金鱗湖【湖面から湯けむりが上がる紅葉の時期】

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大分の人気観光地、湯布院。豊富な温泉が湧き、田園風景に温泉旅館が点在する、一味違った温泉地だ。そんな湯布院の人気の観光スポット湯布院の北東に位置する「金鱗湖」だ。
金鱗湖は付近の駐車場は少ないうえ、道が曲がりくねった上に狭く、さらには観光客であふれる。湖への車での接近は、理由がない限りはやめた方が良い。湯布院のメインストリート「湯の壺街道」の入口に駐車場がかたまっているので、そこに車を置くのがお勧め。
湯の壺街道のお店を見ながら、街道を一番奥まで進むと、この金鱗湖がある。ここを折り返しにして、駐車場まで戻るのが、湯布院の一般的な楽しみ方といえる。

晩秋の時期は幻想的な美しさの金鱗湖

今回金鱗湖を訪れたのは、まだ紅葉が残る晩秋。静かな湖面に映りこむ、紅葉の赤色がとても神秘的。よく見ると、湖面を漂うように靄が風に流れている。実はこの金鱗湖は大分市に流れ込む大分川の源流のひとつになる湧水の湖。頭上に聳える由布岳の恵みの地下水があふれ出しているのだが、由布岳は活火山。湧水と一緒に温泉まで湖底から湧き出している。
そのため冬の寒い時期になると、湖面は湯けむりに包まれる。少しずつ気温が下がる晩秋の頃、ゆらりゆらりと、湯けむりが静かに湖面から流れ始める。

湖の周辺にはいくつもの湯煙が立ち上がる。湯布院は日本第3位の湧出量を誇り、源泉も800を超えるものが存在する。あちらこちらから湯があふれ、水路を流れる。一般の家庭にも、源泉かけ流しの温泉を備えているお宅も少なくない。写真の藁ぶき屋根の建物は「下ん湯」という共同浴場。湯布院にも数多くの共同浴場が存在する。中には観光客お断りの共同浴場が存在するが、ここは観光客の方が多そうな共同浴場だ。料金は200円。内風呂と露天風呂があり混浴だ。

美しい金鱗湖には多くの水鳥がくつろぐ

金鱗湖には水鳥が多くいる。湖から湯が湧いているので、やはり温かく居心地がいいのだろう。中には小さな雛鳥がヨチヨチと泳いでいく姿があり、とても微笑ましい。金鱗湖の付近には飲食店やミュージアムが取り囲むように点在する。写真左上にあるのは「洋灯舎」というレストランで美味しいハンバーグが楽しめる。唯一、金鱗湖に突き出した建物なので、その存在感はとても際立つ。

水面散歩する鳥たち。金鱗湖は水深2mほどの浅い湖。水温は普通の湖に比べれば相当に温かいのだろう。ゆっくりと泳いでいく姿は気持ちよさそうで、この湖から離れようとする個体はとても少ない。

冬には湯煙や朝霧が立ち上る金鱗湖だが、夏場はまた違った風景となる。夏場はさすがに湖面から   湯煙は立ち上がらないが、緑に囲まれた、まるで高原の湖畔のような美しい景色を織りなす。どの時期に訪れても美しい、湯布院の自然を感じられる場所。湯の壺街道のショッピングやお店散策の折り返し。心癒される風景だった。

金鱗湖を一望する湖畔の宿

■ 湯布院の温泉宿一覧

金鱗湖

場所: 大分県由布市湯布院町川上1561‐1
電話: 0977‐84‐3111(湯布院振興局地域振興課地域振興係)
料金: 無料
アクセス: JR久大本線由布院駅から徒歩約20分
駐車場: なし(周辺の有料駐車場を利用)

【投稿時最終訪問 2012年11月】

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