隅田川テラスウォーキング【浅草・吾妻橋~新川・永代橋】
「隅田川テラス」は隅田川沿いに約28kmに渡り設けられた川沿いの空間。江戸時代から水運の要で、その沿岸には蔵や名所が建ち並んでいた隅田川。今も観光船や屋形船がめぐる都会のウォータフロントで、スカイツリーをはじめとする東京の名所や風景を眺めながらのんびりウォーキングやポタリングを楽しむことが出来ます。今回は浅草の吾妻橋から新川の永代橋までを隅田川沿いにウォーキングしました。
浅草寺やスカイツリーを観光してからの隅田川テラス
浅草寺から隅田川に向かうとまずたどり着くのが浅草水上バス乗船場。ここから眺めるのはやはりスカイツリーと、ビール色をした金色のアサヒビール本社と金色の聖火台のオブジェ。浅草を代表する風景で、都内でもかなり間近からその全景を見ることが出来る絶好のスカイツリーの展望スポットです。ここからスカイツリーまでは徒歩15分ほど。時間があれば散策がてら東京を代表する観光スポットに訪れてみるのもよさそうです。
スタートは浅草にかかる吾妻橋です。雷門前の通りに続く橋で、初めてここに橋が架かったのは1774年。現在の吾妻橋でも1931年の建築であり、とても歴史のある橋なのです。この橋を渡って、徒歩で浅草から東京スカイツリーに向かうことができます。
吾妻橋の下をくぐってウォーキングをスタートします。朱色が鮮やかな橋桁の下から望む東京の水辺の風景は、とても風情を感じます。
スカイツリーを背にいくつもの橋をくぐるウォーキング
隅田川を河口に向かって右岸を歩いて行くと、次々に大きな橋に出会います。まず最初に現れたのが「駒形橋」。関東大震災後の昭和2年に竣工した橋で、100年前に造られた橋が今も東京の橋として多くの車や人を通しています。
振り返るとスカイツリーと吾妻橋。浅草では見上げないといけなかったその塔頂が少しずつ視界の中におさまってきます。
駒形橋をくぐり、隅田川テラスは続きます。大都会の風景の中、どこかレトロや歴史を感じさせてくれる隅田川のウォーキングのはじまりです。
武骨な見た目ながらも、鮮やかな青色が美しい駒形橋の下をくぐります。幅22m、長さ149mの巨大な橋。昭和2年竣工の駒形橋はもうすぐ築100年。1世紀後に4車線の車道が走る橋をいくつも隅田川に造ったのは、とてもすごいことだと感じます。
丸太の杭が川に打たれ、屋形船が係留されています。東京スカイツリーを望む大都会の中に残る、少し昔ながらの風情を感じました。
スカイツリーを背に、隅田川沿いの大都会の中を延々と歩くことができる隅田川テラス。都会のオアシスのような心地よい長距離の散策を楽しめます。
黄色が眩しい「蔵前橋」。この橋も関東大震災後の昭和2年に竣工した橋。かつてはこの橋は無く、渡船場であったそうです。
蔵前橋をすぎると、隅田川テラスは江戸の風情を感じるエリアになります。灯籠や欄干、蔵のような岸壁や浮世絵をモチーフにした床が江戸散策といった風情を感じさせてくれます。実際に江戸時代に浮世絵が書かれた場所にはその絵のレリーフが飾られています。
振り返る蔵前橋とスカイツリー。浅草から随分歩いたとそろそろ実感してきます。
東京の名所や歴史を感じる隅田川テラス
頭上を電車が走るJR総武線の隅田川橋梁。対岸は両国駅、そして大相撲の聖地、両国国技館があります。
両国橋手前で神田川が隅田川に合流するため、一旦隅田川テラスは途切れます。気持ち良い隅田川テラスですが、こういった途切れる所が何ヵ所もあるのが残念。河川敷から一般道に出て町の中を少し歩きます。途中、石塚稲荷神社があります。かつてはこの付近は花街で、賑わいの中で信仰を集めていたそうです。
武骨ながらもレトロ感溢れる柳橋で隅田川に注がれる神田川を渡ります。神田川には屋形船が並んでおり、かつては花街だった一角はビルやマンションが立ち並ぶ中にも、当時を思わせる雰囲気が残っているように思われます。
大都会のウォーターフロントを体感する隅田川テラス
再びテラスが隅田川沿いに現れます。ここからウォーキングの続きがはじまります。
首都高小松川線。大都会を走る大動脈が、絡み合うように隅田川の上を走っています。
首都高をくぐる隅田川テラス。首都高の下は屋根付きの散策路。
下流に行くにつれて隅田川の川幅も広くなり、開放感も増していきます。隅田川テラスにはベンチもあり、都会のウォータフロントの風景を楽しむことができます。
太陽に輝くバーサイドマンションの間に東京スカイツリー。そして隅田川をゆっくりと、近未来的なデザインの水上バスヒミコが進んでいきます。
続て見えてきたのは「清洲橋」。関東大震災後の昭和3年に竣工された歴史ある橋。震災の教訓を得て川底に深く土台を打ち込んだ堅牢な橋です。その長さは186mで途中に通り過ぎた駒形橋より40mも長く、橋が架かる隅田川の川幅もかなり広がってきたのがわかります。
空に溶けそうなスカイブルー色の頑丈な鉄骨はとてもレトロなデザインで歴史を感じます。幅は22m、まだ車の往来も少なかった大正から昭和にかけて造られた橋が、今も東京の大動脈として多くの車を通しています。
前方に永代橋が見えてきました。江戸時代初期に隅田川に架けられた永代橋ですが、現在のものは大正15年に造られたもの。何度か架替えられていますが、そのたびに日本初となるスペックを誇った日本の土木技術をリードした道路橋です。夜はLEDで美しく青白くライトアップされ、煌めく高層ビル群の中に幻想的な光を放つ美しい夜景を見せてくれます。
日本橋川が隅田川に流れ込む河口に造られた昭和2年竣工の豊海橋。例によって、隅田川に注ぐ川を渡るために、隅田川テラスから一般道に出ます。渡る橋の路面は近代的に造り変えられていますが、橋を覆う無骨な鉄骨にどこか当時のレトロな面影を感じてしまいます。
ここを渡ると永代橋に出ます。この先、この先築地まで同じようにして隅田川の河口、勝鬨橋までウォーキングは可能ですが今回はこの永代橋がゴール。ここからは東京メトロ東西線の茅場町か門前仲町駅から東京駅に戻ることができますできます。