小笠原大神山神社で初詣

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太平洋に浮かぶ世界遺産である小笠原・父島。東京から1000kmも離れた絶海の孤島でありながら、人の生活があり、多くの観光客が訪れる島だ。
そんな父島にある数少ない神社の中でも、最も大きなものが「大神山神社」。父島の玄関口である大村の町を散策していると、山の中腹にあるその姿がどうしても気になる神社だ。

絶海の孤島にある立派な神社で初詣

大神山神社は父島のメインストリートのから少し奥に入ったところに参道の入口がある。
ここにレンタサイクルを止めて、歩いて登っていく。参道の両脇にはタコノキなどの小笠原独特の熱帯性の植物が観察できる。そしてどんどん登るにつれ、小笠原の街並みと青い海が足もとに広がっていき、とても気持ちいい。
参拝するこの日は元旦。南国の絶海の孤島で初詣だ。これは絶対に旅人にとってはご利益があるはず!

階段を登り切ると、境内に到着する。父島の大神山神社は小さいながらも、立派な神社だ。創建は意外にも歴史があり、なんと1593年。太平洋戦争で焼失したが、1978年に現在の社殿が建てた。
この神社の祭りは相撲大会や神輿など、盛大に行われると聞いた。まさに地元の人々の信仰のよりどころなのだと感じた。
この神社が東京から1000kmも離れた太平洋の孤島にあるのがとても不思議に思える。今年の初詣は、太平洋のど真ん中の常夏の島の神社。とても御利益がありそうだ。
僕は寺社で自分自身の願望は願わない。出世するのも、偉くなるのも、それはすべて自分自身の努力なのだ。神仏に願ってかなえてくれるわけがない。だから、今健康で生きていることに感謝して、これからもできるだけそれが家族みんな継続させてもらえる事をいつも願っている。自分の力ではどうしようもない、自然の摂理が自分に味方することをお願いするのだ。
だから今回はひとつ、追加で離島ならではのお願いをしておいた。帰りの航海は、時化ませんように・・・

境内の森の中に鳥の姿が。
うおお、たぶん小笠原固有種の天然記念物だ~と写真を撮りまくる。しかし後で調べてみると、普通に大阪の町の中でも見かける「イソヒヨドリ」とわかる。しょぼ~ん・・・
しかしこころなしか、南国らしくカラフルな体色に思える。鳥は飛べるので、比較的簡単に絶海の孤島まで渡ってくることができるようだ。
さて、神社の脇から展望台に続く階段がある。もう少し高い所から、父島の風景を見下ろせるのだ。せっかくなので、展望台へと登っていく。

神社から階段を登りはじめてすぐ、展望台が見えてきた。その展望台から見下ろす、二見港の風景。天気はよくないが、青い海に降り注ぐレンブラントの光がとても幻想的だ。右奥にあるビーチは大村海岸。

神社の境内奥に残る太平洋戦争の戦跡

展望台よりもとても気になったのが、その後ろの岩肌にぽっかりとあいた穴。こんなところにも戦跡の地下壕があった。考えてみれば、ここは二見港を見下ろす高台。重砲や高射砲が設置されていた重要な軍事拠点だったのだろう。
地下壕の一部は遊歩道として整備されているが、封鎖された地下壕はさらに奥まで続いている。真っ暗な坑道はどこまで続いているのかさえ想像もできない。

大神山神社は父島の風景の絶景展望台

地下壕を抜けてやや行くと、「頂上展望台」に到着した。もう少し行くと「パノラマ展望台」があるらしいが、とりあえずここで散策は終了。
頂上から見下ろす二見港の景色は絶景。海の青さがとても目に眩しい。泊まっている船は、小笠原のライフラインで、昨日の僕たちの宿である「おがさわら丸」だ。

「頂上」というだけあって、展望台からは島の反対側の東海岸が見える。向こうの海がこれから目指す宮之浜。
山の下には住宅街が広がっていて、きれいな一戸建てや集合住宅が立ち並んでいる。とても絶海の孤島の風景とは思えない。さながら新興住宅街のようだ。展望台を降りたら、下の中央を走る道を登り、自転車で「宮乃浜」を目指す。

神社に戻ってきたころ、日が射してきた。やっと南国らしい風景になってきた。やはり小笠原の風景には太陽がよく似合う。
気持ちよくなった風景の中を一気に駆け下りて、自転車で碧いビーチを目指しこぎ出した。

大神山神社

場所:東京都小笠原村父島字東町
電話:04998-2-2251
交通:二見港フェリーターミナルから徒歩約15分

【投稿時最終訪問 2008年1月1日】

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