経ヶ森 【瀬戸内海を見下ろす絶景の低山ハイク】

「瀬戸内海の絶景を見下ろせる山」として、最近密かに人気が出てきている山。それが「経ヶ森」(きょうがもり・203m)だ。
四国四十八箇所の第52番札所、「太山寺」の奥の院でもある。太山寺の早朝参拝の後に、さらなるご利益を目指して奥の院である山頂へと進む。

太山寺を参拝してからハイキングへ出発

経ヶ森への登山口は大師堂の右側一番奥、身代わり観音のすぐ後ろにある。ちょうど柵が立った壁が下りてきて地面に接する所が、登山道の入口だ。

登山道は高浜や松山観光港に向かう遊歩道として整備されている。足元は階段が組まれ、道幅も広い。とても快適な登山道をゆっくりと登っていく。
途中、小さな石仏がいくつもある。その石仏への細い枝道もあるが、迷うほどでもない。朝日が揺らめきながら射し込む森の道を気持ちよく登っていく。

5分ちょっと歩くと、道は分岐点に出る。直進は「観光港」、左折は「高浜」。
ここは左折をして「高浜」方面に向かう。

分岐点から高浜方面への道を入ると、10mほど先に、白い看板がある。ここに経ヶ森への登山道分岐がある。高浜方面へ左折してすぐなので、注意したい。
分岐道は進行方向左側にある。

経ヶ森への入口。道は今までの登山道よりも細くはなるが、しっかり道も整備されているので問題は無い。

経ヶ森へ続く登山道。ジクザグに山を登っていく。付近は森に包まれていてとても気持ちがいい。
新緑あふれる森の中に、港町独特の船と潮騒が刻むリズムが漂ってくる。木々に囲まれていてわからないが、海が近い事を感じる事が出来る。海の間近の山はなかなか登る事が無いので、独特の雰囲気がなんとも心地よく感じる。

頂上からは瀬戸内海を一望する絶景!

分岐点から5分ちょっとで経ヶ森の頂上に到着した。頂上は出発した太山寺の奥の院になっており、本尊の十一面観音の大きな立像が祭られている。
また、松山空港に近い山であることもあり、航空障害灯が設置されている。青空と緑に包まれた頂上はとても気持ちがいい。

頂上脇には不動明王を祀る小さな祠がある。その向こう側は空。そしてその下には青い海が広がっている。

経ヶ森・頂上から見下ろす瀬戸内海。緑の山が迫り、また、緑の島々を浮かべた青い海。瀬戸内海ならではの風光明媚な風景。とても気持ちが良い。海を行く無数の船が奏でるエンジン音と、時々高く響かせる汽笛。山にいながら海を感じられる、とても素晴らしい風景だ。

経ヶ森から北側の風景を望む。広がる山々と島々、そして海のコントラストが何とも気持ちがいい。登山をしたのは新緑の季節。冬場は木が葉を落とし、澄んだ空気でさらに展望が望めるだろう。
北側と西側は海、南側は松山市の市街地が望める。

島と四国本土の間にフェリーが停泊している。波が穏やかなので、よくこの場所で大きな船が停泊しているのを見かける。
写真奥は島。赤い桟橋の付近、島にすがりつくように海辺に民家が並んでいる。島とともにある生活の風景。これも瀬戸内海独特の風景だ。

海にぽっかりと浮かぶ岩。松を乗せたその岩島のは「ターナー島」と呼ばれている「四十島」。
なぜ、「ターナー島」と呼ばれるのかというと、松山を舞台にした夏目漱石の小説「坊ちゃん」に起因する。小説の登場人物、赤シャツと野だいこが勝手に海に浮かぶ島を西洋画家の名前にちなんでターナー島と命名する。その島のモデルが、この四十島だったという。

西南方向を望むと、松山の臨海工業地域。写真中心には松山空港の滑走路が見えている。松山空港は市内中心駅からバスで15分ほどで到着できる、とてもアクセスの良い空港。ここからだと、風光明媚な島々の上を縫いながら着陸してくる飛行機の雄姿がバッチリ拝める。残念ながら早朝の時間帯のため、まだ飛行機の姿は無い。

山のふもとに目をやると、伊予鉄道の線路。ここは織田裕二主演の「東京ラブストーリー」のロケ地になった「梅津寺駅」のすぐ近く。最終回、リカが目印のハンカチを結んだ場所だ。風光明媚な瀬戸内海を走る路線は、名作のラストを飾る美しいロケーション。ここでカメラを構えて待っていれば、愛媛のイメージカラー・みかん色をした電車が駆け抜けていくシーンをカメラに収められる。
手軽に登れ、歴史ある太山寺から深い自然、そして瀬戸内海を一望できる風景を楽しめる山。それが経ヶ森。低山で登りやすいながらも絶景を展望できる素晴らしい山だった。

松山の観光と宿泊情報

松山の宿泊といえばやはり道後温泉ですね。四国を代表する温泉街で、老舗からモダンな旅館まで多くの宿があり、歴史ある温泉風情を楽しめます。また、松山にはシティホテルが多くあります。中には温泉を引いている場所もいくつかあります。予算や目的によって豊富な宿が選択できる松山の宿泊は、愛媛の旅にはオススメです。

【道後温泉・松山の宿一覧】

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