蓼科グランドホテル滝の湯【温泉三昧の高原ホテル】

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高山や高原が軒を連ね、夏でも涼しい。温泉がいたるところに湧出し、食べ物も美味しい。そんな信州には夏に避暑に出かける方も多いだろう。そんな夏の旅行で、リーズナブルながら満足できるクオリティの食事と温泉を提供してくれる宿が蓼科高原にある。それが、「蓼科グランドホテル滝の湯」だ。

蓼科グランドホテル滝の湯

大ホテルながらもワクワクするお出迎え

「滝の湯」は蓼科湖の近く、深い原生林の中、滝ノ湯川のほとりに立つホテル。とても静かで深い自然の中にあるにも関わらず、ホテルは8階建ての本館と、レストラン棟、温泉棟で形成される大ホテルだ。観光バスのツアー客も受け入れており、オフシーズンの平日にもかかわらず、大勢の人の宿泊があった。その分、ネットや福利厚生関係で、安いプランで宿泊できるホテルになっている。

蓼科グランドホテル滝の湯駐車場

蓼科グランドホテル滝の湯駐車場

車寄せで荷物と同乗者を下ろして車を宿泊者専用駐車場に回す。車から降ろした荷物はホテルマンがフロントまで運んでくれる。駐車場は屋内か思いきや、屋内の通路を抜けた先に広い駐車場がある。ただ、奥に広くなっている駐車場なので、遅い時間に到着すると、かなり離れた場所に車を停めなければならなくなる。チェックイン時は雨だった事もあるかもしれないが、駐車するために運転するマイカーの後をホテルの車が追走し、駐車後にホテルまで乗せて帰ってくれた。

蓼科グランドホテル滝の湯ロビー

滝の湯のロビーはとても綺麗で2階部分まで吹き抜けで開放感がある。そのうえ、立派な暖炉まで置かれていて、寒い冬には火をくべられてとても雰囲気が出る筈だ。エレベーターの横に、婦人用の浴衣と子供用の浴衣、スリッパ、草履が置かれている。女性と子供がいれば、ここで好みのアメニティを補充して部屋に持って上がる。

とても広く使いやすい便利な和室

蓼科グランドホテル滝の湯客室

スタンダードの部屋で予約をしていたのだが、閑散期のせいかファミリータイプの部屋を用意してくれていた。10畳の和室だがとにかく広い。金庫、テレビ、ポットなど、標準的な室内装備は全て網羅しており、快適。

蓼科グランドホテル滝の湯和室

とにかく広い理由は、10畳のメインの和室のほか、6畳和室がもう一部屋ある事。6畳の和室にはもう一つテーブルセットがあり、広い縁側もある。3人で宿泊なら、6畳の部屋に布団を敷いてもらい、10畳の部屋でテレビを見ながらテーブルで夜でもくつろげる。

蓼科グランドホテル滝の湯客室

蓼科グランドホテル滝の湯客室

広いのは部屋だけでなく、玄関部分も相当に広い。踏込は広い靴棚があり、多人数での宿泊にも対応できる。ベビーカーなど持ち込んでも、十分に余裕がある。前室も部分には2畳の畳が敷かれている。踏込部分と併せれば、4.5畳くらいの広さがあり、ここに冷蔵庫とコップ類が置かれている。冷蔵庫は空。冷凍棚があるタイプで保冷剤を3つほど凍らせておける。小さなクーラーバッグを持っての旅にはとても便利だ。

蓼科グランドホテル滝の湯トイレ

蓼科グランドホテル滝の湯ユニットバス

前室部分にトイレと洗面所の扉がある。トイレはもちろんウォッシュレットつき。そしてユニットバスはよくあるビジネスホテルのもので、ここにもトイレがついている。トイレが2つあるのは驚きで、多人数で泊まってもまったく問題ない。

蓼科グランドホテル滝の湯洗面所
蓼科グランドホテル滝の湯広縁

洗面所はとても使いやすい。広縁も古いタイプの物ながら、清潔で何より広くて快適。ホテル自体は古い建物だが徹底的にリフォームされており、内部は最新かつ清潔に保たれており使い勝手も快適さも高い。特に水回りが古臭さを感じなくリフォームされているのは徹底されている。廊下や室内の建具、外観の裏側など古い部分が一部残っているが、これが見事に新しいものの中に溶け込んでおり、旅情を醸し出している。

高原風景を満喫できる客室からの眺め

蓼科グランドホテル滝の湯

客室の窓から見える風景。ホテルの裏側はうっそうとした森の斜面が迫っているので、おそらくすべての部屋がこちら向きのビューだろう。温泉棟やレストラン棟があり、山に囲まれているので絶景という訳ではない。それでも深い緑と、流れる川とその川音に癒される、良い景色だ。

蓼科グランドホテル滝の湯からの眺め

時間や天気によるが、下界には雲海が発生する。レストラン棟の奥、どこまでも裾野にむけて広がる原生林を雲海が覆い尽くす。雲海の上には中央アルプスが頭を出す。

雰囲気満点の温泉へのアプローチ

蓼科グランドホテル滝の湯滝の湯川

滝の湯の敷地内には、「滝ノ湯川」が流れる。緑に包まれて心地よい水音を立てながら流れていく清流は癒しであり、山奥の温泉宿の醍醐味だ。屋外プールの下から水が流れ出し、川に滝のように落ちている。おそらく、このホテルの名物、庭園大浴場につくられた人口の滝の水が、ここから川に流れ落ちているのだろう。

蓼科グランドホテル滝の湯滝の湯川

部屋でひと休憩したら温泉へと向かう。温泉棟には渡り廊下で滝の湯川を渡る。渡り廊下から見る滝の湯川は、まさに手つかずの高原の川。とても美しく、ついつい水遊びをしたくなる清冽な流れだ。さて、「滝の湯」には浴室は3つある。「信玄野天風呂」「庭園大浴場・巌の湯」「庭園大浴場・湧泉」庭園大浴場は朝・夜で男女入れ替え。まずは明るいうちに、野天風呂に向かうことにする。

川と高原を満喫できる大自然の野天風呂

蓼科グランドホテル滝の湯
蓼科グランドホテル滝の湯

野天風呂にはいったんホテルから出て、専用の通路で少し斜面を登っていく。屋根が着けられた和の趣たっぷりな石の道を浴衣で進むのはなかなか風流だ。先に進むと、野天風呂の建物がある。屋根が途切れた所には傘が何本も立てられているので、雨の日でも大丈夫。

蓼科グランドホテル滝の湯野天風呂

蓼科グランドホテル滝の湯野天風呂

今まで和の趣をたっぷり楽しんでいたが、野天風呂の建物はなぜかログハウス風。床も壁も木材で包まれた空間は、新鮮で温かみがある。ウォータークーラーやベビーベッドなども完備されている。更衣室も2か所あり、広々としており使いやすい。衣類カゴのみで、貴重品は小さなロッカーに保管する。カバンごとのロッカーでの保管はできないので注意だ。

蓼科グランドホテル滝の湯野天風呂

信玄野天風呂にも立派な内風呂がある。一面の窓から森とその中を流れる清流を楽しめる。この内風呂だけでも非常に質の高い温泉施設になっている。

蓼科グランドホテル滝の湯野天風呂

野天風呂の洗い場。全部で10か所あり、シャワーなどの施設も使いやすく快適。

蓼科グランドホテル滝の湯野天風呂
蓼科グランドホテル滝の湯野天風呂

野天風呂の内湯は2つの特徴がある。1つは屋外の露天風呂とつながっている事。そして、もう一つは浴室内にとても大きな岩がある事。おそらく、もともとこの場所にあった岩をそのまま取り込んで建物を建築したと思われる。その場にあった巨大な岩を岩風呂にした風呂は何か所か見たことがあるが、無意味に浴室のど真ん中に放置しているあたり、独特な感じがある。その岩の存在感が強烈で、極めて独特な浴室の雰囲気を醸し出していた。

蓼科グランドホテル滝の湯野天風呂

内風呂から外に出ると、信玄野天風呂の醍醐味といえる清流沿いの露天風呂。原生林の中を清流が流れる心地よい水音と、その流れが運ぶ緑と水の香りが何ともいえない。そんなマイナスイオンと森林の香りに包まれながら浸かる湯は最高。湯の中にザブンと身を沈め目を閉じると、日ごろの疲れがぶっ飛んでいきそうなほど気持ちが良い。

蓼科グランドホテル滝の湯野天風呂

目の前の森の名を流れる湯の滝川。上流に他の宿や別荘地があるが、それでも水は清冽で、深い森の中を流れて五感で入浴者を癒してくれる。湯に浸かっていると、突然野生のシカが対岸の森から現れた。目があうと、何も言わずにその場から消え去った。とても設備の整った野天風呂だが、半端なく野趣あふれる温泉でもある。

蓼科グランドホテル滝の湯野天風呂

野天風呂にはもう一つ、露天風呂の湯船がある。こちらは川から少し離れている。向こうに見える湯船は冷泉。野天風呂の泉質はナトリウム炭酸水塩温泉。湯質は無色透明ながらもわずかに鉄っぽい味やにおいがあり、内湯内には温泉らしい香りが漂っている。

蓼科グランドホテル滝の湯野天風呂

露天風呂の全景。ウッディなコテージが立ち並ぶ風呂は和風というよりフィンランド風に感じられる。正面の小屋は「サウナ小屋」で、露天風呂から直接入れる。

蓼科グランドホテル滝の湯野天風呂
蓼科グランドホテル滝の湯野天風呂

食べ放題・飲み放題!味も種類も大満足の夕食ブッフェ

信玄野天風呂のロビー。自動販売機とベンチがあるだけの簡易なもので、連れとの待ち合わせは少し不便。本館と温泉棟の連絡通路2階にラウンジがあり、7~10:00と14:00~18:00はセルフで無料サービスドリンクがある。時間内ならラウンジを待ち合わせ場所にするのも良さそうだ。

蓼科グランドホテル滝の湯レストラン
蓼科グランドホテル滝の湯レストラン

夕食はブッフェレストランでいただく。レストランのデザインは洗練されており、とても広々としている。食事は信州の食材をふんだんに使ったメニューが提供されており、美味しく楽しい食事を快適に頂けた。アルコール類の値段は、生中500円。ただ、1時間の飲み放題がビールのみ1500円、アルコール全般1800円でオーダーできる。しかも、グループ単位でなく、個人でだ。ビール3杯飲めば元が取れるので、こちらの方がお得。

蓼科グランドホテル滝の湯夕食ブッフェ
蓼科グランドホテル滝の湯夕食ブッフェ

刺身などの海鮮や焼きたてステーキ。そしてレストラン内に石窯があるので、焼きたてのピザが楽しめる。信州そばはもちろん、「清流アルプスサーモン」を使った刺身や南蛮漬けも美味しかった。この時は中華料理も充実していた。

蓼科グランドホテル滝の湯夕食ブッフェ
蓼科グランドホテル滝の湯夕食ブッフェ

煮付や鮎の塩焼き、茶わん蒸しなど日本的なメニューも充実。茶碗蒸しはマツタケの風味が濃厚に漂っていて美味しかった。デザートもケーキやソフトクリーム、おなじみのチョコレートの噴水もある。子どもには大好評で、大人も別腹。

滝の湯の顔!美しい滝を眺めながら浸かる湯は最高!

蓼科グランドホテル滝の湯巌の湯

「庭園大浴場」は夜と朝では男女入れ替えになる。男性は夜が「湧泉」、朝が「巌の湯」残念ながらビールの飲みすぎで「湧泉」には入れず、朝風呂で「巌の湯」に入湯。「巌の湯」が滝の湯のお風呂の顔ともいえる大浴場。男性なら朝風呂は外さないようにしたい。巌の湯の脱衣所も清潔で広々としている。貴重品ロッカーのみで、脱衣かごに着替えを入れる。

蓼科グランドホテル滝の湯巌の湯

このホテルの顔と言ってもよい「巌の湯」壁一面の窓を開け放てば、そこには大きな滝が轟音を立てて流れ落ちている。朝の清涼な高原の空気が、美しい水の流れにのって浴室内に流れ込んでくる。湯に浸かりながら滝の音、高原の森の薫り、そして澄んだ空気が体の中に染み渡る。先ほどの信玄野天風呂と違い、湯から身を乗り出さなくてもこの美しい水の流れが見える。湯の中に肩までつかりながら、これだけの滝や水の流れをダイレクトに楽しめる温泉は稀有だ。滝自体は人工的な造られた事が明らかな造形で、滝の上部には貯水槽が見える。じっくり観察すればやや興ざめではあるが、これほど気持ち良いロケーションの風呂はそうない。滝の水は川に流されているので、付近の沢水を集めてそのままかけ流しているのだろう。

蓼科グランドホテル滝の湯巌の湯

寝湯やジェットバス、ミスとサウナなどの湯船も充実。特に寝湯は寝ころぶとガラス越しに先ほどの滝が見えるようになっていて、心地よい。洗い場はすべて仕切りがされたブースが20か所あり使いやすい。浴室も黒タイルに天井や壁に木の飾りがされており、とても洗練されたデザイン。泉質は単純泉で無味無臭でとてもさっぱりしている。野天風呂もそうだが、湯はかけ流しではなく、ろ過循環式。塩素系薬剤の投入もあるようだが、ほとんど塩素臭はなく気持ち良い温泉を楽しめる。

充実の朝食ブッフェで朝から満腹に!

蓼科グランドホテル滝の湯朝食
蓼科グランドホテル滝の湯朝食

朝食も夜と同じレストランでブッフェを楽しめる。夜には暗闇を映し出していた壁一面の窓には深い緑が映り、まったく別雰囲気になっている。窓際の席に座れば、眼下を流れる湯の滝川の清流を見下ろしながら、気持ち良い朝食を楽しめる。

蓼科グランドホテル滝の湯朝食

蓼科グランドホテル滝の湯朝食

朝食メニューも洋食、和食ともその種類は充実していて、味もとても美味しい。高原の朝を満喫しながら、美味しい食事で胃袋も満たすことができた。
綺麗にリフォームされ、手入れも隅々まで行き届いている。そして質の高い部屋や温泉、食事を格安で提供してくれる。従業員の対応もとてもよく、温かみも感じられた良いホテルだった。

蓼科グランドホテル滝の湯

住所: 長野県茅野市北山4028
電話: 0266-67-2525 
イン: 15:00
アウト: 10:00
駐車場: 200台(無料)
交通: 中央自動車道 諏訪ICより約16km 約30分
アメニティ: 浴衣、タオル、バスタオル、歯ブラシ、髭剃り、シャンプーハット
設備: バス、トイレ、テレビ、金庫、空の冷蔵庫(冷凍棚あり)、ポット、お茶セット
客室: 143室
温泉: 3箇所(野天風呂1か所、庭園大浴場2か所)
貸切温泉: あり(有料)

【投稿時最終訪問 2013年9月】

この記事は2013年9月のものを修正・再掲載したものです

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