想夫恋大山店【進撃の日田焼きそば】
「想夫恋」は、大分県日田市に本店がある日田焼きそばの名店。九州のみならず関西・関東にも支店を出店している、進撃中のチェーン店です。しかし、その数ある店舗の中でも異彩を放つ存在——それが日田市の山里に佇む「大山店」。ここはただの焼きそば店ではありません。あの不朽の名作 「進撃の巨人」 の聖地として、数多のファンが“巡礼”に訪れる特別な場所なのです。
聳える山に囲まれた進撃の聖地

想夫恋・大山店の外観。穏やかな田舎の風景の中にぽつりと現れるその佇まいは、チェーン店とは思えないほどのローカル感。しかしその向かいには「道の駅大山」、そして併設の「進撃の巨人ミュージアム」に多くのファンが訪れており、ここがただの山里ではないことを物語ります。
何より、この場所こそが、原作者である 諫山創先生が高校時代にアルバイトをしていたお店。いわばここは、進撃の物語が生まれる前の記憶が宿る場所でもあるのです。

訪れたのは3月。大山町は梅の名産地で、道中や店の周囲には白や淡紅の花が咲き誇り、桃源郷に感じるような光景が沢山あります。そんな穏やかな空気の中でも、開店前にはすでに行列。中には作中のマントを羽織った人もいて、まるで“開門”を待つ調査兵団のような緊張感と期待感も漂います。
諫山先生が働いていた進撃の記憶が宿る店内

店内はどこか懐かしく、ウッディで清潔。テーブル、小上がり、カウンターと席は揃っていますが、開店と同時に一気に満席になります。外を見れば梅の木と道の駅に訪れる車。穏やかな景色と、これから来る日田焼きそばへの高揚が同居する、不思議な時間が流れます。
焼きそばが提供されるまでの時間は約30分(開店時)。順番待ちでの入店であれば15分ほどと比較的スムーズです。

そして店内でひときわ目を引くのが、諫山創 先生のサイン。そこには、リヴァイ 兵長が焼きそばを焼き、サシャ・ブラウス が夢中で頬張る姿が描かれています。
日付は平成26年1月2日。おそらく故郷に正月帰省した先生が残したものでしょう。物語はまだ中盤に入ったばかりの頃でしたが、母親の仇敵との邂逅など、エレン・イェーガー の運命が大きく動き出した頃。既に作品が激しく“進撃”していた時期です。その時代の熱気を、この一枚のサインから感じ取ることができます。
心臓を捧げた進撃の日田焼きそば

主役である「日田やきそば」。鉄板にたっぷりの油を引き、麺の一部がこんがりと焦げるほどに焼き上げるのが最大の特徴です。
一口食べた瞬間、衝撃が走ります。もちもちとした麺の中に潜むパリパリの食感。これはまるで、壁の中の平穏と外の世界の衝撃が同時に押し寄せてくるかのようで、病みつきになります。味付けは意外にも重すぎず、むしろ軽やか。しかし豚の旨味、もやしのシャキシャキ感、キャベツの甘みが絶妙に絡み合い、豊かな風味に気づけば箸が止まりません。
チェーン店でありながら、ひと皿ずつ丁寧に焼き上げるその姿勢は、まさに職人の“信念”。この店が人気なのは、決して聖地だからではなく、その圧倒的な美味しさゆえなのです。

カウンター席に座れば、焼きそばができあがるまでの一部始終を間近で見ることができます。鉄板の上で踊る麺、立ち上る香ばしい香り。その光景は、どこか戦場のようでありながらも温かい。
店主の手際の良さ、配膳をこなすスタッフ、そして少しぎこちなくも懸命に働く若いアルバイト君。おそらく高校生。そこで、ふと、思うのです。かつて、ここで高校時代に働いていた諫山創少年も、こんな風に鉄板の前に立っていたのだろうか、と。
そして今、目の前で働くその少年の姿が若かりし頃の諫山先生のようにも思えました。もしかすると、いつか“世界を震わせる物語”を生み出す存在に彼もなるかもしれない。そんな想いを胸に、彼にエールを送りながら最後の一口を頬張る。これはただの焼きそばではありませんでした。物語が生まれる前のロマンを感じながら驚きのおいしさを感じられる、進撃の味でした。
想夫恋 大山店
住所: 大分県日田市大山町西大山3754
電話: 0973-52-2981
時間: 11:00~15:00
定休日: 水曜日
席数: 28席(4人掛けテーブル6 カウンター席4)
アクセス: 大分自動車道日田ICより約25分
駐車場: 約15台(無料)
メニュー(一例)
並盛 950円
大盛 1200円
特盛 1600円
生卵 100円
マヨネーズ 100円
卵スープ 100円
味噌汁 100円
白ご飯 小150円 中200円 大250円
瓶ビール 600円
ノンアルコールビール 300円
【投稿時最終訪問 2026年3月】



