上野東照宮【上野公園春の桜】

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上野東照宮は上野公園に鎮座する1627年創建の神社。日光や久能山に代表される徳川家康を祀る東照宮の一つです。1651年に三代将軍・徳川家光によって日光まで参拝できない庶民のために造営しました。それは本家日光東照宮を思わせる豪華で色鮮やかな社殿で、幕末の上野戦争や関東大震災、太平洋戦争での空襲でもすぐ近くで火の手が上がったにも関わらず、倒壊・延焼を免れています。御祭神の強運が集うパワースポットで、出世、勝利、健康・長寿の強力なご利益があるとされています。春に訪れると美しい桜が咲き乱れ、美しく華やかな日本の風景を感じさせてくれる神社です。

灯篭と桜が彩る美しい参道

上野公園は東京都を代表する桜の名所のひとつで、桜の時期には多くの人で賑わいます。その上野公園の一角に上野東照宮があります。

上野東照宮の入口には巨大な大石鳥居があります。御影石で造られた巨大な鳥居は1633年に建造されたもので、国の重要文化財にも指定されています。関東大震災でも被害がほぼなかったと言われている堅牢なものです。鳥居横にある茶屋と並んで、とてもレトロな雰囲気も感じます。

大石鳥居を抜けると「水舎門」があります。通ってみると、門の部分の幅が内側に随分と広くなっていると感じます。これは、もともと社殿の前にある水舎の上屋根を移築して、山門としたそうです。よくある風景ながらもどこか違和感があるのは、元々の用途として造られた山門ではないからでしょう。いずれにしてもその違和感が神秘的な雰囲気を醸し出しています。

水舎門を抜けると一直線に伸びる参道。この時はまだ早かったですが、春には桜が咲き誇り、とても美しい道になります。参道の左側は上野東照宮ぼたん苑があります。

参道の左右には巨大な石灯篭が立ち並んでいます。その数はおおよそ200基あり、上野東照宮創建の際に奉納されたものです。ずらりと石灯篭が並ぶ風景は圧巻で、日本三大石灯篭の一つにもなっています。石灯篭には奉納した大名などの名が刻まれており、歴史上の著名な人物の名を探してみるのも楽しいです。

金色に輝く色鮮やかな東照宮

参道の奥には、金色に輝く唐門に護られた社殿が鎮座しています。御祭神は初代将軍の徳川家康公、八代徳川吉宗公、そして日本における最後の将軍で、大正2年に没した徳川慶喜公です。1651年に建造された社殿の内部は公開されていませんが、神々しいオーラを感じることができます。

鮮やかな色彩を纏い金色に輝く唐門はとにかく見事。美しい姿はもちろん、金の扉の左右にある昇り龍と降り龍の彫刻も見事です。これらは日光東照宮の代表的な彫刻「眠り猫」などで有名な左甚五郎の作品です。夜にはこの龍が不忍池に水を飲みに行くという伝説がありますが、それが真実に思えるほど精巧な姿です。

本殿の前には48基ある巨大な「銅灯篭」がズラリと並んでいます。これらは上野東照宮が創建された際に、各地の大名より奉納された歴史あるもので、国の重要文化財に指定されています。特に唐門の両側にある6基は、徳川御三家である紀伊藩、水戸藩、尾張藩よりそれぞれ2基ずつ寄進された特別なもので、さらに格調高いものとなっています。

付近は日本の美を感じる散歩道

上野東照宮は江戸時代の敷地よりずいぶんと狭くなってしまったそうですが、それでも圧倒的な信仰や威厳を感じる雰囲気が境内に漂っています。社殿の近くにはある建物は明治7年に奉納された神楽殿で、屋根の勾配の美しさは都内一と言われていたそうです。神楽や伝統芸能の奉納がここで行われます。

参道から南に下る道にはソメイヨシノとは違う桜が早々と花を満開にさせています。桜の下には鰻割烹料亭の「伊豆栄 梅川亭」があり、和の趣をとても強く感じられる小路です。

参道から眺められる立派な五重塔は「旧寛永寺五重塔」。かつては上野東照宮の塔として建造されましたが、明治時代の神仏分離令により、同じく上野公園の中にある寛永寺のものとなりますが、昭和33年に寛永寺より東京都に寄付されました。現在は上野動物園の敷地内にあり、入場すればその全景を間近から見ることが出来ます。

上野東照宮

場所: 東京都台東区上野公園 9-88
電話: 03-3822-3455
営業時間: 冬季(10月~2月) 9:00~16:30
       夏季( 3月~9月) 9:00~17:30
休業日: 無休
料金: 無料
交通: JR・上野駅より徒歩10分
駐車場: なし (周辺の有料駐車場を利用)

【投稿時最終訪問 2020年3月】

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