市ヶ原【六甲山でキャンプ・バーベキューができる河原】

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神戸の登山といえば、やはり六甲山。標高931mの最高峰はもとより、東西に連なる山々に登る登山ルートが網の目のように走っています。そして極めつけは神戸市垂水から宝塚に至る全長56kmの全山縦走路。神戸市のみならず、関西から多くの登山者、ハイカーが訪れる山域です。
市街地に近いため管理された山々、そして海から一気に立ち上がる急峻な地形。そのため六甲山中で川遊びやキャンプ、バーベキューができる場所はとても数少ないのです。そんな中、六甲山でキャンプ適地として登山者やハイカーで賑わう場所が生田川上流の「市ヶ原」です。水道、トイレ、自販機、ゴミ捨て場がある無料の登山系キャンプ地としては最高のロケーションです。

六甲の美味しい水で楽しめる川遊び

六甲を代表する山、摩耶山付近を源流に持ち、那智滝、華厳滝と並ぶ日本三大神滝のひとつ布引の滝を経て、新神戸駅の下をくぐり市街地を抜ける生田川。山々の水が集まり深い谷となるその中流域は布引渓谷と呼ばれます。六甲のおいしい水と称される澄んだ水は神戸市の水源のひとつであり、フェンスで厳重にガードされている布引渓谷では水際に近寄ることもできません。
トゥエンティクロスや穂高湖などの上流域になると、やっと水辺に立ち入ることができます。その中でもここ市ヶ原は最も水辺に近づいてアウトドアを楽しめる場所です。

市ヶ原を流れる生田川では川遊びができます。この下流は神戸市の水道水源になっており、六甲のおいしい水がそのまま流れているのです。ややコケは多い気がしますが、泳げるほどに水質は綺麗です。小さな魚も時々目にすることもあります。河原の水深は浅い場所ばかりなので、小さな子供が遊ぶにはもってこいの場所です。岩がゴツゴツしているので、川遊びをするならサンダルなどを忘れずに持ってきましょう。

河原の奥には堰堤があり、流れる水が滝のように流れ落ちています。ここから先は立ち入りができないようにフェンスが続くエリアですが、堰堤の上からこの深みに飛び込んで、泳ぐ人もいます。ただ飛び込んだら河原に戻ってくるのは大変そうです。

六甲山中でキャンプやバーベキューができる

市ヶ原は川遊びができるだけではありません。キャンプ適地とされており、キャンプをすることが許されています。登山用のキャンプ場やバーベキューができる河原がない六甲山においては、とてもありがたいアウトドアスポットなのです。
六甲山を縦走する登山者や大学の登山系サークルがよくここでキャンプをしています。私も大学時代にはここでテント泊して摩耶山に登っています。

今回は幼児連れで家族ハイキング。まさか20年近くも経って家族でここにやってくるとは思いませんでした。当時のことを色々思い出しながらガスストーブとフライパンで肉を焼きます。まずは幼児用のウインナーから・・・
水の流れる緑に包まれた河原でバーベキュー。しかも河原入口にある櫻茶屋の自販機でビールが購入できます。至極の幸せです。
市ヶ原には車は入れず徒歩でしか来れませんので、バーベキューコンロを持ってくる強者はかなり少数。最近ではミニバーベキューコンロがあるので、次回はそちらに挑戦してみたいですね。なお、市ヶ原では直火の使用を禁止する注意書きはなく、ところどころに直火の跡がありました。直火ができるキャンプ適地というのはアウトバック気分を楽しめますが、やはり石が黒くなるのはどうでしょう。中には灰の跡片付けすらされていない焚火の跡もあります。山火事水源汚染の心配もあるので、ここはやはり自制したいです。
河原やトイレの水道で洗い物をするのももってのほかです。ウエットティッシュなどで汚れ物はふき取り洗い物はしないように準備しましょう。

余談ですが、この市ヶ原付近の地下には六甲山を縦断する有料道路や地下鉄のトンネルが通っています。市ヶ原から50mも六甲全山縦走路を西に行くと、トンネルの巨大な換気施設があります。この大自然の地下に車や電車が頻繁に行き来していると考えるととても不思議です。

登山者が集まる六甲山の交差点

市ヶ原は、六甲全山縦走路も通るハイキング道の要所と言える場所。西は大龍寺を経て菊水山方面へ六甲全山縦走路、北へ向かうとトエンティクロス、東は天狗道を経て摩耶山、そして六甲山全山縦走路へ。まさに六甲山登山の交差点となっており、市ヶ原の開けた河原で休憩すめハイカーや、ここで1泊する縦走登山者の姿が多く見られます。

市ヶ原の入口には「櫻茶屋」があります。軽食や飲み物があるので登山客が休憩するにはもってこいの場所です。営業をしていない日も多くありますのが、自販機がとても充実していてビールの販売もあります。食料さえ持っていれば、ここで冷たい飲み物やキンキンに冷えたビールを購入できるので、キャンプやバーベキューの充実と荷物の軽減ができます。
きれいなトイレもあり、ゴミ捨て場(六甲山中には要所に設置)もあります。まさに登山系のキャンプやバーベキューにはもってこいの場所なのです。とはいえ、このゴミ箱は町に近い六甲山の環境を守るために設置されたもの。やはりゴミは自身で持ち帰るようにしましょう。

市ヶ原への新神戸からのアクセス

新神戸駅を出て、駅の下をくぐり反対側に出るともうそこは山の中。神戸の水源となっており、立ち入りが厳しく制限されている布引渓谷を歩き、途中布引の滝、五本松堰堤、布引貯水池を経て市ヶ原に至ります。歩行時間は約1時間です。
なお、新幹線・新神戸駅の下にある生田川の河原では、バーベキューができる親水広場があります。豊かな自然の中で川遊びをしながら肉を焼き、ビールを飲める場所ながら、地下鉄や新幹線を降りてすぐ。駅前なのでコインパーキングもあります。神戸のバーベキュースポットとして大人気の場所ですが、その分競争率は相当高く、朝いちばんでの場所取りが必須のポイントです。

櫻茶屋よりやや下ったところにある「紅葉の茶屋」
なんと紅葉の茶屋の名物はすき焼き。付近にはモミジの木がたくさんあり、秋の色づいたころにここですき焼きを頂きながらゆっくりするのも最高に気持ちがよさそうです。なべ焼きうどんなどのその他食事メニューも充実しており、六甲山系にたくさんある茶屋としては食事がとても充実しています。
ここから遊歩道ではなく、分岐する車道を歩けば15分ほどで布引ロープウェイの中間駅に着くことができます。料金は片道750円。荷物が重い登りやお酒がちょっと入りすぎた帰りを嫌うなら、利用するのも手です。なお、この車道はロープウェイ中間駅以降は日中通行止めとなり、駐車場所どころか離合する場所も無いような細い道なので、マイカーでの入山は不可能です。

市ヶ原へ車でアクセスするには

市ヶ原に直接車で乗り付けることは一般車両は不可能です。ただし、徒歩30分弱のところにある「再度公園」には180台駐車可能な無料駐車場があります。新神戸駅から歩く約半分の時間で到達することができ、朝5時から利用することができます。詳細はこちらの記事から確認ください。

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