三分一湧水【イワナの棲む澄んだ湧き水】
八ヶ岳山麓にこんこんと湧き出る「三分一湧水」(さんぶいちゆうすい)は日本名水百選に指定されている、八ケ岳南麓湧水群の一つ。
戦国時代、下流にある3つの村では、この湧水をめぐっての水争いが絶えなかったという。そこで、見かねた武田信玄が湧水口に三角の石柱を置き、平等に水を配分した。そのことからこの名が付けられた。1日に8500トンもの清水が湧き出ているおり、水温は年間を通じて約10℃。現在は農業用水として利用されている。
美しい小川を作り出す三分一湧水
駐車場に車を置き、木道を歩いていく。途中、3つに分岐したひとつの水路と出くわす。美しく澄んだ水が、春が訪れ始めた信州の森の中を流れていく。
新緑の中を駆け抜ける、清らかな流れ。春の小川はさらさらいくよ。無意識に口ずさんでしまいたくなるような、景色だった。
ここが「三分一湧水」と呼ばれるいわれになった場所。やや上流の泉から清流が湧き出し、この場所まで導かれる。そして、三角形に切り取られた岩が見事に水を3等分して、三方向に水を向かわせている。分かれた水は森の中を一筋の流れとなって、見えなくなるまで流れている。
イワナが泳ぐ三分一湧水の透明な水中
泉から水が分かれるところまでの水路の水中。地下から湧き出したばかりの水はとても透明。はるか先まで見渡せそうな透明度だ。
そして、泉からの水が分岐場所の池に落ち込むところ。なんと、水の上からみて気付かなかったが、こんなところにイワナが生息している。
水が分岐して、流れ出すところ。段差があり、水が流れ落ちているところを内側から見ている。とても不思議な景色だ。
水を三分する、三角形の岩の近く。なんと、イワナは2匹いた。
透明な水のため、池のすみずみまで見渡せる。全ての物をどこまでも優しく包む、澄んだ水の織り成す、美しい景色。小さな池なのに、とても広い世界に見える。
しかし、水はとても冷たい。手をつけていると痛いくらいだ。そんなところでも、命はたくましく生きていた。
三分一湧水近くの高原リゾートホテル
三分一湧水
場所:山梨県北杜市長坂町小荒間292-1
電話:0551-32-0058
交通:中央道長坂ICより約20分
JR甲斐小泉駅から徒歩5分
駐車場:約50台
料金:無料
近隣観光地:清里、八ヶ岳リゾートアウトレットモール