綱敷天満宮【神戸の学問の神様・梅と受験】

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「綱敷天満宮」は菅原道真公を祀る全国に多くある天満宮の二十五霊社のひとつで、神戸市の学問の神様。須磨の天神さまとして信仰を集めています。春先には境内一面に梅が花を咲かせ、合格祈願や学業成就を祈願する人で賑わいます。神社の由来は、大宰府左遷される際、ここ須磨浦に立ち寄った菅原道真公が漁師のつくった大綱の円座に座って休憩された言い伝えによります。

様々な縁起物がずらりとならぶ須磨の天神さま

綱敷天満宮

とても色彩鮮やかな本殿。何か板を持った菅原道真公の銅像が目につきます。よくその板の形を見れば、サーフボード。綱敷天満宮の前にある須磨海岸は関西随一のビーチ。マリンスポーツも多く楽しめるリゾート地にちなみ、時勢の波に乗り夢が叶うことをサーフボードを持つ菅原道真公に祈願します。

サーフボードと菅原道真

サーフボードを持った菅原道真公の波乗り祈願像付近にも様々な祈願スポットがあります。道真公の前を横切る波模様があしらわれた石畳の「波乗り坂」。ここを歩くと人生の波にうまく乗ることが出来るようにるとか。道真公の後ろには、かつて大宰府に送られる際にここで休んだとされる漁網の円座を模した「綱敷の円座」。足元には願い玉を入れて祈りをこめる「おもうつぼ」。写真にはありませんが、本殿の左側には鮮やかな紫色で、願いをかなえる「なすの腰かけ」があります。梅のシーズンは受験シーズン。牛の銅像には現代の勉学に励む受験生を応援する必勝ハチマキも巻かれていました。

綱敷天満宮の牛

境内には大小大きな牛の像が鎮座しています。菅原道真は丑年生まれで、大宰府への左遷時に牛が泣いて見送った、牛車に乗っていた、牛が刺客から護ったなど、牛にまつわる言い伝えが多いことに由縁するそうです。

綱敷天満宮の三重塔

本殿の前には色鮮やかな三重塔がそびえ立ちます。が、本殿と比べると遠近に違和感が。これは鎮座1000年記念に建てられた中に入れない大きなモニュメントです。それでも立派でついつい本物と思ってしまうくらいの美しさです。

受験生を奮い立たせる美しい梅の花

梅が咲く綱敷天満宮

鳥居から本殿に向かう参道には「茅の輪くぐり」があります。茅の輪をくぐると心身の穢れを取り除き、清く明るい心に立ち返ることができるそうです。参拝前に穏やかな気持ちになりましょう。

梅の綱敷天満宮

菅原道真が詠んだ「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花・・・」の有名な句があるため、天満宮と言えばやはり梅。境内には多くの梅が植えられており、梅の咲く季節は神社の朱色と相まってとても美しい日本の風景になります。梅が花をつけるシーズンは受験の真っ最中。受験生は初詣で祈願していますが、多くの親御さんと思われる方が梅を愛でながらわが子に桜が咲くように最後のお参りしていました。

梅咲く須磨の天神様

梅の花と三重塔。本物の塔ではないとは言え、日本の美を感じさせてくれます。

綱敷天満宮の梅

境内一面に咲き誇る梅の花。まだ遠くも春がこちらに向かってやって来るような、そんな気がする景色。寒々しい冬に鮮やかな色が輝きます。

梅と菅公母子像

梅に包まれる菅公母子像 。その胸には赤子の菅原道真公が抱かれています。心穏やかになる情景です。

梅と菅原道真公像

咲き誇る梅の花を眺めるのは、5歳の菅原道真公の像。5才の時に庭に咲く紅梅を見て『美しや紅の色なる梅の花あこが顔にもつけたくぞある』と歌い、その才能の片鱗を惜しげもなく見せたと言われています。

歴史と自然と多くの人々の信仰を集める天満宮

広瀬滓平奉納灯籠

住友グループ初代総理人である広瀬滓平が奉納した灯籠が境内にありました。江戸時代末期に生まれ、明治時代に愛媛県の別子銅山を一気に近代化させて住友グループの礎を作った人物です。別子銅山愛好家の私にとってはこんなところに氏が奉納した灯籠があったのには驚きでした。網敷天満宮の目の前に広がる須磨海浜公園には、宰平氏の後の時代に住友家須磨別邸が建設されています。灯籠を奉納した時にはすでに、住友家の迎賓館にふさわしい場所として目星をつけていたのかもしれません。事実、この近くには、かつて風光明媚な須磨灘の光景に惹かれた外国人が多くの洋館を建てたジェームス山があり、国際色豊かなエリアでした。

綱敷天満宮末社

本殿の東隣には末社の「厄神社」があります。さらに境内の外、細い道を挟んだ場所には「諏訪神社」「稲荷社」「白蛇社」も鎮座しています。

綱敷天満宮 (須磨の天神さま)

場所: 兵庫県神戸市須磨区天神町2-1-11
電話: 078-734-0640
営業時間: 9:00~17:00
休業日: 無休
料金: 無料
交通: JR神戸線「須磨駅」から徒歩8分
山陽電鉄「須磨寺駅」から徒歩3分
阪神高速「若宮IC」より約3分
駐車場: 20台(無料)

【投稿時最終訪問 2024年2月】

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