栗林公園【高松市の中心にある広大な日本庭園】

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四国の鉄道での玄関口である高松市。四国でも愛媛県の松山市と1,2を争う大きな町で、うどん県・香川県の県庁所在地だ。
そんな高松市中心部で、これまた四国の大動脈と言える国道11号線を車を走らせる。すると、多くの車が走り、マンションやビルが立ち並ぶ街の中に、突然広い緑の空間が現れた。高松随一の観光名所「栗林公園」である。
栗林公園は国の特別名勝に指定されている庭園の中では75万㎡という最大の広さを誇る。江戸時代初期から大正初期まで長い年月、何度も手を加えられて完成した広大な日本の美。紫雲山を借景として作られた庭園は、そこが街のど真ん中であることを忘れさせてくれる。

近代的な趣の解放感ある栗林公園の北庭

車を駐車場に停めて、東門から入場する。栗林公園は「南庭」と「北庭」の2つに大きく分けられる。「南庭」は江戸時代初期に造園、「北庭」は明治末期から大正初期にかけて改修されている。
まず東門から入場したのは「北庭」。とても開放的で明るく、近代的な雰囲気すら感じる。英国風のガーデンを思わせるような、刈り込んだ植木と芝生の広場が出迎えてくれた。

やはり栗林公園の見どころは、歴史のある「南庭」。この朱塗りの「梅林橋」を渡れば、そこから南庭だ。
この橋からは、園内の6つの池のひとつ「北湖」を一望できる。おとなしいハトがいっぱいくつろぐ、安らぎの場所でもある。

栗林公園の代表的な風景、南湖と偃月橋

「南湖」
深い緑の中に優雅に鯉が泳ぐ。鏡のように深い緑の水面は美しい庭園を映し出し、さらにその庭園の美しさを際立たせている。

栗林公園を代表する風景、南湖にかかる偃月橋。飛来峰という、築山から見た風景だ。奥に見えるのは掬月亭。その名の通り、鏡のような水面に映る月を掬えるような池の上に突き出した日本家屋。ここでは有料で、お抹茶とお茶菓子を頂きながら、古のその風流を楽しめる。

園内を流れる清流から望む偃月橋。苔むした小川を流れる清流は南湖にそそぎ、その美しい湖面の緑色を作り出している。この川から見る偃月橋も、素晴らしい眺めだ。
もちろんこの偃月橋は渡ることがでる。まるで円の一部を描いたかのような橋は、階段のよう。その頂からも、美しい栗林公園の雅やかな風景を手に取るように楽しめる。

「吹上」と呼ばれる水源。岩の隙間から清流がこんこんと湧き出し、小川となって南湖へ注いでいる。その存在を感じさせない、澄み切った水。暑い夏の日は、この周囲にいるだけでも、涼しい風が吹き抜ける。

湧き出した水が作り出した小川の中。湧水なのでとても冷たく、そしてとても澄んでいる。こんな都市のど真ん中からこんな清流が湧き出しているのはとても不思議だ。しかも、全国的にも雨が降らなく、広い平地の続く讃岐平野でだ。

和の趣と深い緑に囲まれた庭園内の散策

ソテツ林のお出迎え。日本庭園というより、まるでジャングルに迷い込んだような様相だ。今までとは全く趣の違う一角を、不思議な気持ちで通り過ぎる。ここから眺める借景の紫雲山は、まるで熱帯の山にさえ見える。

「新日暮亭」。深い緑に囲まれた離れは静かにたたずむ。庵の後ろには石壁を背負った西湖があり、その西湖には人口の滝である「桶樋滝」が降り注いでいる。普通の日本庭園には見慣れないダイナミックな光景。
庭園の借景であった紫雲山から滝が流れ落ちるその光景は、東京ディズニーランドを何となく思わせる。その風景を眺めながら、この庵でくつろいだ昔の有力者は、何とも風流な時間を過ごしたのだろうか。

園内の所々には日本の美を見ることができる。これは日暮亭の庭に立てられた和傘。ここでもお抹茶とお茶菓子を有料でいただける。鮮やかな和の美の下でいただく和の味は、日本人の心を呼び覚ましてくれそうだ。
訪れた日は夏。暑い日差しに、何度も何度も影を求めた。園内には何箇所か休憩のできる日本家屋や藁ぶきのあずま屋がある。その中で休憩すると、暑い都会の中にいるのにもかかわらず、涼しい風が吹き抜ける。日差しを遮り、風を通す開放的な日本家屋。クーラーや扇風機が当然のようにある時代だが、夏でもこのように日陰で風が通るとこんなにも涼しいのかと感じた。先人の古の知恵は、日本の伝統的の中に脈々と息づいてるのだ。

夏にはハスの花が咲く美しい水辺

栗林公園は季節によって様々な花を楽しめる。夏の7~8月はハスや水連が見ごろだ。西湖の奥には、白い水連が静かに水に浮いていた。

栗林公園でも後期に造園された「北庭」に戻ってきた。そこで目にするのは「芙蓉沼」。なんと、沼一面、ハスが覆い尽くしている。
残念ながら訪れた8月末には見頃は終わっていたが、それでもまだ何輪かは元気に咲いていてくれた。夏の日差しに照らされた花は、鮮やかな葉の緑と、幾重にも重なった葉が作り出した影を背に、一段と美しく映える。

夏の暑さに耐えかねて林の中に。涼しい木漏れ日の中から見える眩しい芙蓉沼。まるで林の外には別の世界が広がっているように見える。
この栗林公園はとても広く、隅々まで見ようと思うととても時間がかかった。僕は園内を1周して約2時間弱。写真は撮ったが飲食は全くしなかったのにこんなに時間がかかった。60分モデルコースが設定されているが、それでも2/3くらいしか見ることができない。こういった自然や庭園が好きな方は、時間を大目に見て入園したい。ちなみに、ここの駐車場の課金は時間制なので、長居には気をつけて。

■栗林公園徒歩すぐ、チェックイン後に散策できるホテル

栗林公園

場所:香川県高松市栗林町1-20-16
電話:087-833-7411
交通:高松中央ICから約10分・高松西ICから約15分
   高松琴平電鉄「栗林公園駅」から徒歩5分
入場料:入園料 大人410円、小・中学生170円
    (1月1日と3月16日は無料)
営業時間:7:00~17:00(季節により延長あり)    
駐車場:約100台(25分100円)
休園日:無休
近隣観光:玉藻公園、屋島

【投稿時最終訪問 2007年8月】

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