある水源は貴重な風景。

玉川上水

大量の澄んだ水が流れていく眺めは都内とは思えない美しい水辺の風景。飲水を確保するために、何百年にもわたり保護されてきた玉川上水の流域には今もたくさんの緑が残り、閑静な住宅街や里山のようにも思える風景が続いています。奇跡の大都会のオアシス、ゆっくりと散策やサイクリングをしてみるのはとても楽しいです。

羽村取水堰

場所:東京都羽村市羽東3-8-32
電話:0425-54-2052(羽村取水管理事務所)
交通:JR青梅線「羽村」駅 徒歩10分
入場料:無料
駐車場:10台(無料)
見学時間:24時間

【投稿時最終訪問 2020年12月】

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