湯島聖堂【昌平坂学問所・日本を代表する孔子廟】

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江戸時代に学問の神として崇められた中国の思想家で儒学の創始者である孔子。江戸時代に開かれた学問所には孔子を祀る孔子廟が多く建てられました。そんな孔子廟の中でも江戸幕府直轄だった日本を代表するものが「湯島聖堂」です。

日本の近代教育の発祥の地にあり、学問や受験の合格祈願の強力なパワースポットです。

大都会にある合格祈願のパワースポット

高層ビルが建ち並ぶ御茶ノ水に鎮座する湯島聖堂。儒学を興した孔子を祀った霊廟で、儒学が推奨されていた江戸時代、五代将軍徳川綱吉によってここ湯島に聖堂が建造されました。その後、幕府直轄の学校である「昌平坂学問所」が設立されています。歴史ある国の史跡ですが、大正12年の関東大震災でほとんどの建物を焼失してしまいました。昭和10年に鉄筋コンクリート造りで聖殿や門が再建されています。

湯島聖堂の入口は3箇所ありますが、正式な参拝ルートとしては正門のある「仰高門」からになります。門から入ってすぐのところにある斯文会館には合格祈願や大願成就の絵馬を奉納することができます。合格祈願での参拝なら漏れなく立ち寄りたい場所です。

参道の途中には巨大な孔子像が祀られています。昭和50年に台湾から寄贈されました。その高さは4.57mもあり、孔子像としては世界最大のものだそうです。また、孔子像の前には「楷樹」(かいじゅ)という大木があります。「楷」という木は中国にある孔子の墓所に植えられている名木で、枝や葉が整然としていることから、「楷書」の語源となったといわれている学問の木、合格の木です。

さらに参道を進みます。少しずつ登る聖堂の道の外壁は昔のまま残されおり、コンクリートとガラスのビル群の中に独特の雰囲気を醸し出しています。

中国文化と自然を感じる都会のオアシス

やがて「入徳門」(にゅうとくもん)と記された、黒塗りの立派な門にたどり着きます。この入徳門は湯島聖堂に残る唯一の木造建造物。先の関東大震災で残った数少ない建物のひとつで、江戸時代の1704年に建造されています。門の名前である入徳とは、学び始めた者が本格的に徳の道に進もうとすることで、ここから先が聖堂のある境内になります。

入徳門をくぐると、壁に囲まれた美しい境内に入ります。門をくぐってすぐのところに、水屋があります。この水屋は入徳門とともに関東大震災での焼失を免れている歴史ある建物です。

入徳門から続く石段の上に湯島聖堂の本殿が鎮座しています。日本の神社やお寺とは違う雰囲気で、中国の寺院に近い風景になっています。

壁に囲まれた境内は、本殿を頂上にして緑に包まれています。まさに大都会のオアシスです。

杏壇門をくぐる前、向かって左側には西門があります。西門を出て右に進むと「神田大明神」があります。神田明神は勝負運の強力なご利益。受験などでのご利益を求めるなら、一緒に参拝したいですね。

厳かな雰囲気の孔子を祀る霊廟

本殿を取り囲む壁の中に入る「杏壇門」(きょうだんもん)は、間口20m、奥行4.7mもある巨大な門です。門の前には合格祈願などのたくさんの絵馬が奉納されています。

湯島聖堂の本殿である「大成殿」は中国の紫禁城を思わせる堂々とした造り。間口は20m、奥行き14.2m、高さ14.6mといった大きさを誇り、本殿を取り囲む回廊と黒塗りの壁と相まって見るものを圧倒する雰囲気です。銅葺きの屋根の上には聖獣・霊獣の像があり、孔子の徳に呼び寄せられたとされています。本殿内には孔子像が祀られています。

合格祈願のパワースポットでもあり、日本の寺社とは全く違う雰囲気を感じられる場所です。大都会にいながらも散策すると不思議と心が休まる場所でした。

湯島聖堂

場所: 東京都文京区湯島1-4-25
電話: 03-3251-4606
営業時間:
休業日: 無休
料金: 無料
交通: JR・東京メトロ御茶ノ水駅 徒歩2分
駐車場: なし

【投稿時最終訪問 2020年3月】

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