新穂高ロープウェイ【北アルプス絶景を間近に展望】
北アルプス唯一の活火山である焼岳の麓に広がる岐阜県・奥飛騨温泉郷。数々の名湯が惜しげもなく湧き出す、日本屈指の温泉地で、源泉掛け流しの温泉宿が軒を連ねる。そんな深い山の中にある温泉地の最奥に「新穂高ロープウェイ」がある。標高1117mの新穂高温泉から、標高2156mの高い山の上まで一気に運んでくれるロープウェイだ。ロープウェイ頂上にある展望台からは槍ヶ岳や笠ヶ岳などの北アルプスの名山を同じ視線で眺められる人気のスポットだ。
新穂高ロープウェイへのアクセスはまず、新穂高温泉から標高1305mの鍋平高原まで、第1ロープウェイに乗る。乗車時間は約5分だ。鍋平高原までは車でも来れるので、混雑時や料金を抑えたい場合は第1ロープウェイに乗らず、車で鍋平高原に直接アクセスしたい。鍋平高原に隣接するしらかば平から目的地の西穂高口駅まで一気に第2ロープウェイで登る。気軽に雲上の世界へと行くことができるロープウェイは休日には大混雑となる。
しらかば平駅でのロープウェイ乗車は整理券制だ。整理券をもらい、乗車が近づくと、放送で呼び出してくれる。周囲にはレストランや屋台、ビジターセンターやおみやげ屋さんがある。温泉や足湯もあり、天候が良ければ順番待ちも苦にならない。
新穂高ロープウェイのゴンドラは日本初の2階建て。定員も120人も乗れる、スケールの大きいロープウェイだ。
スケールの大きいのはゴンドラだけではない。窓から見える景色も最高だ。眼下に広がるのは中尾温泉。深く削られた谷は蒲田川。槍ヶ岳や穂高連峰から水を集めたこの川は日本海へと向かい、やがて神通川へ合流して富山湾に注がれる。
ゴンドラの真下に近年閉鎖した新穂高スキー場を見下ろしながら標高をあげていく。次第に、煙を上げる焼岳や、尖った槍先の形をした槍ヶ岳の勇姿がはっきりと見えてくる。大きな図体に似合わない早いスピード。約7分の乗車であっという間に、西穂高口駅に到着する。
西穂高口駅には、レストラン・展望台・土産屋などがある。1歩外にでると、5月のはじめはまだ雪の世界。
展望台からは、美しい北アルプスの山々の展望が手に取るように眺められる。美しい空気と景色に包まれた雲の上のこの場所は、立っているだけでもとても気持ちがいい。
眼下には今まで居た下界が、ジオラマのように小さく見える。そして、周囲360度、雄大な山々が幾重にも重なるすばらしい光景が広がっている。日本のマッターホルンと呼ばれる槍ヶ岳が、手を伸ばせば届きそうなくらい近くに見える。
ここから、西穂高岳や焼岳、槍ヶ岳への登山道が始まっている。観光客に混じり、大きな荷物と装備を持った登山者が山を登っていく。ここからは装備と経験を所持していないものは安易に進んではいけない道だ。
観光で訪れたなら、千石園地と呼ばれるロープウェイ乗り場周辺での自然観察を楽しみたい。なお、下りのロープウェイは整理券は発行していない。整列・順番での下山になるので、混雑時は時間を見て行動したい。
新穂高ロープウェイ目の前の源泉かけ流しホテル
新穂高ロープウェイ
場所:岐阜県奥飛騨温泉郷(新穂高温泉)
交通:高山市内から約80分、平湯温泉から約20分
料金:往復2800円、駐車場1日500円
近隣観光地:上高地、乗鞍高原、高山
【投稿時最終訪問 2006年5月】