3月、雪の美瑛の丘巡り
夏は色鮮やかなパッチワークのような丘が広がる人気の北海道の観光スポットである美瑛の丘。冬は雪に道に道を閉ざされて、丘巡りをすることは困難になりますが、3月になると雪融けが始まり、丘にも少ない雪道運転でたどり着けます。比較的雪道の少なかったJR線の西側の人気の木めぐりを終え、今度は東側の丘巡りに向かいます。
雪の美瑛の丘ドライブ
一面銀世界の冬の美瑛の丘は幻想的。ただたでさえ広大な美瑛の大地は一面の雪に覆われて距離感を感じない風景になります。どこまでも続く美瑛の丘を、車で駆けるのはとても気持ちいいです。
生活に必要な道路は除雪されています。3月になれば道路の雪も溶け、普通に運転ができるようになります。ただし、道幅は狭まり、両脇に除雪した雪が積んでいるので、すれ違いには注意です。
人気の木に続く道はしっかり除雪されていますが、何ヵ所かある「●●の丘」というスポットのほとんどは冬は除雪されていません。丘に行こうと思えば、雪道の運転が待っています。
雪の丘を巡るドライブは快適。一面の銀世界の中を走り抜けていく運転は爽快です。ですが、この時期ツルツルのアイスバーンもいっぱいです。ゆっくりと走りましょう。
三愛の丘
まず訪れたのは「三愛の丘」。夏には美しい畑が広がる三愛の丘も、冬は深い雪に閉ざされた銀世界。三愛の丘に続く道は除雪されていますが、三愛の丘自体の除雪はほとんどされていません。どこが三愛の丘か、わからないくらいです。
三愛の丘からの風景は、美瑛の丘を見渡す絶景。パッチワークを織りなす一面の畑は一色の白銀に塗りつぶされ、どこまでも続いていきます。三愛の丘の駐車場は、申し訳ない程度にしか除雪されておらず、当然トイレなども雪に埋もれていて使えません。冬の美瑛の丘や木めぐりではトイレがほとんど使えませんので、付近のコンビニや道の駅に計画的に立ち寄りましょう。
新栄の丘
つづいて訪れたのは「新栄の丘」。ここは丘の中では比較的除雪されていますが、それでも駐車場はまだ雪がたっぷり。風景を見るためには、普段は広場や遊歩道になっているであろう雪の上を歩いて展望台に近づきます。途中、柔らかい雪を踏み抜いてずっぽりと足が雪に埋まってしまうなどもあります。それでも、展望台からの風景は美しく、感動すること間違いなしです。
牧場も冬の雪にすっぽりと埋もれてしまっています。牛が乗り越えられない高さの柵を埋める雪の深さがどれだけ深いかよくわかります。雪がいろいろな凹凸をその下に隠し、一面の平らな風景にしてずっと地平線の向こうまで続いているように見せてくれます。
広大な銀世界を背に立つ白樺の一本木。冬の美瑛が見せてくれる神秘的な雪景色にうっとりです。
真っ白な白銀の丘を貫く道。丘の上に立つ木立。そして一軒家。北海道の広大な冬の風景が大パノラマで目の前に広がります。
新栄の丘からは美瑛の人気スポットのひとつ、赤い屋根の家が見下ろせます。幾重にも重なる雪の丘のなかにぽつんと立つ真っ赤な家はこれぞ北海道と言うべき風景。新栄の丘をあとにして、この風景の間近に向かいます。
赤い屋根の家
次に訪れた場所は、先ほど新栄の丘から見下ろした「赤い屋根の家」。丘の上に立つ北海道らしい一軒家の風景がとても美しい場所です。当然赤い屋根の家は私有地になります。家の付近も畑になります。この中に立入るのは絶対禁止です。
夏はじゃがいも畑が広がる赤い屋根の家の畑も、冬は一面の雪の丘。その上にたつ一本木は、美瑛を象徴するような風景。この木には名前はつけられていませんが、僕的には大好きな木。無名でも自分の好きな木、好きな風景を見つけることが美瑛の楽しみのひとつです。
現実とは思えない、美しい冬の美瑛の風景。一面の銀の丘に孤立する木々と赤い屋根の家。雲から切り離されたように青い空を舞う真っ白な雲。人の営みと自然が織りなす美しい風景にはただ感動するばかりでした。
赤い屋根の家は観光スポットではなくあくまで美しい風景のひとつ。付近には駐車場はなく、冬場は申し訳ない程度に除雪されたスペースに数台車が停められるのみです。この風景に立ち入る事は即私有地への不法侵入になるので、配慮を願います。
次は美瑛から南下し、少しだけ富良野エリアに入ります。美瑛、富良野は国道以外にも複雑に道が入り組んでおり、広くて走りやすい道も多くあります。除雪が進んでいる道も多くありますので、ゆっくりと美しい白銀の風景を探しに走ってみたいですね。途中、美しい雪原と雲に隠れてはいますが、十勝岳連峰が見渡せる場所を見つけて、うっとりします。
ジェットコースターの路
富良野エリアで訪れたのは「かみふらの八景」のひとつ「ジェットコースターの路」。ここはジェットコースターの最上部。今からこの風景に向かって、ジェットコースターのような道を下りおります。快走の前に、ジェットコースターの路の最上部からの富良野の丘の風景を堪能しましょう。この日は雲に隠れてしまっていますが、目の前には真っ白になった雄大な十勝岳連峰が望めるビュースポットでもあります。
最上部から見下ろすジェットコースターの路はまさに絶景。激しくアップダウンを繰り返しながら、丘の上から一直線に下っていく道は、北海道でも随一の道路風景。延々2.5kmも続く直線道路は、地平線のかなたまで続いているかのような旅の道。冬でもしっかり除雪されているところが嬉しいですね。
深山峠
最後に訪れた場所は国道237号線、富良野と美瑛の境に位置する「深山峠」です。深山峠の展望台からは、花の丘と十勝岳連峰を見渡せると人気の展望スポット。冬は花畑の代わりに一面の銀世界が丘を彩っています。夏場はドライブインとして賑わいを見せますが、冬は残念ながら休業中です。ここで一息を入れたら少し早めに帰路につきます。
札幌に戻るならば、富良野を南下して国道452号線で三笠に抜ける方が早道ですが、この時期日中でも凍結しています。旭川まで戻り、高速道路か国道12号線で路面凍結が始まる日没までにレンタカーを返却しましょう。
美瑛・富良野の宿泊情報
美瑛と隣接する富良野にはプチホテル・ペンションをはじめリゾートホテルが多くあります。 美しい丘をはじめとする北海道らしい風景の中にあり、美瑛や富良野の特産物を使った美味しい食事が自慢のホテルも多数。
このエリアには見どころが多いので、ぜひ宿泊してゆっくり美しい風景を満喫したいですね。