ホテル葛城 Spa Resort 道後【道後温泉・日帰り湯】

四国を代表する温泉地・道後温泉。松山市の奥座敷にあたり、数多くの宿が建ち並ぶ一大温泉街だ。道後温泉本館などの外湯の他、日帰り湯入浴が楽しめるホテルもいくつかある。そんなホテルのひとつが「ホテル葛城 Spa Resort 道後」だ。

道後温泉本館すぐ近くのホテル葛城

ホテル葛城は道後温泉本館のすぐ近くにある。ホテルの前は駐車スペースになっているが、広くは無いため、重ねて駐車していく。そのため日帰り湯の利用での駐車は出来ない。道後温泉本館裏にある「冠山」の観光駐車場に車を停める。

ホテル葛城　Ｓｐａ　Ｒｅｓｏｒｔ　道後

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愛媛県松山市道後湯月町4-16

落ち着いた和の趣でのもてなしが嬉しい

ホテル入口。無料の足湯が設置されている。神社を感じさせるようなつくりだが、ホテルの中としては日本で唯一、金比羅神社の分社が祭られている。

フロント・ロビー。とてもきれいで落ち着いた雰囲気て好感が持てる。フロントの真上は青空のように見える細工がされていて、とても感じが良い。その青空がピカピカの床に写り込み、まるで屋外にいるような錯覚すら感じる。

温泉は4階にある。入口前は湯あがりどころになっていて、ベンチと自販機、無料のお茶が置かれている。ここに噴水があり、大きなコイがスイスイと泳いでいる。湯あがりに相方を待つ時は、こういう趣きがある場所だと、少し楽しい。
更衣室は鍵なしロッカーが大半だが、一部には無料の鍵付きロッカーもある。

シンプルながらも道後温泉本館に似せた内湯が心地よい

男性風呂は「大師の湯」と名付けられていて、入口では弘法大師の像がお出迎えしてくれる。奥にはサウナがある。

内湯はひとつだけだが大きめ。湯船は「道後温泉本館」や「椿の湯」と同じで、けっこう深い。大人でもお尻を床につけると、顔を上向きにしないと口付近が水没してしまう。娘は残念ながら背が立たないので、一段浅くなったスペースでくつろぐ。
愛媛の温泉は必ず塩素消毒しないといけない県条例がある。そのため、各温泉では塩素臭くないかが重要な僕の評価ポイントなのだが、比較的塩素の臭いはしない。浴槽内の循環もあるので、やや温泉成分は薄まっている感はあるが、上々のお湯。
洗い場は10箇所あり、浴室のスペースは広々しているので、窓は少ないが閉そく感はなく、快適。

意外に快適な露天風庭園風呂

露天風呂。ホテルのデータでは露天風呂はなく、男性風呂にのみ、この「露天風庭園風呂」かある。確かに、壁の一部が開いているだけで、解放感は全くない。露天というには厳しい状況だが、僕は逆にここが気に入った。
まず湯が良い。塩素臭も殆どなく、温泉成分のツルツル感も感じられる。おそらく内湯よりもいい湯を使っていると思う。湯船は内湯と同様、ここも深くなっている。ちょっとした浮遊感が感じられ、湯に浸かっているのがとても気持ちがいい。
雰囲気としては露天というより洞窟風呂に近い。頭上で内湯の換気扇がうるさい音を立てているのは興ざめだが、これがまた、洞窟的なスペースにこだますると、逆にどこか心地よい音に聞こえるのが不思議。

僕がここを「洞窟」と言ったのは、とても奥行きがあるから。奥には水風呂とテーブルセットまで置かれている。ちょっとした「裸のくつろぎ空間」となっている。
道後のホテルは林立・密集しており、どうしても露天風呂をつくるのは厳しい所がある。無理矢理露天風呂をつくって、隣のホテルや遠くのマンションから丸見えという場所もある。そんな中、逆に外から見えないようにして、閉塞された空間を個性的に仕上げるという手法には好感が持てた。この露天、結構気に入った。

葛城の温泉の特徴のひとつである「花魁」の美人絵。とても艶めかしい花魁が浴室に飾られていてる。ただの絵ではなく、立体的に見えるので、眺める角度によってもその表情が変わってくるので面白い。
女湯の「白鷺の湯」は露天はないが湯船が2つあり、男湯よりももっと多くの花魁の美人絵で囲まれているらしい。

湯上がりはゆっくりとホテル内で寛げる

金刀比羅神社の分社。旅館の中に分社があるのは、日本ではここ葛城だけだそうだ。せっかくなのでお参りさせていただく。

金刀比羅神社横にあった不思議な通路。娘も面白がっている。おそらく隣にある姉妹旅館の「はなゆづき」に続いていると思われる。

ロビーの一角はくつろぎの空間になっている。とてもきれいで落ち着いた空間。全席禁煙席になっている。
道後の旅館は高度成長期に建てられた旅館が多い。建物自体はこの葛城も昭和時代の建物。しかし、ロビー周辺はとてもきれいにリニューアルされており、その時に平成の風を取り入れたのだろう。
湯あがり処とこのロビーでゆっくりくつろいだ後、日帰り湯を後にした。