尾瀬温泉小屋【温泉と湿原展望テラスカフェ】

最終更新日

Comments: 0

夏が来れば思い出す♪で有名な尾瀬。しかし夏が来る前に思い出す尾瀬は満開の水芭蕉。6月初旬は水芭蕉の見頃を狙う登山者で多くある尾瀬の山小屋もいっぱいになります。そんな数ある尾瀬の山小屋の中でも温泉に浸かることができる数少ない山小屋のひとつで、静かな滞在が楽しめると人気の「温泉小屋」に宿泊しました。

尾瀬の大自然に包まれた温泉小屋

温泉小屋

燧ヶ岳を背にした尾瀬湿原の北端に建つ温泉小屋は、尾瀬ヶ原の北の玄関口、赤田代に建っています。福島側の尾瀬の入口御池からの入山なら最寄りの山小屋のひとつとなり、燧ヶ岳登山はもちろん、百名瀑のひとつ「三条ノ滝」へのトレッキングの基地にもなります。なお、温泉小屋には御池より最短距離を歩いても、3時間の山歩きになります。尾瀬にたどり着くには登山をする必要があるのです。

温泉小屋

湿原を海で例えると内湾といった場所に温泉小屋は建っています。他の山小屋とくらべて密集しておらず、少し離れたところに元湯山荘があるだけで、とても静かです。温泉小屋には本館と別館の2つの建物があります。

山小屋としては格別のサービスの温泉小屋

温泉小屋

携帯の電波およびフリーはWi-Fiがありますが、本館の玄関付近しかはいらないのです。とはいえ、歩いてしかこれない山の奥でネットワークに繋がれるのはありがたいことです。しかも繋がりたい時だけ繋がり、くつろいでいるときはきっちり圏外でデジタルデトックスもバッチリです。

温泉小屋

午前中に温泉小屋に到着しました。チェックインは新しい建物である本館で行います。午前中はチェックインができませんが、荷物は小屋の所定の場所に置いて出掛けてもかまわないとのことでした。

温泉小屋

散策用のサブザックの無料貸し出しのサービスがあります。荷物を置いてからの尾瀬散策や、百名瀑のひとつ三条の滝へのトレッキングが楽しめます。

温泉小屋

小屋の前には湿原が目の前に広がります。尾瀬で燧ヶ岳と並ぶ名峰・至仏山も望むことができます。

温泉小屋

別館のロビー。土間で登山靴を脱ぎ、靴棚に名札をつけて保管します。風通しのいい靴棚なので、翌朝までの乾燥環境も十分です。

温泉小屋

階段の踊り場には「ヤマケイ」などの山岳雑誌や山の本がいっぱい。万が一悪天候で小屋から出れなくても、ゆっくりと過ごすことができます。

温泉小屋

ロビーにはテーブルとソファーがあり、お茶も自由に飲めるようになっています。仲間同士や出会った登山者同士、歓談をして寛げる憩いの場所です。

温泉小屋客室

今回宿泊したのは別館の5人部屋(8畳)です。尾瀬の山小屋は北アルプス等の山小屋と違い、完全予約制。ドミトリーもありますが、一部屋をグループだけで使えます。かなり旅館に近いものがあり、山小屋としてはずば抜けて快適。部屋は広いですがやはりそこは山小屋です。テレビは勿論、ポットなどのアメニティは一切なし。扉にも鍵はかかりません。隣の声は筒抜けです。逆に山小屋らしく、ハンガーやロープをかけるフックが充実しています。

温泉小屋客室

布団敷きはセルフです。布団はけっこうきれいで、毛布もあります。宿泊には新品のタオルとクリーニング済みののシーツカバーがアメニティとして支給されます。これだけでも山小屋としては特級のサービスです。布団上げは不要で、朝食時にスタッフがきちんと片付けてくれるので、部屋の片隅に取りまとめておくだけで大丈夫です。スマホやデジカメの充電で気になるコンセントは一つあります。布団に隠れていますが、ここにコンセントありと親切に張り紙があります。山小屋では限られた自家発電で個人装備への充電は不可能なことが多いですが、豊富な発電量をもつ温泉小屋は、各部屋1つとはいえ充電が可能です。多人数パーティーで宿泊するときは充電が間に合わないかもしれないので、モバイルバッテリーもあったほうがよいでしょう。

温泉小屋洗面所

1階と2階に洗面所があります。昔ながらの設備でお湯も出ませんが、山小屋でこれだけの数の蛇口を使えるのはとっても便利。トイレは1階のみですが徹底的にリフォームされています。ウォッシュレットは勿論、自動洗浄の小便器まで設置。トイレットペーパーも便器に流しても構わないのです。臭いもなくとにかく快適です。

尾瀬ヶ原で浸かる温泉は最高

温泉小屋脱衣所

お風呂が殆どの山小屋にあるのが尾瀬の特徴。とはいえ、尾瀬の山小屋のお風呂では環境保護のため、シャンプーや、石鹸の利用は禁止されています。それでも山の中で汗をながして湯に浸かれるのはありがたい限りです。脱衣場はロッカーはなく、脱衣籠だけでシンプルですが、清潔で嫌な感じはありません。

温泉小屋温泉

温泉小屋の名前の通り、なんと温泉に浸かることができます。尾瀬の山小屋で温泉に入れるのはここ温泉小屋とお隣の元湯山荘だけです。敷地内からは鉄分を含んだ赤っぽい23℃の硫酸塩泉が沸いています。湯船も比較的広く、6人程度ならゆったりと浸かれます。湯は少し赤い色をしており、鉄分が多く含まれています。鉄っぽいにおいが強いですが、皮膚病や切り傷、火傷などにも効能があります。

温泉小屋お風呂

湯は鉄分のにおいがかなりあります。そのまま上がると匂いが残るので、最後に1箇所だけあるシャワーで勿体ないですが温泉成分を流します。勿論においが気にならなければその限りではありません。入浴時間は通常14~19時半です(夕食時間中の入浴はできません)

尾瀬ヶ原一望のテラスでオシャレにお酒やカフェ

温泉小屋テラス

温泉小屋の醍醐味は温泉だけではありません。小屋の前、湿原を眺めながらゆっくりとくつろげるお洒落なウッドデッキも温泉小屋の自慢です。

温泉小屋デッキ

ウッドデッキはカフェになっており、座席の利用にはカフェメニューの注文が必須です。山小屋価格で下界の約2倍の価格ですが、お酒が充実しているのは嬉しい限りです。・ホットコーヒー400円・紅茶500円・生ビール800円・ボトルワイン2500~3000円・カクテル700円・ピザ(20センチ)800円・パンケーキ600円

温泉小屋テラス

日没後に灯されるランタンがテーブルに置かれています。尾瀬の大自然の中、お洒落な空間に心地よいソファーと美味しいお酒。まさに天国ともいえるロケーションは最高の贅沢です。

温泉小屋ビール

山歩きの後に温泉に浸かり、湯上がりに湿原を眺めながらお洒落なソファーで頂く冷えた生ビール。これは極楽です!

温泉小屋テラス

もっとお洒落感を味わうなら、ボトルワインも。人数分のグラスも貸してくれるので、ビールで温泉あがりの喉を潤した後、お洒落にグラスを傾けるのも最高です。

温泉小屋の夕食と朝食はボリューム満点

温泉小屋食堂

夕食、朝食は別館1階の食堂でいただきます。壁一面の窓から広がる尾瀬の風景が最高です。

温泉小屋食堂

尾瀬ヶ原の絶景を眺めながらの夕食は、かなりの贅沢。尾瀬に来て良かった~と思える瞬間で、食事も美味しく頂けます。

温泉小屋夕食

夕食は17時から。缶ビールや缶酎ハイの自販機もあるので、登山と温泉の後の食事をさらに美味しく楽しめます。夕食はローストビーフに天ぷら、サーモンマリネなど品目も多く山小屋の食事とは思えないほど豪勢。ご飯もおかわりできるので、たっぷり運動したあとにがっつり頂けます。

温泉小屋朝食

朝食は朝6時から。焼き鮭にハム、ひじきに玉子焼きと朝からもたくさんの品目で、たっぷりの栄養とパワーが補充できます。燧岳登山など、日の出前に出発するなら、朝食をお弁当に変更できます。
尾瀬の静な山小屋で、気持ちよい温泉と最高の贅沢空間で飲むお酒。大人の理想の休日がぎゅっと詰まった登山を楽しませてくれる山小屋です。

尾瀬温泉小屋

住所: 福島県南会津郡檜枝岐村燧ヶ岳
電話:080-6601-3394
イン: 13:30 アウト: 8:00
営業: 春・夏期5月末~8月末、秋期9月中~10月末
駐車場: 約1200台、御池・七入駐車場利用
(宿泊者は無料、チェックイン時に精算コイン受け取り)
交通: 御池駐車場より徒歩約3時間
アメニティ: タオル、シーツ(レンタル)
温泉: 内湯1
泉質: 硫酸塩泉
客室: 27室

【投稿時最終訪問 2018年6月】

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください