南沢氷川神社と南沢湧水群

東京23区のすぐ西に位置する東久留米市。湧水が多い地域で、住宅地の中に流れる落合川は信じられないくらいに美しく、夏になると家の間を流れる川で浮き輪を使って本気の水遊びという東京とは思えない景色を見ることができます。そんな東久留米、いえ、東京都を代表する湧水と、その湧水を古くから守護する神社が、南沢湧水群と南沢氷川神社です。

古くから湧水を護る神秘的な氷川神社

南沢氷川神社は前方を南沢湧水、後方を落合川に囲まれた高台に鎮座しています。湧水の流れる川のすぐ目の前に鳥居があり、ここから階段を登ります。サイクルラックもあるので、黒目川、落合川のサイクリングの途中に立ち寄れる参拝スポットです。

平安時代から湧水の守護神として祭られていましたが、1654年に今の神社としての形になったそうです。氷川神社は埼玉、東京に多い神社でスサノオノミコトを祭る縁結びを中心とした家内安全のご利益のある神社です。

御祭神はスサノオノミコト、その妻クシイナダヒメノミコト、そして子のオオナムチノミコトの三柱。

現在の社殿は昭和46年に再建されたもので、朱色の装飾が訪れた時の夏空に映え、金箔がまぶしい光を受けてとても美しく感じました。町の中にあるとは思えない、緑豊かな場所に鎮座する南沢氷川神社はとても神々しく、神秘的なスポットでした。

都内に湧く透明で冷たい湧水の川

南沢氷川神社の前の森には「落合川と南沢湧水群」があり、東京都で唯一、環境省の「平成の名水百選」に選定されています。1日1万トンもの水が湧く、都内屈指の湧水地です。

南沢氷川神社の前を流れる清流。東京の郊外とはいえ、都内の住宅地の中に護岸もされていない自然そのものの姿で小川が流れていることには驚きです。

森から湧き出した湧水は氷川神社の前尾を流れ、南沢氷川神社の背後を流れる落合川に合流します。落合川も湧水の川で南沢湧水群とあわせて平成の名水百選に選ばれており、合流箇所付近では都内の街中ででありながら水着での川遊びが楽しめる美しい川なのです。

写真だけ見れば、手付かずの自然が残る深い山の中のように思えます。しかしここは、西武池袋線東久留米駅から徒歩15分。池袋まで20分と都内に通勤するのに至極便利な駅の近くにある住宅地の中なのです。

都内には関東ローム層の影響で湧水が多く、緑地や美しい流れが方々にあります。そんな中でもこの南沢湧水群は特級の美しさです。

まさに高原の森を流れるある清流。子供連れの家族が水遊びをしています。まるで軽井沢や清里のような避暑地でくつろぐ旅行者のようですが、じつは地元の家族連れという贅沢極まりない住環境です。

手を浸すと夏でもとても冷たく、とても澄んだ流れ。この先の園地の中に湧水源があるので、時間があれば散策も気持ち良いです(最大の湧水源は立ち入り禁止)

通勤もできて森に流れる湧水の近くに住める。一瞬本気でこの近くに家を買えないかと思うくらいです。実際には高くて手がでないのですが・・・

ともあれ、夏の暑い日はこの近くにいるだけでもとても涼しくて癒される場所でした。サイクリングで訪れるなら、是非美しい落合川を遡って、こちらも住宅に囲まれた場所から湧き出して流れ出す源流点まで訪れましょう。

南沢氷川神社

場所: 東京都東久留米市南沢3-5-8
電話: 042-471-1542
営業時間: 9:00～17:00
休業日: 無休
料金: 無料
交通: 西武池袋線・東久留米駅より徒歩15分
駐車場: 5台(無料)

【投稿時最終訪問 2019年9月】