三平山スノーシュー【岡山県蒜山】

最終更新日

Comments: 0

現在人気上昇中のウインタースポーツ「スノーシュー」。特別な技術が無くても、だれでもスノーシューを装着する事で雪の世界の中を気軽に散策できます。スキーやスノボと違い、普段の登山靴でOK。夏場は入れない森の中も、雪に覆われた時期は自由自在にスノーシューがあれば歩き回り、走り下れるのです。
そんなスノーシューを使って、気軽に登れて絶景が楽しめると人気の山が、岡山県と鳥取県の県境にある三平山(みひらやま・標高1010m)なのです。高速道路のインターから約10分で登山口に到着できる気軽さもあり、冬山登山をする方も多く、携帯電話の電波もバッチリ。しかも頂上からは360度の大パノラマで、名峰「大山」と「蒜山」が一堂に望める絶景も楽しめます。

高速インターやコンビニも近い便利な三平山登山口

三平山登山口

三平山の冬山登山の出発点は、蒜山ICより国道482号線を西に登った内海峠から南に下る道を入ったところにあります。三平山キャンプ場に向かう林道の分岐付近の路肩が広くなっており、縦列駐車で10台ほどは駐車可能。冬場はここを通過する車も少ないので、出発前の装備準備もゆっくりとできます。ただし、トイレや売店は一切ないので、インターを降りる前の蒜山高原サービスエリアやインター降り口にあるローソンなどで買い出しやトイレは済ませておきましょう。

三平山登山口

冬は県境登山道で直登がメインルート

車を停めた場所から伸びていく真っ白な雪道。本来ならこの下はアスファルト舗装の林道があります。無雪期はこの先を車で進むと約10台ほど駐車ができるスペースがあり、その場所からの登山が三平山のメインの登山ルートがあります。
冬の時期はたっぷりの雪が積もっていて、車ではとても進入できませんので、車でのアプローチはここまでです。
この林道の先にある三平山のメインの登山道は、つづら折りの道で穏やかで、非常に歩きやすく整備された道です。しかし、雪道の林道の歩行は長い距離になるため体力を奪われ、つづら折りの登りは雪に覆われてルートがわからなくなるようで、メイン登山道を選ぶ人は少ないようです。 この林道の脇の森の中ににある、尾根道を直登する「県境登山道」を今回は登ります。最短距離で頂上を目指せ、雪に覆われているので夏場に比べてとても歩きやすくなっており、このルートを選ぶ登山者も比較的冬は多くなります。

三平山登山口

県境登山道の入口は、林道の脇にある簡素な看板のみ。雪がさらに多いと完全に埋もれてしまいすが、よく見れば森の中の雪の上に先客の踏み跡がついているはずです。雪に覆われた森はスノーシューがあればどこからでも入れますので、ふかふかの雪の森の中に飛び込みましょう。

三平山

まずは雪に覆われた密度の濃い広葉樹の森を登ってきます。雪が深くてもスノーシューがあれば足は雪に埋もれず、雪の斜面をどんどん進めます。岩場や足元が狭い場所がある雪山はスノーシューは使えませんが、なだらかな森と草原を登る三平山はスノーシューが大活躍です。
尾根伝いに登る県境登山道ですが、はじめの斜面は広くどこが尾根筋かはわかりません。踏み跡を目印に登っていきましょう。三平山は独立峰なので、上へ上へ目指せば必ず頂上に着きます。雪の森はよほどの急斜面でなければスノーシューがあれば立ち入れますので、踏み跡を外して登っていくのも面白いです。

三平山

斜面を登るにつれ、少しずつ森の密度が薄まり、青い空が頭上に広がっています。夏場なら藪に覆われた地面は登山道以外歩けませんが、雪に覆われた森はスノーシューがあればどこでも歩けます。思いのままに、青空を目指して雪の斜面を登りましょう。

冬の大山

森が途切れ途切れになってくると、振り返ると大山の姿が一望できるようになります。大山は「伯耆富士」の名を持つ標高1729mの独立峰で、山陰地方唯一の日本百名山。三平山のある南側から望むと、烏ヶ山(1448m)に続く荒々しい稜線が続くアルペン的なもうひとつの大山の風貌が楽しめます。荒々しい岩壁の下には深い谷が刻まれた広大な裾野の高原の風景も広がります。空気が澄んだ冬は、遠くの山々の重なりまで一望できる絶景なのです。

山の中に残る旧日本軍の遺構

三平山土塁

急斜面の森を登りきると、突然目の前が開けます。今までどこが尾根かわかりにくかったですが、左右がすっぱり切れ落ちた尾根が頂上まで続いています。尾根筋には木々がなく、ここからは雪原のスノーハイク。
ここには足元に雪に埋もれかけた「土塁」という案内看板があります。土塁は明治31年につくられた総延長56kmの大掛かりなもので、蒜山高原が陸軍の軍馬育成場と接収された際、放牧時の軍馬が外に出ないようにつくられたものだそうです。 とはいえ、雪に覆われた今、この足元にどのような構造物があるのかはうかがい知れません。なお、夏山のメインルートはこの土看板ので県境登山道と合流します。

三平山土塁

先ほどまでの木々が密集した森の急斜面とは違い、開けた雪原をゆっくりと昇っていきます。振り返ると大山や蒜山の美しい姿が応援してくれているようにも見えます。

登るとともに開けていく絶景

三平山

青空を目指してどんどん真っ白な雪の上を登っていきます。

三平山

東側には蒜山高原と中国山地を一望する絶景がひろがります。
土塁の看板付近から東側の斜面を見下すと、真っ白でさらさらのバージンスノーの斜面が気持ちよく広がります。この下に林道があり夏山の三平山のメインの登山道が続いているはずですが踏み跡が見当たりません。どうやらここ数日間はこのルートを使った登山者はいないようです。よく見れば、雪崩の跡も見ます。ルートがわかりにくく、雪崩の危険個所を通らないといけないので、初心者や初めて登る方は、踏み跡があり、雪崩の危険個所がない県境登山道でのアプローチが一番です。

三平山

天気が良ければ、登るにつれて大山の左側に日本海と美保関が見えてきます。真っ白な雪化粧の大山と、真っ青な青い海の組み合わせはとにかく美しい風景。山陰地方では冬場の晴天率は極端に低いですが、雪山と海を一緒に眺められる絶景はぜひ眺めたいですね。

三平山

何度も何度も大山と蒜山の風景を振り返りながら、雪原を進みます。
ほぼ毎年、大山でスノーシューを楽しんでいますが、冬にここまで晴れる事はなかなかありません。
ちなみに大山よりも蒜山の方が晴天率は高いので、大山は見えなくても蒜山方面は見える事はよくあるようです。

三平山

頂上に近づくにつれ、尾根は稜線へと姿を変えていきます。とくにすっぱり切り落ちている東側斜面には小さな雪庇ができています。
この付近では特に大きな危険はありませんが、アルペン的な雪山登山の雰囲気を多少ですが味わえたりもします。

三平山

誰も歩いていない真っ新な雪に覆われた東側斜面はとても美しい風景。所々に動物の足跡のみが残っていて、どんな生き物が通っていったのか思いを巡らせてしまいます。

三平山頂上は360°の絶景天国

三平山頂上

ついに三平山頂上に到着。
標高1010mの三平山の頂上は360度さえぎるものもなく最高の展望。
山頂は広く平なので、風が無ければここで是非ともランチを楽しみたいですね。

冬の大山

頂上から望む大山と烏ヶ山。
荒々しい岩肌に深い谷。そしてその隙間にきっちりと押し込まれたかのような人の営みの跡。厳しくも雄大な大山の大自然を見下ろせる絶好の展望が、三平山の頂上からは楽しめます。

三平山山頂

蒜山(1202m)とその山麓に広がる蒜山高原や遠く中国山地の山々も 三平山から一望できます。
蒜山高原は岡山県を代表する山岳リゾート地で、スキー場や飲食施設が多くあります。付近では名物のジャージー牛乳を使った美味しい乳製品や、「B-1グランプリ」で優勝した「ひるぜん焼きそば」なども楽しめます。スノーシューの帰りのお土産や食事、宿泊などにぜひ立ち寄りたい場所です。

三平山山頂

頂上から南に向けて美しい雪の稜線が続いています。
この先には「穴ヶ乢(たわ)」に向かう登山道があり、穴ヶ乢からは夏山登山道の起点である林道に降りる事も出来ます。雪山スキルがあれば、ここから雪の世界を縦走して、穴ヶ乢から下山するルートも選べそうですね。

大山蒜山パノラマ

三平山頂上からのパノラマ。
大山、烏ヶ山から蒜山へ続く山々のつながり。その下に広がる美しい高原。そして頂上から稜線でつながった美しい雪山から日本海までも見渡せる360度パノラマの大展望。バラエティに富んだ美しい風景は、いつまで眺めていても飽きる事はありません。

スノーシューなら下山は超特急

三平山スノーシュー

さて、下りはスノーシューを履いていると一気に降りれます。雪がクッションになってくれるので、土塁の看板までは斜面を楽しく走り下りる事もスノーシューなら可能です。
その先の急斜面の森はさすがに走り下りる事は難しいですが、ゆっくり歩けば無理なく林の中を降りれます。場所によってはシリセードで一気に滑り降りる事も楽しめます。
三平山登山の積雪期のコースタイムは登りは1時間30分。下りは45分。スノーシューで走ればたったの30分(笑)
行程時間は3時間から4時間あれば大丈夫です。日帰りスノーシューや到着日にも手軽にスノーシューが楽しめる三平山。とってもオススメの山です。

三平山の観光と宿泊情報

蒜山には高原リゾートのプチホテルや公共の宿、ペンションが多くあります。
また、高速道路で少し走ると、ダムの下の露天風呂「砂湯」で有名な湯原温泉もあります。
ゆっくりと滞在するにはもってこいのエリアです。

【じゃらん】蒜山・湯原のホテル・旅館

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください