碓氷第三橋梁【誰もいない早朝のめがね橋】

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「碓氷第三橋梁」は軽井沢へ向かう碓氷峠の途中、碓氷川に架かる明治時代に造られた鉄道橋の遺構。めがね橋の愛称で親しまれ、山の中に残る巨大なレンガ造りの4連アーチ橋は遺跡のように感じる美しさ。軽井沢に向かう途中に遠回りをして訪れる観光客も少なくありません。また碓氷第三橋梁はアプトの道と名付けられた明治時代の廃線跡ハイキングコースの途中にあり、橋を渡ることはもちろん、起点にしてレンガ造りのトンネルや駅舎や変電所跡をめぐることもできます。休日には多くの観光客で賑わいますが、アプトの道のトンネル照明が灯る朝8時前の早朝に訪問すると、誰もいない静かで時代の中で眠りにつくめがね橋や廃線跡トンネルの風景を楽しめます。

碓氷第三橋梁のアクセスと駐車場

碓氷第三橋梁へのアクセスはほぼ車になると思います。車でのアクセスで駐車場となるのが、碓氷第三橋梁を通り過ぎて少しだけ軽井沢方面に走った場所にある「めがね橋駐車場」です。22台駐車可能できれいなトイレもあります。アプトの道を歩くなら途中にトイレは無いので、ここで必ず利用しておきましょう。

めがね橋駐車場から碓氷第三橋梁(めがね橋)までは国道を歩きます。この区間には広い歩道が設けられており、安全に第三橋梁へ歩いて訪れることが出来ます。

徒歩3分ほどで碓氷第三橋梁が見えてきます。山の中に現れる巨大でレトロな建造物には驚かされます。

間近から見上げる美しいめがね橋

碓氷第三橋梁、通称「めがね橋」は明治25年に完成したレンガ造りの4連アーチ橋。川底からの高さは31mもあり、その下に立つと見上げるその巨体は大迫力です。レンガ造りの建造物としても相当な大きさで、国内に現存するレンガアーチ橋としては最大規模のものです。よくこんな場時に明治維新からわずか20数年の時にこのような大きな橋を造ったものだと感心してしまいます。

碓井第三橋梁の下には心地よい音を響かせて川が流れています。この先の山中に源流を発する碓氷川で、この川沿いにめがね橋を渡る路線が下界へと続いています。やがて利根川へと合流して太平洋まで、長い旅をする川です。

4連の巨大なレンガ造りのアーチ橋である碓氷第三橋梁。通称「めがね橋」として、その姿を見に訪れる人も多い、碓氷峠を代表する観光スポットです。

真下から見上げるめがね橋の橋脚がまた凄い。山の中、谷に架かる高さ31mもの巨大な構造物は、巨大なだけでなくその上を超重量の機関車を通した堅牢な造り。明治の半ばにこれだけのものをこのような場所に造られたことには夢とロマンを感じます。

歩いて渡れるめがね橋への登り方

碓井第三橋梁の上に登ることができます。橋を見上げながらくぐり、少し先に進むと橋の上への登り口があります。

めがね橋をくぐってすぐの所に、橋の上に登る道が山の斜面につくられています。ここを登るとすぐにめがね橋の上部横に出ることが出来ます。

碓氷第三橋梁とレトロなトンネルがつなぐ廃線跡ハイキングコース

森の中の心地よい階段を登ると、橋を架かる場所に出ます。ここはアプトの道と呼ばれる廃線跡のハイキングコース。ここはかつて軽井沢まで1893年に開通し1963年まで運用された信越本線のアプト式鉄道の廃線跡。横川駅~熊ノ平駅の間の約6キロメートルを「アプトの道」という遊歩道として整備されており、ここは中間地点に当たります。アプトの道には6つの橋梁と10の隧道があり、ここめがね橋や変電所跡など、鉄道遺産の建造物が多く残っています。

暗闇の中に光射す神殿のような6号トンネル

碓氷第三橋梁から軽井沢側にあるのは6号トンネル。全長546mで、アプトの道の中では群を抜いて最も長いトンネル。写真は早朝に訪れたためトンネルの照明が消えており、内部は光が全く届かない漆黒の闇に覆われています。アプトの道の電灯が灯るのは7時から18時まで。6号トンネルは長く途中でカーブしているため、他のトンネルと違い、この中にいる時に電灯が消えると、出口どころか方向もわからないくらい闇に閉ざされます。

6号トンネルの途中には明り取りと煙を輩出する天窓があり、その場所の光景はまるで神殿や遺跡のように神秘的。できれば懐中電灯を用意して、電球がつく前に訪れて自然光だけに照らされたトンネルの内部を楽しみたい場所です。朝7時を過ぎていれば電灯がついているので、ここまで簡単に歩けます。ぜひめがね橋の上まで登ったならば、この場所までは歩いて見学に訪れてほしいと思います。

めがね橋を渡り楽しむ碓氷峠の山々の絶景

6号トンネルを少し探検したら、いよいよ碓氷第三橋梁を渡ります。一直線に谷を渡る長さ91mのめがね橋。かつてはアプト式の線路がこの橋を渡り、レトロな車両が深い山を越えてここを走っていたかと思うと、歴史ロマンを感じます。

橋の欄干から気をつけて下を覗いてみます。レンガ積みのレトロな橋脚がはるか下まで続いている光景には、碓氷第三橋梁の歴史と凄さを感じます。橋の脇には電線を通したと思われる金具が残っており、レトロさをさらに感じます。

橋の眼下には山の中を大蛇のように曲がりくねりながら走る国道18号線。旧中山道でかつてのメインルートでしたが、現在は碓氷バイパス、上信越自動車道などより簡単に運転できるルートも開通しました。激しいカーブを描く18号線ですが、、直接軽井沢の中心部に乗り入れる、めがね橋などの遺構が多い、何よりもドライブが楽しいと、今もこのルートを走る車も少なくありません。

めがね橋の上から北側を見ると、山の合間に線路が走る橋が渡されています。これは1963年から1997年に使用された信越本線の廃線跡。アプトの道が廃線となった後から長野新幹線が開通する1997年までに運用された線路です。アプトの道と違い立ち入り禁止ですが、今も当時のままレールなどの設備が残っており、廃線ウォークなどのイベントが時々あるそうです。

碓氷第三橋梁から望む南側側。碓氷峠を取り囲む深い山々と遠くには荒々しい妙義山の山容が折り重なる美しい山岳風景。橋の上は絶好の展望台でもありました。

5号トンネルと碓氷第三橋梁の見事なコラボ

めがね橋を渡り終わると、橋の袂すぐの所に口を開けて待っているのが5号トンネル。全長244mでアプトの道では2番目の長さ。内部で6号トンネルと同じくカーブしており、電気が灯っていない時間は漆黒の闇がその内部を包んでいます。

5号トンネル入口横からはめがね橋の姿を斜め上から見下ろす事ができます。深い谷を渡り、対岸のトンネルへ一直線に延びるレンガ造りの美しいアーチ橋の姿には魅せられてしまいます。

5号トンネル入口。外側は石組、内側はレンガ積みの時代を感じる構造物はレトロを通り越して遺跡のようにも感じる美しさです。

5号トンネルも朝7時をすぎると内部に明かりが灯ります。

アプトの道の照明はオレンジ色のナトリウム灯。裸電球のイメージでレンガ壁をさらにレトロ色に染めあげます。トンネルの中だけ別時代が残っているかのような神秘的な空間です。

5号トンネル内から望むめがね橋。トンネルから出て橋を渡り、そしてまたトンネルへと吸い込まれていく。山や谷を通り抜けて軽井沢を目指し進むアプトの道と碓氷第三橋梁。明治時代の廃線跡に壮大なロマンを感じるスポットです。

碓氷第三橋梁

住所: 群馬県安中市松井田町
電話:027-382-7622 (安中市教育委員会)
時間: 24時間 (トンネル内点灯は7:00〜18:00)
休み: 無休
料金: 無料
交通: 上信越自動車道・松井田妙義ICより約15分
駐車場:22台 (無料)

【投稿時最終訪問 2019年9月】

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