出口池【忍野八海唯一離れた静かな池】

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富士山麓の湧水がいくつも湧き出す池が集まる忍野八海。富士山をバックに美しい水辺の藁葺きの家や水車小山が建ち並ぶ日本の美を象徴するような景色で、とても多くの観光客が訪れます。
そんな忍野八海の中でも、一つだけ離れた場所にあり、訪れる観光客も少ない静かな池が「出口池」です。

忍野八海の喧騒から離れた静かな出口池

出口池

売店が立ち並び、観光バスが何台も乗り付ける忍野八海から出口池までは約1km離れています。8つある忍野八海の池のうち、唯一離れているため、訪れる観光客はとても少ない静かな池です。忍野八海から出口池までは歩いて約15分。雑木林が点在する長閑な農村風景の中の散策を楽しめます

出口池

かつて忍野八海は江戸時代に富士講の禊の池とされており、出口池は八海めぐりの第一霊場として信仰の対象でした。そのため、清浄な霊水として昔から大切にされていました。他の7つの池が北斗七星を表し、少し離れた出口池がその脇にある北極星を表しているそうです。この出口池も世界遺産に認定されています。

出口池

出口池は忍野八海の中でも最も面積の広い池。水深は最大50cmという浅い池で、池の底まで見えるとても透き通った水で満たされています。

忍野八海出口池

秋に訪れれば、池の周りの紅葉が水面に映り、とても美しい風景となります。出口池の半分は手つかずの自然となっており、深い山の中の池のような幻想的な風景を楽しむことができます。

かつては信仰の場だった神秘的な出口池

出口稲荷大明神

出口池の半分は山と林に囲まれており、池のほとりに出口稲荷大明神があります。まるで池の主が鎮座しているかのような神秘的な神社です。

出口稲荷大明神

出口稲荷大明神の祠。赤鳥居がいくつも重なった社殿は、付近の手つかずの森に包まれてとても厳かに見えます。出口稲荷大明神の祭神は難陀竜王。神仏習合時代の富士講の神だそうで、江戸時代の富士山信仰が今もここにひっそりと息づいています。

池の底から湧水が湧く清らかな出口池

出口池水汲場

出口池脇の道路からは、池のほとりに下りていく場所もあります。そこには生活用水汲場との案内があります。信仰の池とともに、付近の住民の生活用水としても使用されていたようです。今も付近の方に利用されていそうです。

出口池の湧水

生活用水汲場から見ると、池の底から水が湧き出している様子がよくわかります。流入する川がないのに、ゆらゆらと水草が揺れています。池の中の溶岩塊の下から富士山の湧水が大量に湧き出しています。出口池の湧水量は約16㎥/分。年間を通じて水温は12.5°Cに保たれた凄烈な湧水です。

出口池の流れ出し

出口池から小さな川が流れ出しています。この先で忍野八海からの水と合流して、やがて相模川となる桂川に流入します。富士山の湧水が大量に流れ込んだ桂川はとても美しい流れなので、付近を散策するなら是非この流れを追ってみてください。

出口池駐車場

出口池にも駐車場があります。付近には売店などはなく、紅葉シーズンだというのに、訪れる人もほとんどおらず、とても静かな場所です。
車でも訪問できますが、時間があればのんびり付近の風景を楽しみながらの散策も楽しみたいですね。また、山中湖をサイクリングしているのならば、この機会に是非立ち寄りたいスポットです。

出口池

場所: 山梨県南都留郡忍野村忍草3483-2
交通: 東富士五湖道路・山中湖ICより車で約6分
駐車場: 約10台(1回300円)

【投稿時最終訪問 2019年11月】

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