大山スノーシュー 【5合目から元谷へのダウンヒル】

日本百名山のひとつ、鳥取県・大山。日本海から一気に立ち上がる独立峰のため、冬は厳しい雪風に見舞われる。そのため、標高1729mの標高ながら、すそ野の広大なブナ林から頂上付近の森林限界を越えた岩肌など、アルペンムードに満ちた魅力的な山容が楽しめる。そしてその広い裾野に広がるブナの森は、冬には絶好のスノーシューフィールドになる。

何年もスノーシューで大山に通いつめ、かなりの場所を遊びつめた。今年はもう少しアグレッシブに雪山も楽しみたい。そんな願いをかなえてくれたのが「大山森の国」のガイドのアキタさん。コースのアレンジをお願いしたところ、喜んで快諾。大山の5合目まで登り、そこから元谷に一気に300mをダウンヒルするという、スーパーコースを用意してくれた。

快晴の大山は美しすぎる雪山風景

冬の伯耆富士

スノーシュー当日の大山は奇跡的な快晴。冬は曇り空が多い日本海。さらにその海の近くにそびえるの単独峰の大山は、分厚い雲を常にまとい、その姿を冬に見せる事はほとんどない。それがどうだ。真っ青の空の下に「伯耆富士」の名にふさわしい、美しい山容がはっきりと見える。最高のスノーシュー日和だ。

冬の大山寺参道

大山寺の参道を登っていく。毎年恒例のスタート写真だが、今年は違う。とにかく青空。毎年ここを歩くときは雪が音もなく分厚い雲からちぎれ落ちてくるのに、今日はさんさんと光が降り注ぐ。そして今回は「登山」もする。そのためスノーシューはまだ履かず、ザックに装着した状態で歩を進める。

冬の大山

美しい大山の姿はこの日はよく見える。この場所から雪の大山は何シーズンも通っているが初めて見た。稜線の右端から左へと流れ落ちる尾根に今日登る夏山登山道がある。

雪の大山佐陀川

佐陀川に出た。大山の稜線から水を集めて流れる川は、美しい白銀のヴェールに包まれていた。空から降り注ぐ青い光が真っ白な雪に反射して、嬉しいほどに眩しい。

冬の大山佐陀川

登山届を提出し、佐陀川にかかる大山寺橋を渡る。真っ白な布地をかき分けるように流れる音無き水の流れ。降り注ぐ光にきらめく雪のプリズム。澄んだ空気を運ぶ凍てついた風。開放的な橋の上は、晴れた雪山の美しさを五感で感じられる場所だ。

冬の大山環状道路

大山環状道路を歩いて進む。夏は観光客の車で込み合うこの場所も、今は深い雪に包まれ、装備と腕のあるドライバーしか寄せ付けない道になっている。

夏山登山道で冬の大山の6合目を目指す

冬の大山夏山登山道入口

少し歩くと夏山登山道の入口に到着する。夏山登山道という名前だが、積雪の時期でも大山登頂のメインルートである。ここから登山を開始する。

冬の大山登山

雪をまとった森の中を登っていく。連休の中日ということもあり、先達の登山者によるラッセルは完璧。スノーシューやアイゼンがなくても、とにかくグイグイと登っていける。大山の夏山登山道は、かなりの直登コース。階段の段差が大きく、体力を削られるコースだが、冬場は雪がありそんな段差は感じない。雪があり、ラッセルが完了しているのならば、とにかく登りやすい道だ。

大山霧氷

ひたすらに登り続ける。ブナの原生林は美しい霧氷をまとい、遠くには大山の雪をまとった稜線の一部も姿を現す。美しすぎる風景の連続と歩きやすい雪道に、時間の経過がまったく感じられない。

霧氷と日本海

高度を上げていくと、大山のすそ野と、日本海が眼下にはっきりと見える。これだけ冬場に日本海を遠くまで見渡せるのは、奇跡に近い。

大山の霧氷

青空に眩しい霧氷。宇宙の色が透けたような空に輝く雪の花は、目が覚めるように美しい。

雪の三鈷峰

霧氷の森の向こうには、三鈷峰(1516m)
大山の主稜線のピークのひとつ。標高はさほど高くないが、日本海からそびえる独立峰で、雪や風の影響を大きく受ける。そのため、その姿はまるでアルプスの3000m級の山の姿のように見える。

霧氷と三鈷峰

その美しい姿にはどうしても足が止まる。まるで自分がアルピニストになったような勘違いすらさせてくれる風景。雪の深みがまし、木々の高さが低くなり、空が随分と近づいてきた。

雪の大山五合目

ついに五合目に到着。登山口から約1時間20分で到着。ここから元谷へ下る行者谷の登山道がついているが、敢えてそちらには進まない。オフトレイルで一気に元谷へ下れるポイントまでもう少し夏山登山道を登る事にする。

大山冬山登山

この先は森林限界に近づくので、スノーシューを装着する。低くなり、密度が薄くなった霧氷の森の中、さらに上を目指して登っていく。

冬の美保関

木々の間から下界の素晴らしい眺めが時折目を楽しませてくれる。日本海を右に突き出している半島が「美保関」。左側に海のように見えるのが「中海」だ。これだけ遠くまで景色が望めるのは、何度か夏や秋に大山には登っているが、初めてだ。

大山雪山

一気に視界は開け、目の前に雪に閉ざされた大山の主稜線が姿を現した。中央のピークが大山の最高峰「剣ヶ峰」(1729m)だ。ちょうど森林限界の境界付近に到達した。しかし、この場所の標高はわずかに1300m。いかに大山の冬が厳しいか、この風景が物語っている。北アルプスでも2500m付近まで登らないと、このような風景とは出会えない。この場所からついに、ダウンヒルを決行する事になる。

冬の大山

尾根から元谷を見下ろす。大山主稜線に抱かれるように、大山の懐深くにあるのが今から目指す「元谷」だ。標高差200m以上。夏なら足すら踏み入れられない急な斜面を、今から一気に走って下る。

雪の大山

この素晴らしい風景ともここでお別れだ。ここから一気に谷底に下るので、もうこんなにも近くに大山を感じることはできなくなる。そのため、全員ここで写真を撮ったり、記念写真をしたり。ダウンヒルの準備をしていると、ほかの登山者にどこまで行くのかと聞かれる。「ここから下ります」と言うと、大体驚かれる。
こんな天気のいい日になぜ頂上まで行かないのか。こんな踏み跡もない急斜面をなぜ下り下りるのか。
答えは僕たちは登山ではなく、ハードなスノーシューを望んでいるから。ここから先の登山は森林限界を超え、強風や滑落の危険性が待つ世界。それらに対応する装備は持ち合わせていない。しかし、ここから谷底へ走り下りる装備はしっかりと持っているし、本来の目的はそのスリルを楽しむことである。

ふと見上げると剣ヶ峰の上をヘリコプターが飛んでいる。遭難かと思われたが、ゆっくりと巡回しただけで向こうの方へと飛んで行った。おそらく巡察か何かなのだろうか。
そのヘリコプターが見えなくなり、再び静寂が付近に戻ると、僕たちは荷物を背負い、急斜面の上に立った。

 大山元谷へ標高差300mをスノーシューでダウンヒル!

大山冬山登山

下降地点。森林限界間近の真冬の世界。木々は雪をまとい、凍てつき、雪は遮るものなく降り注ぐ太陽の光に輝いている。日本海側の単独峰の大山としては奇跡に近い冬の快晴。多くの登山者が大山の頂上目指して登っていく。僕たちは頂上を踏まずに、道なき道を下っていくのだがら。

冬の大山山麓

見下ろす大山山麓。真下にある谷間が目指す「元谷」だ。写真中央、空と大地の境には日本海が広がっている。見渡す限りの雪の世界の大パノラマ。夏の登山の時にはこの風景を見たことがあるが、まさか雪に包まれたこの風景を見れるとは思いもしなかった。

大山スノーシュー

「ひゃっほう~!!」「うぉ~っ!!」300m下の谷へと直滑降開始!悲鳴に近い奇声を上げながら、道なき雪の急斜面をスノーシューでダウンヒル開始。ふかふかの粉雪をまき散らし、真っ白な巨大な雪壁を背に、絶景の中に吸い込まれていく。このスピード感とスリルがとにかく病み付きになるほど、たまらない。

大山スノーシュー

スノーシューのダウンヒルは何度もしている。もうメンバー全員お手の物。転倒することなく、一気に標高を下げていく。はるか先、眼下に見える真っ白な谷が、下りきる目標地点の元谷。まだまだ目標地点までは遠い。今回のダウンヒルは最長不倒。下っても下っても、まだまだ下れる。

大山スノーシュー

やがて雪原から森の中へと入っていく。普段は絶対に立ち入れない急斜面の森でも、積雪期にスノーシューを装備すれば、そこは自由自在に歩き回れる場所になる。とはいえ、ここを闇雲に全速力で下れば危険。途中、木に当たらず、埋もれた低木にも接触しないよう、コース取りをしてから一気に下っていく。

雪の大山の森

振り返ると、下ってきた跡がしっかりと雪面に刻まれている。普通なら体ごと雪に埋もれて身動き取れなくなるような場所。しかし、スノーシューを履けば、まるで雪の上を滑り落ちるように、下に下にとどんどん進んでいける。

大山の霧氷

上を見上げると真っ青な青空と美しい霧氷の白。豪雪地帯の日本海のらしく、木々の上には雪が固まりになって乗っかっている。時々、爆弾のように雪の塊が上空から降下してくる。あまり木の幹の近くには近寄らないようにして、進んでいく。

雪の三鈷峰

ダウンヒルする正面には「三鈷峰」(1516m)
標高わずか1500mの山なのに、まるで3000m近いアルプスのような風貌。日本海の厳しい気候と大山の脆い岩盤が、こんなにも低い場所に森林限界をつくりだしている。その堂々たる姿は、何度見ても美しく目を奪われる。

冬のユートピア小屋

三鈷峰から大山主稜線へと続く稜線に、雪で真っ白になった建物が。ユートピア小屋だ。まだ僕は行ったことはないが、きれいな避難小屋らしい。厳しい稜線の凍てつく風に吹きさらされ、建物自体がまるで凍って見える。

雪の大山元谷

どれくらい下っただろう。随分と元谷は近づいてきたが、それでもまだまだ距離はある。実は、ダウンヒル、かなり疲れてきた。いくら下りとはいえ、ふかふかの雪の中を1歩踏み出すにはそれなりに足に負担がかかる。しかも一気に何百メートルも走って下っている。普通に考えたら、しんどくない訳がない。
そんな疲れた僕たちを、元谷は美しくも妖しい真っ白なヴェールを敷き詰めて誘っているかのようだ。

大山スノーシュー

美しい三鈷峰を眺めながら、斜面を下っていく。斜面も緩やかになり、スピードがゆっくりになってくる。このあたりから、落ち着いた雪山の散策といった感じになってくる。

雪の大山

元谷はもう少しだ。斜面は大分緩やかになった。それに元谷にはどこに下りていいわけではなく、元谷小屋のある付近に下る予定だ。そのため、この付近から下降地点へとルートを修正していく。必然的に下りではなく、水平移動に近い動きが求められる。
300mの下りは相当足腰に効いている。新雪に埋もれた足を前に上げるのは、スノーシューを履いていたとしても、とても大変な作業になってきた。

冬の大山

やっと元谷に下降終了。40分もかかった標高差300mのダウンヒル。体は満身創痍だが、とても充実感と爽快感に満たされている。先ほどまでは目線と同じ高さにあった大山の稜線は、今でははるか頭上にそびえている。相当な標高差を一気に下ったことが手に取るようにわかる。

雪の大山のダウンヒル

下りてきた斜面を振り返る。写真の稜線、中央やや右寄り付近から一気にここまで、道なき急斜面、森の中を走り下ってきた。何ともダイナミックなコース。視界がきくこの天気で、ガイドがいたからこそできた大冒険。日本広しとはいえ、この標高差を一気にスノーシューでダウンヒルする人間は、まだまだ少ないだろう。

雪の大山元谷

宇宙まで突き抜けるような青空の中、尾根筋から谷底へ雪の急斜面を一気に下りてきた。真っ白な雪に包まれた元谷はとても美しい場所。毎年ホワイトアウトに近い状態なので、全景を冬場に見たのは初めてだ。

 快晴の元谷で美味しくて美しいスノーランチ!

スノーランチ

毎年、この元谷でランチを楽しむ。いつものランチだが、この青空の下で頂くランチは至極贅沢だ。去年のような、まるで遭難したかのような苦行とは全く違う。
大山稜線からの吹きおろしを防ぐようにターブを張り、雪原のど真ん中に陣取る。ここでストーブに火をつけ、美味しいランチをつくり始める。
真っ白な雪に包まれ、頭上には大山の雪化粧した稜線に取り囲まれている。なんとも贅沢なランチ。この元谷は、大山の稜線からこぼれ落ちる冷気が集まり、気温はとても低い。それでも降り注ぐ太陽の光が温かく、とても気持ちがいい。

豪円山と日本海

大山とは逆方向、北側には日本海が広がる。写真では見えないが、肉眼では微かに海の向こうに浮かぶ隠岐の島影も確認できた。冬場にこれだけ美しい風景が見れるのは、本当に滅多にない。

冬の大山元谷

食事を作る間、見上げる大山稜線。写真中央やや左のピークが大山の最高峰「剣ヶ峰」(1729m)だ。稜線ではは強風に吹かれて真っ白な雪煙が立ち上がる。そして、空を飛んできた冷たい雲は、その刃のような鋭い稜線に切り裂かれ、断末魔を発するかのごとく、その身を身悶えさせているように見える。頭上に聳える稜線はここから約700m頭上にある。厳冬期の単独峰の稜線は、僕たちの想像も絶する厳しい世界ということが、ここから見上げているだけでも十分に感じられる。標高わずかに1700mの大山が見せるアルペン的な風貌は、この厳しい日本海の冬によって磨き上げられたものだろう。

雪の大山北壁パノラマ

元谷から見上げる大山稜線のパノラマ。荒々しい雪の岩肌に囲まれたアルペンムードを満点に感じられる。こんな絶景を見上げながらのランチは格別だ。

スノーランチ

写真を撮り、景色を眺めていると、美味しいランチが出来上がった。雑炊とポトフ。つかっている具材はありきたりなもので、下ごしらえしたものを温めただけ。それでも、アウトドアで食べる温かい料理はとにかく美味しい。特にこの氷点下の場所で食べると、ありえないくらいに美味しさが増す。人間の本能が、寒い場所で猛烈に温かいものを欲しているのだと気づかされる。
ちょうどこのランチができた頃、日が傾き、稜線の向こう側に沈んでしまった。影が落とされた元谷は、太陽の加護を失い、一気に冷え込む。稜線の冷気を運ぶ風はまるで身を切り裂くくらいに冷たさを纏い、容赦なく体温を奪っていく。さっきまでの余裕はなくなり、皆一堂に温かい食事を胃袋にかき込む。そして、急ぎ撤収する。動かなかったら、寒くて寒くてたまらない。

元谷から流れ出す雪の佐陀川の堰堤を飛び降り下る

冬の大山北壁

見上げる剣ヶ峰。元谷は光を失ったが、空はまだ青く輝いている。稜線にぶつかり湧き上がる雲はまるで冷気のようだ。
やがてこの元谷も大山も気温が下がり、すべてを凍てつかせる夜を迎える。今ここで食事を頂いたのは、つかの間の安らぎの時。冬の大山は再び厳しい表情を取り戻そうとしていた。
その大山から逃げるように、それでいて名残惜しみながら元谷を後にした。今からが本来の「元谷コース」のメイン、雪の堰堤の川下りだ。

雪の大山北壁

元谷から振り返る大山。見上げる真っ白な大山に別れを告げ、大山から発する流れを集めた元谷を下り始める。

スノーシュー

元谷をスノーシューでダウンヒルの楽しみといえば、「堰堤ジャンプ」これをするために、数多くあるほかのスノーシューコースには目もくれず、この元谷に毎年通い続けている。堰堤の上、この高さから下に飛び降りるのだ。このスリル、はまると病み付きになって抜け出せない。
高いところからジャンプをしても、ふかふかの雪がクッションになってくれるので、まったく痛くない。しかし、勢いよく行くと、雪の中にズボリと埋まってしまって、抜け出せない。
当然、大山とこの場所を知り尽くしたガイドがいるからこそ、できる遊びだ。

雪の佐陀川スノーシュー

真っ白な雪に覆われているのが堰堤。写真中央に、その堰堤から飛び降りたパーティー5人分の跡がついている。元谷をスノーシューで下る登山者もいるが、さすがにこんな場所を飛び降りるパーティーはいない。そんな登山者が見れば、いったいこれは何だ?こんなところを行くなんてイカれていると思うだろう。でも僕たちは、登山よりこのイカれた遊びが目的でこの場所を楽しんでいる。
が、今回は標高差300mものロングダウンヒルを楽しんだ後。いつもは大はしゃぎの飛び降りも、満腹状態で新鮮味がイマイチだ。何とも今回は贅沢に大山に雪遊びを楽しませてもらえた。

冬の大山北壁

少しずつ谷を下り、大山から遠ざかっていく。元谷のダウンヒルのスタート地点は、この谷と大山の断崖絶壁が交わる場所。そこから雪の川沿いを、時々堰堤を飛び降り、急斜面を走り下りながら下っていく。

冬の元谷スノーシュー

日本海を眼下に、晴れ渡った冬空のもと、元谷を下っていく。一気に急斜面を駆け下り、飛び降りながら。

冬の佐陀川と雪の大山

振り返ると、美しい大山の姿。その大山から流れ出した元谷は、深い雪に包まれている。普段は堰堤と転がる岩肌で立ち入る事もままならない元谷だが、冬のこの時期だけはスノーシューを使い、谷底を歩くことができる。

大山スノーシュー

雪の下を流れる川に気を付けながら、どんどんと標高を下げていく。昨年の台風12号の被害がこの元谷でもあり、大きく削られたり崩れたりして地形が変わってしまっている場所がある。危険なため、谷底まで入り込める場所は例年に比べ少なかった。

雪の大山佐陀川

元谷を流れる佐陀川はその流れを雪に覆い隠されいる。静かな谷底には、その水の流れる音は響かない。それでも雪の下には水は流れ、雪が降り積もる事を拒んでいる。その川が抗った跡。雪の深さがいかほどの物かもうかがい知れる。

雪の賽の河原

元谷下りも終盤。大山は随分と遠のき、木々に覆われた山が谷の上を覆いかぶさるようになってきた。

雪の金門

「金門」にたどりついた。北へ向かって流れていた佐陀川がここで西へと90度向きを変える。そして、その流れはこの金門の狭まった巨大な岩の門を通り抜け、大山のすそ野へと流れていく。
大山から流れ出した水はこの狭き門で集められる。確かに神域には相応しい神秘的な場所。そしてここが、楽しいスノーシューダウンヒルの終着点でもある。

大神山神社の神秘的な雪の参道を通り抜けるとゴール 

雪の大神山神社参道

金門からは大神山神社の参道へと入る。日本一長い、自然石を敷き詰めた参道だが、大雪に覆われその美しい姿は全く別のものになっている。灯篭の上に積もった雪で、その積雪のすごさがわかる。

雪の大神山神社鳥居

大神山神社の鳥居をくぐり、俗世へと戻ってきた。俗世とはいえ、その積雪量からスノーシューはまだ外せない。人ひとり歩くのがやっとの踏み跡しか、俗世の参道にも残されていない。

冬の大山寺参道

旅館街まで戻ってきた。なんとか車1台通れるだけの除雪はされている。大山6合目付近からのオフトレイルのダウンヒル、フィナーレを迎えてくれたのは、美しい日本海の遠望だった。

冬の大山

最後に振り返る大山。雲一つない青空に真っ白な雪化粧をしたその姿は雄大でとても美しい。大山を登る尾根の森林限界付近まで登り、そこから左側の谷へ急斜面を駆け下り、谷底をここまで下ってきた。自らが歩いたルートをそう大山の姿になぞってみる。すごい冒険だったなぁと思う。そしてこれ以上ない快晴と雪のコンディション。大山の極みをひとつ、知ってしまった満足感で満ちあふれていく。

雪の大山森の国

大山の駐車場まで戻ると、森の国の送迎車が待ってくれていた。雪道を快適に下り、大山森の国まで帰ってきた。アスレチック場は冬場はソリなど雪遊びをいっぱいに楽しめるウインターランドになっている。子供連れで遊びに来る家族も冬でもとても多い。
今回のスノーシューは最高級に面白かった。天気に恵まれた事もあったが、無理を聞いて長大な雪のオフトレイルを案内してくれたガイドのアキタさんには感謝だ。

大山の観光と宿泊情報

大山の宿泊の選択肢はいろいろあります。
まず、大山山麓にはリゾートホテルやペンションが多くあります。 森の香りを感じる大自然の中でゆっくりと滞在できます。
また、車で20分走った場所にある「皆生温泉」は海沿いに旅館が建ち並ぶ山陰屈指の温泉地。 美味しい海鮮はもちろん、海を眺めながら入れる温泉が自慢の宿がずらりと並んでいます。フィールド近くの森の中か、海の近くの温泉か好きな場所に泊れるのも大山付近の魅力です。

■ 皆生温泉・大山のホテル・宿一覧

大山森の国

住所: 鳥取県西伯郡大山町赤松634
電話: 0859-53-8036
休業日: 水曜日(夏休み期間は無休、12月中期休業あり)
営業時間: 9:00~17:30
スノーシュー期間: 1月初旬~3月初旬
料金: ガイド料6500円(スノーシューレンタル代別)
交通: 米子自動車道・米子ICより車で約15分
駐車場: 500台(無料)

【投稿時最終訪問 2018年1月】

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