余部鉄橋空の駅とあまるべクリスタルタワー

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日本海沿いを走るJR山陰本線。海に山がせり出す最後の難所を越えるために明治45年に完成した余部鉄橋。平成22年に2代目となるコンクリート造りの余部橋梁に付け替えられました。初代の余部鉄橋はその一部を空の駅のとして残し、観光施設として活用されていました。平成29年には、今まで登り坂で上がっていた空の駅に人をエレベーターで運ぶあまるべクリスタルタワーが完成し、見所のある観光施設になりました。

はるか頭上を渡る巨大な余部橋梁

余部橋梁

余部鉄橋はとても高い場所を渡る鉄橋として有名です。その名前が全国に知られたのは残念ながら、30年ほど前の鉄道事故でした。突風に煽られた電車が鉄橋の真下にある工場に転落して多くの犠牲者が出る大惨事がありました。

余部橋梁

新しいコンクリートの橋梁の下に、かつて電車をこの谷に渡していた頑丈な鉄の橋梁の一部が保存されています。

かつての余部鉄橋の橋脚も、撤去されずに一部が残っています。現在の立派で丈夫な橋脚と比べると、古い鉄橋のそれはやはり心もとない感じがします。

あまるべクリスタルタワーで鉄橋の上へ

余部鉄橋公園

余部鉄橋の下には広い芝生広場があります。地元の方の憩いの場にもなっていました。

あまるべクリスタルタワー

新しい橋の完成にあわせて撤去された余部鉄橋ですが、西側の付け根の一分がそのままの形で残っています。そしてその鉄橋の上に登るために「あまるべクリスタルタワー」という施設がオープンしました

あまるべクリスタルタワー

かつて空に鉄骨が持ち上げていた線路が頭上に残っています。まるで銀河鉄道のレールの先端に、近未来的なクリスタルの塔が寄り添って、人々を夢のレールに連れていってくれます。ここは過去、現在、未来が交錯する夢の駅なのかも知れません。なお、あまるべクリスタルタワーはLED照明で夜間はライトアップされます。季節によってライトアップされる色が違うので、夜にこの付近を通るときはぜひ立ち寄りたいですね。

余部鉄橋空の駅

シースルーのエレベーターで余部鉄橋の上へと登ります。エレベーターが登るにつれ、付近の家々と日本海が、眼下に広がって行きます。

かつての余部鉄橋の上にできた「空の駅」

余部鉄橋空の駅

「空の駅」は、一部残した古い余部鉄橋を整備して作られた空中の遊歩道になっています。高い場所によくあるガラス床もバッチリあります。が、高いところが大好きな人にはもっとオススメのポイントも。

余部鉄橋空の駅

深い谷の向こうにぽっかり開いたトンネルを目指して渡るかつての鉄橋は、この先から完全に撤去されました。かつての鉄橋があったであろうラインを緩やかに右から回り込んでトンネルに吸い込まれていく新しい余部鉄橋。大きな鉄橋の付け替えという事業の痕跡をここでは見ることもできます。

余部鉄橋空の駅

かつての鉄橋は線路を残しながら、歩きやすい通路として整備されていますかつてはこの幅しかない鉄橋の上を電車が走っていました。

余部鉄橋空の駅

かつて電車が走っていた鉄橋の上に、海を眺めながらくつろげるベンチがあります。しかしこのベンチ、実は座るにはなかなかの勇気がいります。

余部鉄橋空の駅

ベンチの足元はメッシュになっていて、はるか40メートル下がスケスケになっています。半端なガラス床よりもこちらの方が高度感があります。かつての余部鉄橋は線路の脇はこのように風の影響を受けないように全て網になっていました。

余部

余部鉄橋付近の海岸は、山陰海岸ジオパークと呼ばれる切り立った崖が続く地形。こんな複雑な地形の中に鉄道を通すと、海沿いと言えどもどうしても山の中腹をトンネルでくぐり、深い谷を鉄橋で渡る必要が出てくるのでしょう。

空の駅に隣接する本物のJR餘部駅

餘部駅

空の駅を先に進むと本当の駅に出ます。JR山陰本線の餘部駅です。改札などはなく、そのまま駅に入れますが、ここから先は本物の鉄道が走る施設。節度のある行動を心がけましょう。

余部鉄橋空の駅

餘部駅の先には新しくなったコンクリート造りの余部鉄橋が続いています。厳重な仕切りに隔てられて、かつての鉄骨造りの余部鉄橋が、人の遊歩道として続いています。

餘部駅

JR餘部駅は青い日本海を見下ろせる絶景の駅。柵の向こうの線路はかつての線路で、今は観光客が歩くことができます。ホームにもかつての余部鉄橋の鉄骨の一部が、飾り気なく展示保管されています。

餘部駅

駅には昔ながらのブロック壁の待合室があります。掲示板などレトロなつくりになっていますが、案内のモニターや分別ゴミ箱など現代の装備もしっかりと整って使いやすくなっています。

餘部駅

空の駅の賑わいとは別に、すぐ横の餘部駅は静か。ローカル線の雰囲気を色濃く醸し出しています。

旅情風景を堪能できる余部鉄橋空の駅

余部鉄橋空の駅

駅の横には海に向かうように町へ降りる道があります。あまるべクリスタルタワーのエレベーターができるまでは、この坂道で駅まで登っていました。空の駅もエレベーターができるまではこの坂道を登っていたので、気軽に観光できる施設になりました。

余部鉄橋空の駅

旧余部鉄橋に続いた線路がそのまま残されており、歩くことができます。ちょっとしたインスタスポットです。ここなら安全かつ合法に線路の上を歩く写真が撮れます。

余部鉄橋空の駅

先ほど歩いていた線路がそのまま空の駅の遊歩道の中に引き込まれて行きます。餘部駅は谷合の町よりはるかに高い場所にあります。観光施設のあまるべクリスタルタワーのエレベーターは、地元住民の駅への足としても活躍しているのです。

余部橋梁

新しい余部鉄橋の上を電車が通りすぎて行きました。頑丈な橋脚に支えられた橋の上の通過は、やはり見ていて安定感があります。

余部鉄橋の下には日本海の美しい風景も

余部の河口

余部鉄橋の下を流れる川の河口がすぐそばにあります。波が穏やかな時なら河口や川辺で遊ぶこともできるので、小さな子供連れでも楽しめる場所です。

余部の日本海

香住の観光・宿泊情報

香住には、冬のカニを中心とした日本海で揚がる新鮮な海鮮を堪能させてくれる宿がたくさんあります。多くの宿には温泉もあり、滞在にはもってこいのエリア。夏には海水浴の宿としても大いに人気です。

季節外れの北風で日本海は荒波をたてていました。海沿いの道に打ち付けられる白波は日本海の冬の厳しさを思わせます。
美しい日本海の風景の中、鉄道が空を走るように通り過ぎるあまるべ空の駅。是非とも立ち寄りたい、山陰地方の見ごたえのある観光スポットです。

【じゃらん】香住の温泉・海鮮自慢の宿

余部鉄橋空の駅

住所: 兵庫県美方郡香美町香住区余部
電話: 0796-36-3355 (道の駅あまるべ)
時間: 9:00〜20:30(悪天候時の閉鎖あり)
休み: 無休
料金: 無料
交通: 山陰近畿自動車道・余部IC下車1分
   JR山陰本線・余部駅下車すぐ
駐車場:約40台 (道の駅あまるべ、付近の駐車スペース利用)

【投稿時最終訪問 2018年5月】

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