御城番屋敷【松阪人気観光スポット・住める武家長屋】

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松阪牛で有名な三重県松阪市。近江商人や伊勢商人を城下町に住まわせ、商業都市として栄え、江戸時代後期には徳川御三家のひとつ紀州藩の領地となりました。統治のための城代が置かれたのは松阪城。現在は石垣を残すのみですが、その石垣は高く立派。さらに松阪城の守りを固めるために作られた、警護のための侍が住んだ「御城番屋敷」(ごじょうばんやしき)が今も残っています。実はこの築150年の御城番屋敷、なんと今も賃貸で住むことができ、日本でも相当に古い「会社」でもあるのです。

美しい石畳と武家長屋の風景

御城番屋敷

松阪城の南側、石垣すぐ前に、見事な石畳と生垣の道が現れます。訪れたのは早朝。観光客はおらず、歴史と風情を感じる道の景色を満喫・・・と思っていると、道の途中からおばあちゃんが出てきて道を掃除したり、おじさんが鞄を持って出かけたり。少し不思議な光景です。

御城番屋敷

石畳の両脇を固める立派な生垣には、等間隔で切れ目があります。実はここは住居への入口。この石畳の道は、御城番屋敷の通路だったのです。この武家長屋は大政奉還の5年前、松阪城ののために紀州藩から移された家臣のために建てたれたもの。150年以上経つ今でも、4件の当時からの子孫が住んでおり、現存する19戸中12戸が借家として貸し出され、一般人が賃貸で住んでいるのです。

御城番屋敷

松阪城の石垣より見下ろす御城番屋敷。すぐに登城できるよう、城からすぐの場所にある特等地。見た目は古い長屋ですが、付近の建物と比べると、その大きさがわかります。長屋というよりも、巨大な屋敷。当時の超高級マンションと同じ格だったことでしょう。

武家長屋の一軒は見学が可能

御城番屋敷

一番城に近い一角が、観光および用に公開されており、時間内なら内部を見学することができます。建物は重要文化財に指定されています。

御城番屋敷

生垣に囲まれた和風の庭が見事。見えにくいように、縁側の一番奥には図太い鉄柱が入れられ耐震補強されています。

御城番屋敷の庭

和の趣満点のエントランスとプライベートガーデンは上手く生垣に囲まれていて、道や、隣戸と隣接しているのにプライバシーはかなり確保されています。

武家長屋に住む管理人さんが語る歴史と生活

御城番屋敷

建物の内部には広い土間と高い天井。まさに江戸時代当時のままの姿が残っています。建物の前後には庭があり、風が通り抜ける気持ちの良い和の空間。夏はとっても涼しそうです。公開住宅内には管理人さんがおり、色々な話をしてくれます。この管理人さん、実は代々この御番城屋敷に住む方で、夫の祖父が生後3ヶ月のときに和歌山から篭に乗って来て、ここに移り住んだなど、とても興味深い話を伺えます。

御城番屋敷の部屋

中は広い和室が4つあり、とても広い空間になっています。近隣には見学できる昔の屋敷がいくつかありますが、おおよそ決まってこの間取りになっています。当時からと思われる建具が使われており、歴史をとても感じます。しっかりと管理されていて、生け花や代々伝わると思われる家具などもさりげなく配置されていて、誰かが住んでいてもおかしくない空間です。

御城番屋敷の部屋

高い天井、開放的でつながった空間のために内部はかなり広く感じます。広さもざっと100平米はありそうで、マンションならば最高級グレード区画の広さ。前にも後ろにも庭がある平屋ので生活空間は相当に快適です。

御城番屋敷の部屋

紀伊藩から移り住んだ組屋敷に住む武士たちは、移住間もなく明治維新を迎え、武士として身の身分の喪失の憂き目にあいます。この御城番屋敷やその他資産を守り、後世に伝えていくためにここに住む士族が明治11年に「苗秀社」という会社を設立しました。苗秀社は現在も合資会社として存続し、付近の土地や駐車場200台分程度の賃貸。そしてこの御城番屋敷の賃貸管理業務を行っており、事務所が公開区画に置かれています。士族直系の子孫が社員のとして大切な資産を守りながら生活の糧を得ており、先祖の志を今も引き継ぐとても珍しい会社なのです。

御城番屋敷

子孫の方が提供された当時の武士の着物。資料館ならガラスケースに入っているような貴重な当時の着物に触れらるのはなかなかない体験です。思った以上に生地の肌触りよく、しっかりと縫われています。

御城番屋敷

苗秀社が設立に関わる誓約状が飾られています。血判連名の誓約書は、苗秀社の理念そのものでしょう。達筆すぎて読めませんが・・・一般企業で言う、創業者の理念なのでしょうが、相当な重みと歴史を感じます。

御城番屋敷

歴史ある日本家屋に居るととにかく落ち着きます。特に縁側からの眺めが計算されていてとても風情があります。付近の電柱などは埋められており、屋外の道からも見えず、庭と向かいの組屋敷の屋根だけが見え、それ以外のものは何もありません。まさに江戸時代そのままの風景が楽しめます。

垣間見る武家長屋での賃貸住まい

御城番屋敷裏庭

裏庭も広く、生垣の後ろには居住者用の専用駐車場があるので、現代生活においても相当に便利。かつては奥の森まで敷地があり、御城番屋敷専用の畑になっていたそうです。

御城番屋敷厠

当時のお手洗いはこのような純和風でした。なお、賃貸の区画はウォッシュレットにリフォームされており、快適な水回りになっているそうです。

土壁やむき出しの天井、太い梁など、当時のままに保存あるいは復元された建物内部は見応え十分。居るだけでとても落ち着く場所です。ゆっくりしていると、隣の家屋から掃除機をかける音が聞こえてきます。こんな時代を超えた場所での日常生活って素敵ですね。
なお、時々入居者の退去で賃貸の募集はあるそうです。前回は半年前に空きが出ましたが、早々に借り手がついたそうです。当時の姿のままの組屋敷に住めるのは日本でもここだけだそうです。御番城屋敷は広さ91平米、家賃10万円、駐車場5000円。お風呂や洗面所、トイレやキッチンなどの水回りは全て新しい設備にリフォームされています。観光はもちろん、立派な日本家屋でのお住まいを夢見る方には最高の物件ですね。

松阪の観光と宿泊情報

松阪牛で有名な松阪市ですが、本居宣長などの有名人を輩出し、伊勢参りに向かう人々でにぎわった歴史ある商人の町でもあり、市内には立派な屋敷が多く残っています。JRと近鉄電車が乗り入れる松阪駅から多くの場所が徒歩で観光が可能なことも松阪観光のメリットです。駅周辺にはシティホテルも多数あり、観光の拠点となっています。

じゃらんで予約できる松阪の宿一覧

御番城屋敷

住所: 松阪市殿町1385
電話: 0598-26-5174
料金: 無料
休み: 月曜日(祝日の場合翌日)・年末年始休
営業時間: 10:00~16:00
交通: JR・近鉄松阪駅より徒歩15分
駐車場:なし

【投稿時最終訪問 2017年10月】


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