木の香温泉【登山に便利な道の駅併設温泉】

笹ヶ峰、伊予富士。西日本最高峰の石鎚山に連なり、四国の尾根を形成する標高2000mに迫る二百名山や三百名山。愛媛と高知の県境となる山のため、両県どちら側からも登ることができる。そんな高知県の登山アクセス口となる国道194号線、新寒風山トンネルのすぐ近くに気持ちよい温泉がある。登山の疲れを癒すのはもちろん、道の駅や宿もあるので登山の基地としてだけでなく、旅の立ち寄りスポットとしても魅力的な温泉が「木の香温泉」だ。

道の駅に併設された登山にも便利な温泉

「木の香温泉」は高知県の山深くにあるが、近年できた「新寒風山トンネル」のおかけで、愛媛県の高速インターチェンジからわずか30分で到達できる。高知にありながら、愛媛に近い温泉である。また、道の駅や宿泊施設を併設しているので、ドライブや旅行の最中に立ち寄る人も多い。立地的にも西日本最高峰の「石鎚山」を中心とした、愛媛の名山の登山口の入口にほど近く、最近人気の山の上のドライブルートである「瓶ヶ森林道」の起点にも近い。そのため、登山やドライブで訪れた人がひっきりなしに道の駅に立ち寄る。
訪れた日は10月の連休。紅葉シーズンのこの日、登山を終えた人々が連れ立つようにこの温泉に流れてくる。混雑は避けられない事を覚悟して、入浴に向かった。

木の香温泉

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高知県吾川郡いの町桑瀬225-16

受付を済ませると、リストバンド式のロッカーのカギを貸してもらえる。指定のロッカーに自分の荷物を入れるスタイルだ。ロッカーは着替え一式と手荷物は入る十分な大きさがある。受付から浴室には、木の香漂う、気持ちのいい渡り廊下を行く。

川のせせらぎが響く露天風呂が気持ちいい

温泉の内湯。壁一面の窓の向こうには広いウッドデッキが広がり、開放感がとてもある。行楽の時季なので入浴客が多くかったが、それでもイモ洗い状態ではなく、ゆっくりと湯船に浸かるスペースは十分にある。駐車場の込み具合や受け付けでの人の多さの割には、浴室での人口密度は低い感じがした。
浴室には内風呂と水風呂、そしてサウナがある。太い梁を通した、ウッディな天井はとても高く、解放感を感じられる。
窓は壁一面ではないが、壁の下側に幅広く設けられている。湯船に身を沈めると、水面と外のウッドデッキがちょうどつながるように設計されていて、空間の広がりを感じられる。内湯でありながら、外の風景と一体になれる、よく考えられた設計だ。
温泉は少し緑かかった色をしている。塩素臭も感じない、とてもいい感じの温泉。外の風景とひとつながりになった湯の中で、登山で酷使した足を伸ばしてやると、もう極楽。湯の中にとろけそうになる。
洗い場は10か所ほどあるが、混んでいる時は順番待ちが少し発生する。

ウッドデッキになった外には、川のせせらぎを聞きながらゆっくりと緑の中でくつろげる。リクライニングできるチェアがあり、よく温まった体を山の風で冷やすのも良い。
ウッドデッキには露天風呂がついている。残念ながら、露天風呂には温泉は使われていない。それでも、付近の色濃く残る自然を見ながら湯船に浸かっていると、とても気持ちが良い。

お風呂から上がった後はゆっくりと休憩したい。休憩室は2か所ある。お風呂の前の渡り廊下を奥まで行くと、和室がついたの休憩室。受付の前の階段を上がると、写真のような、ベンチとソファーのある休憩室だ。どちらの休憩室にも飲み物の自販機があるので、喉の渇きをうるおしながら、一服できる。
休憩したあとは、道の駅のレストランで美味しい食事をするもよし、お土産を求めるもよし。登山のあと、程よい距離にあり、かつ、ゆっくりできる、気持ちのいい温泉だった。